プロの現場でも使われるエフェクト・プラグインで知られる Soundtoys が、新作リバーブ 「SpaceBlender」 をリリース。なんと、5月22日までの期間限定で無償配布されています。
Soundtoysって?
Soundtoysは、「EchoBoy」や「Decapitator」といった定番プラグインでおなじみの、アメリカのオーディオプラグインメーカー。豊かな音作りと直感的な操作性で、世界中のプロ・アマ問わず支持されています。今回のSpaceBlenderは、同社のなかでも少し“実験的”な方向に振ったリバーブ。けれど、操作は意外とシンプルで、初心者にも扱いやすい設計です。
SpaceBlenderはどんなリバーブ?
一言で言うと、ちょっと変わった面白いリバーブです。普通のリバーブは「空間の響き」を自然に再現するのが主な目的ですが、SpaceBlenderはそれだけにとどまりません。音の残響が時間とともに変化したり、質感が滑らかから粒っぽい音に変わったりと、“音の動き”を楽しめる作りになっています。特に面白いのが「Color」と「Texture」のコントロール。音が時間とともに明るくなったり、ざらついた残響に変わったりと、残響そのものに“動き”が生まれます。また、「Freeze」ボタンを使えば、残響を凍らせてループのように使うことも可能です。LoFiやアンビエント、エレクトロニカなど、ちょっとした“雰囲気づくり”や、または80年代的なゲートリバーブの作成も得意としています。
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「触れることで音が鳴る」体験づくりを得意とするクリエイティブ・テクノロジー・スタジオ Playtronicaが、5月8日からベルリンで開催されるSuperboothにおいて新作 Orbitaを発表します。Orbitaはカラフルなマグネットをターンテーブル状のディスクに置くだけでフレーズが組み立てられる “カラー・シーケンサー”。各色が MIDI ノートとして機能し、最大4つのメロディ/リズム・ループを同時に回せるのがポイントです。
本体に音源は入っていないため、USB-C で PC やタブレットとつなぎ、ソフトシンセや Playtronica のオンライン・シンセを鳴らします。右下のノブでテンポを変えながら、レゴで遊ぶような感覚でパターンを差し替えられる――そんな気軽さが魅力です。
発売日と価格はまだ未定ですが、とにかく Superbooth の会場で実機を触ってみるのが楽しみ! もし現地に行けない方は、Playtronica の Instagram(@playtronica)にもデモ動画が上がるはずなので、そちらで雰囲気をのぞいてみてください。
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スペイン・バルセロナ発のハードウェアメーカー OXI Instruments は、2021 年の Indiegogo クラウドファンディングで目標額をわずか数時間でクリアし、一気にシンセ界の注目を集めました。その勢いを保ったまま、2025年4月に後継機 OXI ONE MKII を正式発表。Superbooth 25(5 月・ベルリン)での実機展示を控え、早くもコミュニティが沸いています。
OXI ONEとは、最大 64(mkⅠは32) トラックを 128 個の RGB パッドで直感的に操るポータブル・ハードウェア・シーケンサー。内蔵バッテリー、Bluetooth MIDI、USB‑C、そして 8 CV/Gate を備え、モジュラー、DAW、iOS デバイスを 1 台で束ねられる“持ち運べる司令塔”として 2022 年に製品化されました。その機動力と多機能性により、スタジオの作曲からステージの即興演奏までシームレスに対応できる点が高く評価されています。
何が新しくなったのか
MKII は外寸をほぼ据え置いたまま機能を底上げしました。具体的には 8 トラック化、8 CV+8 Gate 出力(Pipe MKII 使用時)、大型 OLED、micro-SD ストレージ、改良バッテリーメーターなど。「ハードを 1 台で完結させたい」派にとって、まさに“拡張性=余裕”を直接もたらすアップデートです。
主な強化点
- トラック数:4 → 8
- CV/Gate:4 系統 → 8 系統
- ストレージ:本体のみ → micro-SD 対応
- 表示:小型 OLED → 大型・高解像 OLED
- 新ファーム:Repetition Engine、強化 Arranger ほか
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ドイツWaldorfの人気シンセサイザー「Blofeld」が、ついにiPad向けアプリとして登場しました。往年の名機のサウンドを、モバイル環境で気軽に楽しめる時代の到来です。
Blofeldは、ドイツのWaldorf社が2008年にリリースしたウェーブテーブル・シンセで、PPG系のDNAを受け継いだ音作りが特徴。透き通ったベルのような音から、エッジの効いたデジタルサウンド、濃厚なアナログ風の音色まで、個性的で奥深いサウンドで今なお現役マシンとして愛されています。
今回のiPad版は、そのBlofeld本来のサウンドエンジンをそのまま移植し、タッチ操作やAUv3対応DAWとの連携に最適化。Logic Pro for iPadやCubasis 3などの環境でシームレスに使用できるほか、Blofeldハードウェアのリモートコントロールにも対応しています。
もちろん、プリセットブラウザや16パート・マルチモード、モジュレーションマトリクス、アルペジエーター、サンプルインポートなどの主要機能も網羅。まさに“iPad版でも妥協なし”といった内容です。
驚くべきはその価格。App Storeで12.99ドル(日本円で2,000円)という手に取りやすさです。一方で、デスクトップ版(VST/AU/AAX対応)は以前から149ユーロで販売されており、そしてさらに、ハードウェア版のBlofeld Desktopは約539ユーロ、キーボード版は約829ユーロで現在も販売されています。その価格差は確かに大きいですが、音作りの柔軟性、操作感、そして制作スタイルによって、どの形態にもそれぞれの魅力があります。
手軽にBlofeldのサウンドに触れてみたい人にとって、iPad版はまさに理想的な入口かもしれません。
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ドイツ・ミュンヘンのメーカーNeuzeit Instrumentsから、ライブパフォーマー向けの新しいスタンドアロンMIDIコントローラー「DROP」が発表されました。メーカーの発表によると、この製品は“スナップショット”というユニークなコンセプトを中心に、複雑なハードウェアセットアップをより直感的にコントロールできるよう設計されているようです。
最大の注目ポイントは、機材の状態をまるごと保存・呼び出しできるスナップショット機能。さらに、スナップショットをあらかじめタイミング指定して発動させる「DROP」モードでは、たとえばビルドアップの間に設定を準備しておき、次の小節頭でベースが戻ってくる──そんな展開を自動で演出できるとのこと。即時切り替えやフェードにも対応する「JUMP」モードと組み合わせることで、より柔軟でダイナミックなパフォーマンスが可能になりそうです。
インターフェースも充実していて、32のエンコーダーや8つのフェーダー、マクロマッピング、MIDIのディレイ調整、CV In/Out端子など、細かな部分までこだわりが見られます。Ableton Liveとの連携にも対応しているとのことで、DAWを使ったセットアップにも向いていそうです。
ただし、あくまで現時点ではメーカー発表の情報に基づいた内容であり、実際の操作感や反応速度、直感的な使い勝手などは、やはり実機に触れてみなければわかりません。実機は2025年5月8日からベルリンで開催されるSuperboothで初公開予定ということで、私自身もこのイベントで実際にDROPを試せるのをとても楽しみにしています。
スナップショットによるライブ演出の自動化という新しいアプローチが、どのような可能性を広げてくれるのか。実機に触れてみた感想も、改めてレポートできればと思っています。
Arturia V Collection 11に収録された新音源「Pure LoFi」は、従来のエミュレーションとは一線を画す、Augmentedシリーズの流れを汲む新しいアプローチのプラグインです。この音源は、ワウやフラッター、ノイズ、アナログ感、デジタルのざらつきなど、LoFi音楽のキーワードを網羅しており、LoFi好きが「こういうのが欲しい!」と思う要素が詰まっています。
まさに「音のスケッチブック」のような存在で、アイデアをすぐに形にできる柔軟性と親しみやすさがあります。このプラグインを使っていると、早速LoFiトラックを作りたくなってくることでしょう。
同じくLoFiサウンドに特化したBaby AudioのBA-1と比較すると、BA-1はYamaha CS-01をベースにしたシンプルで直感的な操作性が特徴で、内蔵スピーカーやバッテリーの劣化を再現することで、独特のLoFi感を演出します。一方、Pure LoFiはより多機能で、サウンドデザインの幅が広く、より多彩なLoFiサウンドを追求できます。
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