Native Instruments Reaktorのユーザーライブラリーには、ユーザーが制作したおよそ4000にのぼるアンサンブルが無償で公開されている。ジャンルはシンセサイザー・ドラムマシン・サンプラー・シーケンサーなど、斬新な物から在り来たりのものも含め様々だ。中にはNIの創始者Stephan SmittによるCHA-OSC(人気プラグインシンセKONTOURの大元となったシンセ)のような超プロフェッショナルなアンサンブルも含まれている。
ユーザー@mosaicが発表した3種類のReaktorアンサンブルもかなり魅力的だ。Acceleratorはドラムシンセサイザ、InfrastructireとReduxはサブトラクティブシンセと呼ばれるものだ。清潔感のあるインタフェイス、音の方はかなりエレクトロニック寄りだがシンプルでユニークな音、無償とは思えないクオリティの高さに敬服する。
コルグのVOLCAシリーズ、Teenageengineeringのポケットオペレーターシリーズさながらの、トリニティ・アンサンブルを楽しむことができる。
「モーフィング」はコンピューターグラフィックの手法の一つで、ある物体から別の物体へと自然に変形する映像をみせる。私が思い出すのは、その昔マイケルジャクソンが「Black and White」という曲のPVの中で、様々な顔の映像を次々と変形させていたことだ。
この「モーフィング」を、音楽テクノロジーに応用させた場合、たとえば、水が滴る音がいつの間にか人の声に変わっていたり、ピアノの音がいつの間にかギターに変わっていたり、一つの音を別の音に徐々に変化させていくことができるのだろうか?試してみたいことは山ほどあるわけだが、そんなことをリアルタイムで実現するプラグインソフトウェア「Morph 2」がドイツ・ハノーバーに拠点を置くZynaptiqというソフトウェアメーカーからリリースとなった。元々はProsoniqというメーカーが開発したソフトウェアのバージョンアップという形でのリリースとなっている。
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私たちの音楽リスニング環境を大きく変えたMP3。オリジナルの音声ファイルをMP3に圧縮する際にはある周波数一帯がカットされ、データ的にかなりの容量がけずられてしまうわけだが、説明書きの上では、音声上の劣化が少ないものとされている。確かにそうだ、と思った人が多かったからこのように世界中で広く普及したわけだ。最近ではMP3に異論を唱え、もっと良質な音声フォーマットも次々と開発されているわけだが、しかしその普及率はMP3の足元にも及ばず、その存在すら知らない人の方が多い。
アメリカ・バージニア大学でコンピューターテクノロジーの研究をするRyan Maguireが制作したビデオ「Ghost in the MP3」は、1987年スザンヌベガによるヒット曲「Tom’s diner」をMP3に圧縮した際に、切り落とされてしまっている部分の音声を記録したものだ。音を聞いてみると、まるで「Tom’s diner」の影の部分を聴いているかのような薄気味悪さを感じるのだが、いわゆるハイエンドと呼ばれる周波数帯が残されていることが明らかに分かる。
ビデオでも同様に「Tom’s diner」のビデオを圧縮した際に切り落とされてしまった部分が映し出される。。
このプロジェクトでは、どうして私たちがMP3というフォーマットを選択してしまったのか?という問題提起が行われている。かなり皮肉っぽくもあるのだが、「Tom’s diner」という曲はKarlheinz Brandenburgというドイツ人エンジニアがMP3を開発する際にテスト音源として使った曲で、「MP3の母」とも呼ばれているのだそうだ。
via boing boing
iOSデバイスの音をコンピュータに取り込みたい場合、これまではiOSデバイスのヘッドフォン端子から音を拾うか、もしくは特別なオーディオインターフェイスを使わなければならなかった。iOSアプリでもこれを可能にするものはあるにはあるのだが設定が面倒で実用的とは言い難かった。でも今日紹介するaudiomuxアプリによって、これからは通常の充電ケーブル(30pinnもしくはLightning)1本でマックとiOSデバイスとの間でオーディオストリーミングが可能になる。
audiomuxは、先日紹介したmidimuxの兄弟アプリだ。
この二つのアプリを同時に使えば、①DAWソフトウェアでMIDIノートを書き、iOSアプリを鳴らす。②iOSデバイスの音をDAWソフトウェアに取り込む。つまりプラグインソフトウェアと同じような感覚でiOSアプリを使うことができるようになるのだ。
それではどのような方法でオーディオストリーミングを行うのか、Logic Proを使ってチェックしてみることにする。
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ローランドのTB-303を模倣したマシーンやソフトウェアは世の中に数多くあれど、ウェブブラウザーで303を再現しようとした人はいなかったはず。ディベロッパーErrozeroが開発したAcic Machineは「まだ開発中」との事なのだが、それでも303のアシッドテイストは十分に味わえる。
PropellerheadのReBirthを知っている人ならAcid Machineのコンセプトをすぐに理解することができるだろう。ウェブブラウザーでAcid Machineを開くと2台のTB-303と1台のTR-909が再現される。303のプログラミングが苦手な人は、私もその一人なのだが、まずRandamizeボタンを押してみよう。303のパターンが自動的に作られ、これを聞いているだけでもあっという間に時間が過ぎてしまう。
Acid MachineはウェブブラウザーChromeでの使用が勧められているが、FireFoxでも動作するようだ。私が試したところ、Safariでは動かなかった。
これなら昼休み中でもアシッドハウスを作れてしまう。
Native Instrumentsの最新シンセサイザーROUNDSがアップデートバージョン1.1をリリースした。このアップデートバージョンではWarp RecordsのPALIDが作成した33種類のプリセットが追加されている。さすがPLAID、年季の違いを感じるインテリジェンス溢れる音に仕上がっている。
ROUNDSはNI KOMPLETE 10に内包する新しいシンセサイザーで、REAKTOR5 専用のアンサンブルとして起動する。
ROUNDSは8つのアナログエミュレート音源と8つのFM音源、合計で16の音源を組み合わせて音を出すシンセサイザーなのだが、ボイスプログラマーの設定次第で、時にはアルペジエーターになったり、時には4ボイスを同時に発音させ、モーフィングさせるようなこともできる。
Controlセクションでは音源をリアルタイムで操作することができ、マクロノブの操作はもちろん、時にはひとつのフェーダーを動かすことで同時に8つのフェーダーを動かすようなこともでき、シーケンスパターンにさらなる動きを作る。
とにかくパワフルに動くシンセサイザーで、それに伴って音もパワフルに動き回る。頭で考えるよりはとりあえずMIDIキーボードを押さえ、パラメーターをいじり、どんな音が出てくるのか結果を見て聞いた方が断然楽しめる。
複雑ではあるのだが、インターフェイスはいたってシンプルに作られており、そこが「ソフトウェアシンセサイザーの進化系」といわれる所以でもある。問題はやはりCPUハングリーなところだ。
デモバージョンも用意されているので、まだ試していない人は是非。