現在アメリカ・ラスベガスで開催中の家電見本市CES にて、カシオはTrackFormer というシリーズで2種類の音楽機材(DJコントローラXW-DJ1 そしてサンプルドラムマシンXW-PD1 )を発表しています。DJコントローラXW-DJ1は、7インチのターンテーブルが中央に備えられ、iOSアプリAlgoriddimのjay2との連携によりスクラッチを主体としたDJコントロールを楽しめるもののようです。一方、XW-PD1 は中央にMPCスタイルの4×4のパッドが備えられ、内蔵するサンプラーとシンセサイザーを使いながらグルーブパターンを作っていくもののようです。両マシンともにスピーカーを内蔵、そして電池駆動が可能になっているほか、コンピューターやiOSデバイスとの接続ポートが装備されているようです。XW-DJ1 の価格は$299、今月末からの発売。XW-PD1 は価格$399、3月の発売となっています。カシオのホームページにはまだ公式な情報が掲載されていません。
それにしてもこの形かなり大胆ですね。StarWarsのミレニアムファルコンか?という話もありますが、個人的には先日おとずれたスペインのあちらこちらで見かけた生ハムに見えてしまいます。
地球儀のような形をしたUSB MIDIコントローラAlphaSphere。2012年のMusikMesseでさわらせてもらったことがあるのですが、あのクッションのような柔らかなパッドの感覚を今でも忘れることができません(!)。その後AlphaSphereはミュージシャン・DJ・VJのみならず、子供の教育現場や音楽セラピーなどにも利用され、皆に愛される楽器として着々と進化している様子をYouTubeでよく見かけます。
そんなAlphaSphereのエントリーバージョンとなるAlphaSphere me がいよいよリリースされることとなり、これまで一番大きなネックだった価格問題がクリアーされています。価格は£149.99(日本円でおよそ¥27.000)。これまでのバージョンとの大きな違いはパッドの数が32個(AlphaSphere Nexusシリーズは48個)となり、本体のサイズがやや小さくなったところでしょう。プリオーダーはすでに開始されており、発送開始は2015年春となっています。
以前にも紹介したことのあるデジタルオーディオ・プラットフォームAXOLOTIが製品化に向けクラウドファンディングIndie GOGOでのプロジェクトを開始しています。
AXOLOTIは、Axoloti Patcherというコンピュータソフトウェア(MaxやReaktorのようなモジュラー式ソフトウェアなのですが)を使ってシンセサイザーやエフェクターをデザインし、コンピュータとUSB接続したAxoloti Core ハードウェアにパッチをアップロードすることができ、アップロードした後にはコンピュータなしでもハードウェアを動作させることができるようになるというユニットです。ローランドのAIRA System-1 のプラグアウトシンセサイザーと同じような発想だは思うのですが、簡単に言ってみれば、ユーザー自身がデザインしたソフトウェアインストゥルメントをハードウェアインストゥルメントとして使うことができるようになるということです。どのようなインストゥルメントを作るのかはユーザーの発想次第、プログラム能力次第となるわけですが、忍耐次第では(!)私のようなプログラム音痴人間でもオリジナルのハードウェアシンセサイザーをデザインすることができるようになるわけです。また、ユーザー同士がコミュニティを通してパッチをシェアすることも可能になり、まさに「開かれたシンセサイザー」と言えるのではないでしょうか。
Axoloti Core ハードウェアのスペック
- ステレオオーディオIN/OUT 24bitサンプリング
- DIN MIDI IN/OUT
- Micro-SDカードスロット (パッチやサンプリングデータの保存)
- Micro-USB デバイススロット(コンピュータとの接続)
- 180Mhz ARM Cortex M4 マイクロコントローラ + 256kB SRAM+ 1MB Flash (STM32F427)
- USB ホストプラグ (USB-MIDIコントローラとの接続)(USB MIDI class compliance)
このようなオープンソースのハードウェアシンセサイザーというものはこれまでにも幾つかリリースされてきてはいるのですが、シンセ・アーキテクチャーに関しては固定されてしまっていることが多かったり、ファームウェアコードをいじることができる人であってもその複雑さが故に大概は手を出しにくい部分でした。その点、このAxoloti では簡素化されたソフトウェアを使うことによってユーザーが簡単にアルゴリズムを作ることができる点が大きなメリットとなっています。また、ArduinoやRaspberry Pi との違いは、ユーザーがコーディングやコマンドラインプロンプトを扱うことなしに、作りたいものだけに集中することができるところにあります。
クラウドファンディングIndieGOGOでの目標金額は$25.000$60からの出資でAxoloti コアボードを手に入れることができるチャンスです!
詳しい内容はこちらよりどうぞ。
シンセサイザー音楽の巨匠ヴァンゲリスが1998年に録音した未発表プライベートサウンドトラック「The Tegos Tapes」がSoundCloudに公開され話題になっています。事の始まりは、ギリシャ人の神経外科医Dr. Tegosが監修した「医学生のための神経外科手術教習ビデオ」のサウンドトラックとして、その友人であるヴァンゲリスが依頼を受け制作したもので、録音時間はVHSビデオ3巻に及ぶ全12時間という驚きの長さだったそうです。その後、ヴァンゲリスの熱意あるファンの手によってこの幻となりつつあった音源が発掘され、現在エディット済みの音源が34種類公開されるに至っています。「ブレードランナー」的なダークアンビエントな世界が繰り広げられます。
現在ではDVD化もされているこの「医学生のための神経外科手術教習ビデオ」。Dr. Tegosのホームページではそのプレビュービデオを見ることができ、購入も可能だそうです。医学生の方で興味のある方はぜひ。
via DJ Food
2週間後に始まる楽器見本市「NAMMショー2015」に向け、新製品のニュースが多くなってきました。今年はさらにユーロラック・モジュール人気が高まることが予想されていますが、まずは、ニューヨークのモジュラーシンセ・メーカーVERBOS Electronics がお披露目するCVキーボードです。
シンセ界の老舗メーカーBuchla の開発協力としても知られるMark Verbos氏によるデザインということもあり、Buchla Music Easelと同様のプレート・キーボードが採用されているようです。サイズは84hp、3オクターブのキーボードはプレッシャーセンシティブ、キーの上を指で上下することでピッチベンド的な効果も作ることもできるようです。iPadアプリを使えば同じようなことはできるにせよ、やはりこのようなハードウェアを見てしまうと「格の違い」みたいなものを感じてしまいます。
In the great tradition of West Coast synthesis, the Verbos Electronics Touchplate Keyboard is a gold plated controller with 3 independent sections for sending control voltage signals. First is a 32 key volt/oct trimmed piano arrangement with 3 octave selects. It has an output for pitch CV, pressure (actually a measurement of the surface area of the finger touching the key), gate and 10ms trigger. Second is a pressure sensitive up/down bender that can be used to bend the VCO or anything that needs bending. Finally, an 8 key tunable keyboard with CV pressure and gate outputs. The Keyboard can be powered from normal Euro power or an external 9-15 volt positive tip DC supply, for use with un-power skiffs.