ドイツベルリンに拠点を置くソフトウェアメーカー SugarBytesは人気プラグインエフェクター TurnadeのiPadバージョンであるTurnade for iPadをリリースしました。以前、インタビューをさせてもらった時に「このTurnadeはipadバージョンを作るべきです!」と主張しておいたのですが、(覚えてくれていたかどうかは別として)願いがかなったかのようでとても嬉しいです。

Turnadeは24種類のエフェクターの中から8つのエフェクターを選択し、ノブをいじるだけでリアルタイムにマニュピレートすることができるマルチエフェクトプロセッサーです。Dictatorモードに入ると、ひとつのスライダーを動かすだけで8つのエフェクターを同時に動かすこともできる、トルネードという名前の通り、どにかく元気のあるエフェクターです。ビートに使うと効果大で、遊んでいるうちに思わぬループやスライスを発見することができます。音がカオスになってしまったら中央下の赤いボタンを押しましょう。iPadバージョンでは4つのX-Yパッドも装備。かなり楽しめます!

 

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スウェーデンのシンセメーカーのElektronがリリースした4ボイスのアナログシンセサイザーAnalog Fourに1週間程さわる機会があったのでレポートしておこうと思います。時代はアナログシンセ。では、Elektronが言うところの「デジタルマインド・アナログソウル」とはどのようなものなのか?リリース前から大きな注目を集めていた製品です。

 

外観

AnalogFourの見た目は、同社のサンプラーマシンOktatrackと同じく黒のボディ。こだわりのあるデザインと頑丈そうな作りは好印象です。メインパネルにはたくさんのボタンと、エンコーダーノブが並んでいます。ノブの回し心地はとてもよく、「安さ」を感じる物とは違います。ディスプレイのサイズは今までの製品よりも小さくなってしまっている上に、ドットの低い文字は読みにくく、やや旧型のディスプレイに見えます。スイッチを押してみると、コンピューターキーボードをさわっているかのようなカチャカチャした音がします。

Analog fourの中心は「4ボイスのアナログシンセサイザー」と「4トラックのシーケンサー」。シーケンサーの各トラックは1ボイス分のシンセサイザーを使うことができます。つまり、通常の4ボイスのシンセサイザーと違って、MIDIキーボードからコードの演奏をすることはできないので注意が必要です。(二つのオシレーターのピッチを変えたり、サブオシレーターのピッチを変えることでコードサウンドを作ることはできます。ます。また、シーケンサーの各トラックに同じ音色を並べることで、コード演奏をさせることは可能になります。)
シーケンサートラックには「FXトラック」と「CVトラック」というスロットも用意されています。「FXトラック」はエフェクター(コーラス、ディレイ、リバーブ)のコントロール・設定をすることができ、Analog Four背面のインプットから入力したオーディオ信号にフィルターやエフェクターをかけることができます。

「CVトラック」はAnalog Fourの背面にある二つのCVアウトプットを通して外部CV機材をシーケンサーコントロールすることが可能になり、そんな機材を持っている人にとっては魅力的な機能となります。

また、AnalogFourのMIDI OUTからはDIN信号の送信が行われ、他のドラムマシンやシーケンサーとの同期がとれるようになっていますが、通常のMIDIコントロールをすることはできません。USBからはMIDI信号の送受信が行われるので、コンピューターソフトウェアとの同期に役立ちます。

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バネで振動を伝えるスプリングリバーブ。この「バネ臭さ」がエイフェックスツイン並みのクレイジーサウンドを作り出します。手袋をしている理由は小指を怪我しているからだそうですが、実はこれもいい効果を作っているのかも。チュートリアルはリンクよりどうぞ。

 


いっかい 「巨大スプリングリバーブ」

 

 

 

 


今なお多くののミュージシャンが愛し続ける昔のアナログシンセサイザー。その代名詞となるのがローランドのドラムマシーンTr-909や808ですが、生産 が中止されてから何十年たった今でもビンテージマシンとして世界中の中古市場をにぎわしているのはもうご存知の通り。ノスタルジーだけではなく、今の時代のミュージシャンが今の気 分を持って大きなボタンやツマミをいじることで、新しい発見をし、それでしかありえない個性のあるサウンドを手に入れ、新しい音楽を生み出しているのです。

東京原宿にあるアナログシンセサイザー専門のショップFive G。店内に足を踏み入れた大概の人が驚くことは所狭しと展示されている70年代から現代までのシンセサイザーの数。日本産のアナログシンセのストックの多さ はもちろん世界随一でしょう。専門技術者によって調整が行われたビンテージシンセの販売、海外シンセの輸入販売、独自技術を使うアフターケアも行うFiveGはアナログ シンセファンにとってはまさに聖地。

僕自身が初めてこのショッップを訪れたのはかれこれ10年前くらいのことですが、その時の驚きや興奮は今でも覚えています。テレビや写真でしか見たことのないレアな機材を生で見てさわることのできる喜びはシンセファンなら理解してもらえるでしょう。ヨーロッパのテクノミュージシャンと日本についての話をすると大概話題になるのがこのFive Gだったり。

古きを尋ね新しきを知る。それでは中に入ってみましょう。

 

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今回のNAMM2013で大きく目立ったのがアナログシンセサイザー。アナログオシレーターを使ったサウンドはデジタルで生成したサウンドよりも断然暖かみがあるもので、個人的にもそんな暖かい音が好みではあります。とはいっても音楽制作のあり方はこの数年の間に大きく変わりつつあり、一方ではデジタルによって生み出されるロボット的なサウンドが多くの人々に好まれ始めているのも一つの現象。

本日リリースになったAudio DamageのBitcomはそのデジタル路線を行く潔いプラグインエフェクター。16ステップのシーケンサーを使い入力するサウンドを切り刻み、内蔵するシンセサウンドを使いサイドチェーンをかけることのできるビットクラッシャー系エフェクター。

OS X Intel 10.6.0 or later, or Windows XP SP 2 or later; the installers include both 32- and 64-bit versions

Audio Damage

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先週アメリカで行われていたNAMM2013ではMS-20 Miniを発表し、世界中のシンセファンからの大注目を浴びたコルグ。過去のシンセサイザーの名機が今の時代のプラットフォームに生まれ変わることで、何か新しいものを発見できそうな未来を感じているのかもしれません。

さて、今日の話題はiOSアプリKorg iPolysix for iPad。こちらのほうは1981年に発売されたアナログポリフォニックシンセサイザーの名機をiPadで再現しており、昨年末から発売になり大ヒットを記録しているアプリ。Polysix2台分の音源に加えドラムマシンやシーケンサーも新開発され、大きく生まれ変わったPolysix。

iMS-20などのiOSアプリやKORG Legacy Collection、DS-10の開発を手がける グループのメンバー3名(福田さん、中島さん、井上さん)に開発にまつわるお話を伺いました。

 

i:今回iPolysixを作ることになった経緯を聞かせてください。

中島さん 開発リーダー:
以前にモノフォニックシンセiMS-20を出していますが、今回はポリフォニックシンセのアプリを出したら面白いんじゃないかなと思ったのが始まりです。MS-20とは違ったアナログポリフォニックの良さを全面に出せるもの、ということでPolysixを題材にしてみました。MS-20(1978年)のモノフォニックの時代からPolysix(1981年)のポリフォニックの時代に変わって行く時代にタイムスリップするイメージですね。

福田さん グループマネージャー:
去年、別のチームと一緒にReason用のPolysixを出したり、Google I/Oという開発者イベントでmiselu用のPolysixバージョンを展示したり、なにかとPolysixに関わることが多かった というのが大きいです。

 

 i:コルグさん的にはPolysixに特別大きな思入れがあったり?

福田:企画の段階からいつも自然とPolysixの話題がもちあがるんですよね。去年はPolysixに関わる流れがあり、僕らのチームはiOSがメインなんで、iOSでもPolysixを出さないわけにはいかないだろうって話になりまして、作るんだったら史上最強のPolysixを作ろうかってことになりました。

 i:Reason用、Google miselu用、そして今回のiOSバージョン、大きな違いはあるのですか?

中島:音質的にはコアの技術を使っていますのでどれも同じモノと言えます。構成的にはiPadだけで曲を作れるものをつくりたかったのでiPolysixにはシーケンサーを付けたり、またオリジナルにはない波形やハイパスフィルターパラメーターも追加しています。

 

福田:オリジナルのPolysixでキックの音を作ろうとするとけっこう難しかったりするものですから、そのあたりをアシストするような機能を加えて、iPolysixだけでどこまでのシンセサイズができるのかを目標にして作りました。

i:オリジナルのPolysixは完全再現できてるんですか?

中島:もちろんオリジナルにある主なパラメーターはすべて含まれているのでオリジナルに忠実です。
アナログモデリングCMT(Component Modeling Technology)というコルグの技術で、以前発売したKorg Legacy Collectionで使ったものと同じ技術をつかっていますね。

福田:音を忠実に再現するために真面目な計算をしているんで、とても正確にできてますよ!

 

i: 最近始めてオリジナルのPolysixをさわる機会があったんですけど、ほんとすばらしい楽器ですよね、、まだまだ聞いたことのないようなサウンドがつくれたり。

当時としては外観にもこだわっていてカッコいいですよね、木の枠がついていたりとか。

 

i:iPolysixではじめて搭載されたシーケンサーPolysiqですが、おもしろいですね。見た目からしてもかなりいい感じですよね。

中島:いやあ~ありがとうございます。ステップシーケンサーの良さと、ポリフォニック、その両方の良さが上手く合わさって楽しめるようになったかなと思ってます。

井上:シーケンサーの見た目というとどうしてもピアノロールになってしまいがちなところがあって、そこをどうずらしてあげると面白いかなと考えましたね。

 

福田:ここは時間かけましたね。ミキサーの部分はKMX-8という昔の機種をベースにしていますが、シーケンサーに関してはポリフォニックのアナログシーケンサーってあまり思いつかないところじゃないですか。ピアノロールとはちょっと違った昔のスイッチ感みたいものを出せるように試行錯誤しました。

i:レトロでいて、新しい感覚がいいですね。テクノ心をくすぐるものがありますよ。

福田:Polysixが発売されたのが1981年ですが、当時ポリフォニックシーケンサーを作ることになっていたら、これに近い形になっていたんじゃないかなあーなんて思ってますね。

 

i:Polyshare(Sound cloudを使った楽曲の公開)では大勢の人が曲をアップデートしていますね

福田:あれは一番お勧めの機能ですね。

i:リミックスコラボっていうのはどのような機能なんですか?

福田:サウンドクラウドにソングデータとオーディオデータを一緒に付けてソングデータ部分をダウンロードしてリミックできるような形にしてあるんです。iMS-20で世界で初めて搭載した機能です。

iPolysixではすべての音を1から作っていかなければなければならないのですが、よくこれだけのことができるなあと、驚くようなカッコイイ曲がたくさんあります。 また国旗を出したんですけど、スウェーデンの人がいっぱ いあげてるなあ、とか、思いもよらなかった所からアップされていたりとか、スゴい面白いですね。

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