NAMM2015 をチェックしていて分かるように、モジュラーシンセサイザーの復活熱はさらに高まっている様子だ。ひとつひとつのモジュールにこだわりを持ち、様々な方法で接続していくことで想像を超える音創りができる「モジュラー」は今のエレクトロニックミュージシャンにとってのひとつの重要キーワードと言える。とはいえ、ひとつのモジュールを手に入れるのに何万円、そしてこれをいくつも組み合わせていかなければいけないことを考えるとやはり慎重になってしまうのが現実だ。
そこで登場したのが、コンピューターを使ったバーチャルモジュラーシンセサイザーOSCiLLOT だ。
Max for Cats がリリースしたOSCiLLOT はAbleton Live Max for Live 専用のバーチャル・モジュラーシンセサイザーだ。用意されているモジュラーはオシレーター・プロセッサー・フィルター・ミキサー・モジュレーター・アンプ・シェイパー・シーケンサー・ユーティリティーなどなど100以上に及ぶ。これだけのモジュールがあればシンセサイザーやエフェクター、ドラムマシン、どのようなデバイスでもクリエイトすることができるのではないだろうか。操作方法もごくシンプルで、パッチ・コードでモジュールとモジュールを接続するだけのようだ。すでにパッチング済みのシンセサイザーやエフェクターも多数収録されているとのことだ。必要なものはMax for liveを内包しているAbleton Live Suite。
iOSアプリ「DuetDisplay」はiPadやiPhoneを追加ディスプレイとして使用することが可能になるアプリだ。接続には普段使っているUSBケーブルを使うことができる。これまでにもiPadを追加ディスプレイにすることのできるアプリはあったのだが、Wifi を使う接続方法だったこともあり遅延が大きく発生してしまい実用的とは言い難いものがあった。
「DuetDisplay」のiTunesの解説によると、
Apple出身のエンジニアチームにより開発されたduetは遅延のない、これまでにない高いパフォーマンスソリューションです。duetでもっと仕事の効率を高めましょう。ディスプレイを追加することで、エンジニア、ミュージシャン、デザイナーおよびアーティストの生産性を最大48%も向上させることができます。
機能:
-遅延なし
-プラグ・アンド・プレイセットアップ
-60フレーム/秒
-Retinaディスプレイ (オプション)
-セキュアなケーブル接続
-Touch使用可能
-即日サポート
という説明が書かれている。「生産性48%の向上・・」とういう意味はよくわからないにしても、「遅延がない・・」という説明には魅力を感じる。しかも接続したiPadではタッチ操作も可能になるという。ではDAWソフトウェアを使った時にはどのようなことになるのだろうか?というのが今日のトピック。
カナダのモントリオールのソフトウェアメーカーPlogue Art et TechnologieがリリースしたChipspeech は80年代の音声合成チップの数々をエミュレートしたプラグインソフトウェアだ。音声合成というと今の時代、初音ミクやボーカロイドが大きな脚光を浴びでいるわけだが、その歴史は意外にも長く、初めてコンピューターに歌を歌わせることに成功したのは1961年のこと、アメリカのベル研究所においてIBM 704というコンピューターが「デイジーベル」を歌ったことに始まる。この記念すべき音声をまだ聴いたことの人はこの機会に是非。
Chipspeechはスタンドアローン、もしくはプラグインモード(VST/AudioUnits/RTAS/AAX)として起動する。Text欄に歌詞を書き込み、あとはMIDIキーボードを弾くか、DAWソフトウェアにMIDIノートを書き込めばその音程通りに歌を歌い始める。モノだけでなくポリフォニーにも対応しているので和音(コーラス)演奏にも対応していたり、英語だけでなく日本語にも対応しているのは嬉しい部分だ。
Chipspeechには音声合成の歴史において重要とされている7つボイスが収録されているのだが、Plogue Art et Technologieはこれらを忠実に再現している。(各ボイスの使用権利も獲得しているそうだ。)それぞれのボイスがSFアニメシンガー(?)かのようにキャラクター化されているのも面白い。
現在ヨーロッバで開催中の、クラフトワーク「3Dコンサートツアー」のビデオがYouTubeチャンネルWilly Billiamsに投稿されています。
見たことのある機材から、全く見たこともない機材まで、テクノポップの元祖クラフトワークが今どんな機材を使い、どんな演奏方法をしているのか見ることができます。ファン必見。(オフィシャルなビデオではないようなので近いうちにデリートされてしまう可能性もあるのかもしれません。)
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Apple はLogic Pro X のバージョン10.1をリリースした。 アカウント所有者はAppストアより無償でダウンロードできる。
「EDMやヒップホップトラックの制作に重点をおいたアップデート」となっており、エレクトロニック系のサウンドが充実し、ドラムマシン風の機能がいくつか追加された。そのほかにもピアノロールエディターの機能向上、新しいコンプレッサーなど、様々な機能が追加されている。今日はその中のいくつかを紹介しよう。
10人のドラマー追加、エレクトロニック系ドラム音源DrumMachine Designer搭載
Logic Pro Xから搭載されたDrummerは、様々な音楽ジャンルの中からドラマーを選択すると自動的にドラムパターンを作りだしてくれるバーチャルドラム機能だ。このDrummerに新しい10人のドラマーが追加され、ジャンルはEDM、ダブステップ、レトロ80s、トラップ、テックハウスなど。そしてこれに伴い、ドラムマシン系のドラム音源キットDrumMachine Designerが追加される。
(サウンドエンジン自体はLogic UltraBeat とEXS24の混合となっているようだ。)
これら10人の新入りのドラマーから一人を選択すると、自動的にDrumMachine Designerのキットが選択されパターンを演奏し始める。Drummer エディターの中に表示されているドラマーの顔写真(?)の下にあるプラグインボタンを押すと、Drum Machine Designerのインターフェイスが開く。
このインターフェイスを使い各ドラムインストゥルメントの音色編集を行うことができる。Native Instruments のBattery のような設計になっており、画面上半分に表示されているインストゥルメントのセルをクリックすると、画面下にパラメーターが表示される。
プラグインヘッダーをクリックすると画面下半分はスマートコントロールの表示に切り替わり、エフェクターの操作やボリューム操作を行うことができるようになっている。
各セルを右クリックするとLogicのアレンジ画面にはインストゥルメント専用のトラックが作成される。各インストゥルメントにエフェクターを掛けたいときや、各インストゥルメントにオートメーションを書きこみたいときにはこの機能を使うと便利だ。Track Stackとして機能するのも便利だ。
ローランドによるアナログとデジタルの融合。
NAMM 2015ではローランドのJD-XシリーズのフラッグシップモデルとなるJD-Xaの展示が行われているようです。
しかしまだ開発中とのことで音を聞くことはできません。
JD-Xaは以下のような特徴を備えているようです。
- 多くのノブ、そしてフルサイズのキーボード
- 4つのアナログモノフォニックボイス搭載、各ボイスのシンセオペレーションが可能、4ボイスのポリフォニックとしても動作
- 4つのRoland SuperNatural 音源ボイス搭載
- 8チャンネルのステップシーケンサー
シーケンサーがどんな作りになっているか気になるところです。Elektronのパラメーターロックのような機能が付いていればサイコーなんですけどね。はたして?
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