コルグのVolca Sampleが装いを新たにし、Volca Sample スペシャルモデルOK GO editionとして11月下旬よりリリースされます。
OK GOは、その驚異的なミュージックビデオで、毎回話題を振りまくユニークなインディロックバンドです。この特別エディションには、アルバム「Hungry Ghosts」で使われているフレーズ100種類があらかじめ内蔵されており、これを自由にエディットしてもっとユニークなサウンドを作ることができます。初回生産の3000台にはOK GOに直筆サイン入りカードも封入されます。OK GOのファンは速攻で入手したいところでしょう。
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Ableton Live の新機能Linkは、複数のiOSデバイスや複数のAbleton Liveソフトウェア(Mac&Win)をWifiネットワークを使って同期演奏させることができる機能です。これまで複数のAbleton Liveを同期させるには通常はMIDIクロックを使ってきたわけですが、ジッター問題等によって必ずしもタイトな同期が行えるとは言いがたいものがありました。また、Wifi-MIDIに関しても同様で、決して信頼性の置けるものではありませんでした。これまで見てきた実験結果から考えて、Abletonがこのような同期機能を大々的に取り入れたことに関してはやや懐疑的な部分もありました。でも昨日から流れているニュース/レビュー記事を見る限り、このLinkはゲームチェンジャーと言えるような、素晴らしい仕上がりであるようなのです。
iOSアプリElasticDrumsのディベロッパーOliver Greschke氏はいち早くAbleton Link機能を取り入れたアプリの開発に取り組んでいます。私も彼とほんのわずかな時間チャットをしたのですが、彼もLinkがお気に入りのようで、「Abletonはかなりいい仕事をしたのではないか」と、かなりポジティブな印象を持っていました。
そのOliver氏による実験ビデオ(3台のiOSデバイスとAbleton LiveをLinkで同期)が昨日より公開されており、ビデオでは途中でスピードを変えたり、一度シーケンスをストップしてもう一度セッションに参加するなどの実験が試みられています。このビデオから見ても、かなりタイトな同期ができていることが分かります。
Linkは近日公開されるアップデートバージョンに搭載されるとのこと。またディベロッパー向けの開発用プログラムが配布されているので興味あるディベロッパーの方は是非。コルグのアプリも一番乗りしているようです。はやく試してみたいです。
AbletonがやっとiOSアプリに門を開いたということは一つの嬉しいニュースですが、それよりも、エレクトロニック・ミュージシャンがラップトップやiPadを持ってスタジオに集まり、かつてのバンドブームのように、ジャムセッションを楽しむ、そんなカルチャーが盛り上がったら面白いに違いありません。それが派生してコンピューターバンドブームが起こったらそれはそれで吉。
追記11/4
こちらのデモンストレーションビデオはiOSアプリtriqtraqのデモンストレーションビデオです。triqtraqもLink技術への対応が決まっています。
Ableton Live の新しいバージョン9.5と、専用コントローラPUSHの新しいバージョンPUSH 2がリリースされました。Live 9.5へのアップデートは無償、すでに配布開始となっています。PUSH 2 の販売も開始しています。基本価格は699ユーロとなってますが、PUSH 1 の下取りプログラムによって30%オフの価格で購入が可能です。下取りされたユニットは教育機関に無償提供されるとのことです。
PUSH 2
PUSH2 はこれまで共同開発を行っていたAKAIと袂を分かち、純粋なAbletonブランドのコントローラとなりました。サイズは初代よりもやや大きく、厚みはやや抑えられているようです。ディスプレイはカラーになり、波形やエフェクトレベル、ミキサーレベルを鮮明に表示します。64のパッドはリニューアルされ、演奏力の向上が試みられています。
PUSH 2はサンプラー機能のワークフローが取り入れられていることが大きな特徴です。カラーディスプレイにはオーディオ波形が表示され、コンピュータを見ることなしにリアルタイムでサンプリングやスライスができ、ステップシーケンサーやエフェクターを使いながら直ちにパターンの構築が可能になります。またこれまでは不可能だったVSTやAUプラグインの読み込み操作が可能になっています。
Live 9.5
PUSH 2 のサンプラーワークフロー搭載に伴い、Live 9.5 ではネイティブプラグインSimplerが大きくバージョンアップしています。インターフェイスを含め、ワープとスライス機能がリニューアルされ、アナログモデリングのフィルターを搭載しています。
Live 9.5 のいちばんのフレッシュな新機能は、Ableton LinkというWifiネットワークを使う同期機能が搭載されたことです。複数のLiveの同期をワイヤレスで行うことができ、ジャム演奏が可能になります。これまで問題が多いとされていた同期タイミングの問題をどう解決しているのでしょうか。設定はどのくらいシンプルなのでしょうか?(Linkはアップデートバージョンにて近日公開)また、iOSアプリとの同期演奏も可能になります。開発用プログラムが配布されることで、Linkに対応するアプリの開発が望まれています。現在までに対応が決まっているアプリとメーカーはAkai、KORG 、Elastic Drums、Loopyなど。
そのほかのLive9.5の新機能
- 波形、メーター、配色など、インターフェイスの視覚性向上
- ミキサーのレベルメーター(ピークとRMSを同時に表示)
- アナログモデリングのフィルター(Simpler、Sampler、Operator、Auto Filterに使用)
- 内臓サウンドライブラリーのアップデート(ドラムキット、アナログフィルターを使用したプリセット、ワンショット、オーディオクリップ)
- Max Essential Pack (新しい3種類のシンセ Poli、Bass、Multiの追加)*Max for Live要
1989年に公開された映画「バックトゥーザフューチャー2」で主人公がタイムスリップした世界が2015年10月21日だったということで、先週は特にガジェット/IT系ニュースではこれちなんだ話題がたくさんありました。特にナイキの「自動靴ひも調整シューズ」、レクサスの「ホバーボード」は大注目でしたね。音楽系ではMax for LiveのスペシャリストYehezkel Razが開発した「Time Machine」エフェクトのティザービデオが公開され、これも各種ブログで紹介され注目を浴びました。「Time Machine」はデロリアン(タイムマシン)のコントロールパネルとそっくりで、到着地の日時を入力するとオーディオ信号にフィルターやサチュレーションやモジュレーションがかかり、サウンドはラジオやVHSビデオプレーヤーのようになったりします。劇的な変化は期待できないにせよ、このワクワクさせるインターフェイスとユニークなアイデアに拍手喝采といったところでしょう。
「Time Machine」は本日リリース。Ableton Live Mac for Liveがあれば無償で楽しめます。ダウンロードはこちらからどうぞ。
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Native InstrumentsのKONTROL S-シリーズキーボードとコンピューターをつなぐソフトウェアKOMPLETE KONTROLのバージョン1.5がリリースされました。
今回のバージョン1.5では、NKSという新しいプラグインフォーマットが採用されたことがハイライトです。このNKSに対応するサードパーティ製ソフトウェアはKONTROL S-キーボードの機能をフル活用できるようになり、例えば、キーボードのブラウズスイッチを押してプリセット音を選択できるようになったり、キーボードの8つのノブにはソフトウェアの特長に応じてパラメーターがあらかじめマップされます。つまりは、サードパーティ製のソフトウェアであっても、NIのKOMPLETEやKOMPLETE ULTIMATEのプラグインと同等に扱えるようになるわけです。
NKSに対応しているソフトウェアのリストは次のリンク先に記載されています。
http://www.native-instruments.com/jp/products/komplete/keyboards/komplete-kontrol-s-series/nks/
ある意味驚きだったのは、ArturiaのV-Collection 4が全面的にNKSに対応していることです。これに伴って、V-Collection 4の半額セールも始まっているので、この機会にソフトウェア音源をさらに充実させるのもいいかもしれません。NIとは違った傾向の音色を楽しめます。価格$199
KOMPLETE KONTROL も遂にVSTに対応することになりました。これからはS-シリーズのアルペジオ機能やスケール機能を使ってVSTインストゥルメントを演奏できます。ではNKSとの違いは何か?というと、例えばインストゥルメントのプリセットをキーボードから選択できなかったり、Light Guide(鍵盤の上で光るイルミネーションガイド)機能に対応していないことです。キーボードの8つのコントローラにはVSTソフトウェアのパラメーターが表示されるのですが、まったく無差別な表示方法なので、どこに何のパラメーターがあるのか見つけるにはかなり苦労します。しかし「Plug-in パネル」という新しい機能によって、独自にパラメーターの表示配列を変更(カスタムマッピング)することができるので、例えば、頻繁に操作したいパラメーターを好きな場所にアサインすることができます。
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これまでのMIDIクロック同期
たとえばコンピューターを2台使ってDAWソフトウェアを同期演奏させる場合、大概はMIDIクロックを使うわけですが、どうもこれがどうも完璧とは言い難い部分があります。なぜならばDAWソフトウェアが生成するMIDIシグナルには「ジッター」問題が存在し、タイミングに揺れが生じてしまうからです。DAWソフトウェアとドラムマシンを同期しても同じことが言えます。ちゃんと指示通に動くには動くのですが、じっと聞いていると所々でタイミングがずれていることに気づき、あとから録音した波形を眺めてみると「あれ?」と思うようなズレを発見し怒り心頭することもあります。レイテンシーのように一定のタイミングで起こる遅延ならば修正にも手間がかかりません。でもジッターの場合は全くランダムなフラつきなので、後からオーディオデータを修正しようとすると何時間もかかってしまうのです。特にテクノのようなカッチリとしたリズムを重視する音楽の場合このような揺れは全く好ましくありません。ライブのような状況ならばなおさらのことです。
たとえばAbleton Liveの公式MIDIファクトシートにはこのような記載があります。(ちょっと古い記事ですが)
https://www.ableton.com/ja/manual/midi-fact-sheet/
「ジッター」 とは、システム内の一定しないランダムな遅延をいいます。DAW内部では、これは特に問題となることがあります。システム(MIDI、オーディオ、ユーザーインターフェースなど)内のさまざまな機能は個別に処理されるためです。情報は、MIDIデータをプラグインのプレイバックに変換するなど、ある処理から別の処理へと移動させる必要があることがほとんどです。ジッターフリーのMIDIタイミングには、システムを構成するコンポーネント(MIDIインターフェース、オーディオインターフェース、DAW自体)内のさまざまなクロック間において正確な変換がなされる必要があります。この変換の精度は、使用されるオペレーティング・システムとドライバーのアーキテクチャーなどの要素により異なります。ジッターが生じると、レーテンシーが生じた場合よりもMIDIタイミングがだらしなくルーズな印象を与えます。
私自身このジッター問題について気がついたのは、あるテクノミュージシャンと共同作業をしていたときのことです。私たちは普段通りにAbleton LiveのMIDIクロックを使いドラムマシンを同期していただけなのですが、突然彼はタイミングがフラついていると言うのです。正直、彼はなんて潔癖性なのだろうとその時は感じたわけですが、その後、彼はe-rmのmidiclockというデバイスを導入。するとこの小さなクロックジェネレーターなるものが二つの音源の同期をうまく修正し、音は聞き違えるほどにタイトになり、それはまるで曲がっていた背筋が突然ピンとはったような、そんな印象を受けたのです。
4チャンネルのシンクボックスMultiClock
ドイツ・ベルリンのハードウェアメーカーE-RMが新しい4チャンネルのシンクボックスmulticlockを開発しているという話を聞いたのは今年の春のことです。先ほども書きましたが、E-RMのmidiclockというデバイスに大きな衝撃を受けた直後だったこともあり、私の中での期待はかなり大きなものでした。
では、multiclockとはどのような製品なのでしょうか?
multiclockはコンピューター(DAW ソフトウェア)とハードウェア機材(ドラムマシンやシーケンサー、モジュラーシンセ等)の間に嚙ますことによって、だらしないタイミングを修正し、ふたつの同期を精巧に行うものです。またはハードウェア機材のマスタークロックとなり、同期信号の中核ともなります。つまり同期に関してはお任せといったデバイスなのです。
また、MIDI、DIN、Sync/Sync24、アナログモジュラーなど多彩な規格に対応しているので、新旧あわせた様々なハードウェアを接続できるのも大きな特徴です。つまりMIDIの付いていないビンテージマシン(TR-808、606、TB-303など)のコンバーターとしても使うことができます。
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