Native Instruments が開発した4チャンネルのマルチトラック・オーディオフォーマットSTEMS。これまではBeatPortなど大手オンライン音楽ストアで既製品のトラックを買うことしかできませんでしたが、今日からは正式に、自分のトラックをStemフォーマットに変換し、TRAKTORコントローラを使って演奏できるようになります。
まずはベルリンのDJ/プロデューサーNGHT DRPSのインタビュービデオをどうぞ。Stemsをどのように使うのか語ります。
Native Instruments TRAKTORの新しい機能STEM DECK。見た感じはごく普通のMP4ファイルではあるのですが、Stemsと名の付くこのファイルをTRAKTOR PRO 2にロードすると、4トラックに分けて再生することができるという新しい音楽フォーマットです。例えば、ドラムパートだけプレイをしたり、ボーカルパートだけにエフェクトをかけてみたり、ベースだけにEQをかけてみたり、又は、DECK A とBにそれぞれにStemファイルをロードすれば、ドラムパートはDeck A から、シンセパートはDeck B からなどなど、曲パートをスワップするなんてことも可能になるわけです。
Stemsの良いところは、Stemクリエーター・ツール(画像上)を使い、自分でもStemファイルを作れてしまうことです。つまりTRAKTOR DJのセッティングを使ってライブ演奏ができるようになるわけです。Ableton Liveで行うライブとは一味違ったライブパフォーマンスができそうな予感がします。
今日、公開されたStems公式ホームページには、Stemについての詳しい説明や仕様詳細が記されています。
Stemsファイルの作り方はごく簡単なようです。
- 自分のDAWソフトウェアで4つのパートのファイルと、ミックス・ファイルを一つ作る。(どのパートを抜き出すかは自分で考えることができるわけです)
- STEMクリエーター・ツールにこれら5つのファイルをインポートする。
- それぞれのSTEMに名前をつけたり、波形表示用の色を選択する。
- マスタートラックにコンプレッサーをかける。
- EXPORT!
- STEMファイルの完成。StemファイルをTRAKTOR PRO2 でロードする。
音質の方はそれぞれのステムが256kbps AACでエンコーディングされるようです。数字的にはアップルiTunesと同じクオリティとなるわけですが、4つのトラックを個別に出力し、それぞれにエフェクターやEQをかけていくことができることを考えれば、クオリティはiTunesよりも上であると考えて良いのでしょう。ファイルのサイズ的にはAACファイルが5つ分と考えて良いようです。
今の時点では、このStemsを操作できるコントローラはNI KONTROL D2、S8、F1 となっています。ちょっと忘れかけていたKONTROL F1が再び日の目を見ることは大歓迎です。
下のビデオはStemイントロダクションビデオと Stemクリエーター・ツールのイントロダクションビデオです。
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