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今年のNAMM 2015では、Arturia のBeatStep Pro やKORG のSQ-1 など「ハードウェアシーケンサー」が大きな注目を集めた。私たちはコンピューターが大好きなのだが、コンピューターを使って音楽を演奏するとなると話は変わる。最近ではライブステージ上でアップルマークのコンピューターを見かけるだけでも気持ちが萎えてしまう。コンピューターを使わないで音楽を演奏したり作れるようになることが、ある種の「ニュースタイル」または、ある種の「憧れ」ともいえるのかもしれない。

NAMMが終了してからまだ間もないところだが、今度はフランスのSquarpというメーカーがPylamid というハードウェアシーケンサーのリリースを発表した。価格699ユーロ、見た目も機能もかなり本気のハードウェアシーケンサーのようだ。

 

  • 16 ×ポリフォニックトラック
  • 5つのクリック式エンコーダーノブ
  • 16個のパッドは加速度計内臓(ベロシティ対応と考えて良いのでしょう)
  • MIDIノート、コード、MIDI CC入力可能のステップシーケンサー
  • 16個のパッド(スマートパッド)を使ったライブパフォーマンスモード
  • ソングモード (シーケンスを組み合わせることでソングを構築可能)
  • ポリリズム 一つのトラックは3/4で走らせ、もう一つのトラックは4/6で走らせたり、トラックごとに拍子を変えることができる Elektron Octatrack と同様のものか?
  • Euclidean grooves このシーケンサーの一番のハイライトとなる機能、シーケンスパターンを自動生成する機能
  • MIDI エフェクター クオンタイズ・アルペジエーター・スウィング・ディレイ・ランダマイザー・グリッチ・ヒューマナイザー・ハーモナイザー (追加予定あり)
  • SDカードを使ったデータストア、MIDIデータのインポートとエクスポート
  • 接続端子はUSB (MIDI+パワー)・MIDI IN ・MIDI OUT・MIDI OUT2 (DIN Sync)・Pedal In ×2・CV In ×2・Gate In ×2・Env out ・CV out・Gate Out  大概のシンセサイザー、エフェクター、コンピュータ、iPadとの接続可能

 

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You TubeチャンネルBigDragon43 に投稿されている「Japanese 1980s Funk Part1」 と「Part2」 は1980年代の日本のファンク・ポップをミックスした70分間に及ぶテープだ。プレイリストを見てみると、杏里、角松敏生、荻野目洋子、大橋純子、、ここ数十年の間、中古CD ショップで見かることはあっても手に取ることはほとんどなかったようなアーティスト名が並んでいる。しかしどういうわけだろうか、今、このミックスを聞いてみると意外にも新鮮に聞こえる。煌びやかなシンセサウンド(FMシンセ+Lexiconのリバーブ)、ヨーロッパのゲイディスコで流れていそうなスローなグルーブ。当時のフュージョンブームを背景としたミュージシャンの演奏力の高さにも目を見張るものがある。

ミックスの中には英語詞の楽曲も収録されている。これらが「海外進出向け」に作られたものなのかどうかはわからないが、80年代のポップスは今よりも多くの英語詞を、それもかなり流暢に使っていたような気がする。バブル経済真っ只中の80年代、「ロサンジェルス録音」などと書かれたレコード帯をよく見かけていたことも思い出す。今の音楽産業と比べたら比較にならないくらいのバブリーさだ。

だからなのか?今このミックステープを聞いていると、ただのノスタルジーではない、プラスティックの玉手箱をひらいたような気分になるのだ。

 

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Moog、KORG Ms-20、Arp Odysseu…..伝説のアナログシンセサイザーの復刻が相次ぐなか、今度はスイスのインディペンデント・シンセメーカーThe Warp Analogue Synthesizerが1970年代のシンセサイザーArp 2600 のクローンThe Warp を発表した。The Warp はArp 2600の回路図面を基にした精密なアナログ部品の挿入実装が試みられ、オリジナルマシンと同等の機能とスペックを持つシンセサイザーとして仕上がっているとのことだ。フロントパネルのサイズは現代のモジュラーラックにもフィットする19インチ。パネルのグラフィックデザインはオリジナルマシン同様のものが採用されている。

 

  • 3 VCO’s each with sine, triangular, sawtooth and variable pulse waves (all oscillators are identical to VCO 2 of the original instrument), frequency range 0.05 Hz > 20 Khz
  • 1 VCF / Resonator, 24db lowpass-type (2012 submodule version)
  • 1 ADSR Envelope Generator
  • 1 AR Envelope Generator
  • 1 VCA with initial gain
  • Ring Modulator
  • Sample & Hold
  • Noise Generator (low, pink and white noise)
  • CV, Gate and Trig inputs (5-15V)
  • 2 x 4 multiples.

 

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The Warpは受注生産制、価格はスイス・フラン3’400(日本円にしておよそ43万円!)  スイス為替が大高騰しているさなかにこのシンセサイザーを紹介するのはちょっとタイミングが悪かったかもしれない 😥 。とはいえオリジナルArp 2600の中古取引価格の相場がおよそ$12.000〜ということを考えればそれほどの不満はないはずだ。

“本物の響き”とはどのようなものなのか確かめてみたくなる。

 

The Warp

 

 


OSCiLLOT

 

NAMM2015 をチェックしていて分かるように、モジュラーシンセサイザーの復活熱はさらに高まっている様子だ。ひとつひとつのモジュールにこだわりを持ち、様々な方法で接続していくことで想像を超える音創りができる「モジュラー」は今のエレクトロニックミュージシャンにとってのひとつの重要キーワードと言える。とはいえ、ひとつのモジュールを手に入れるのに何万円、そしてこれをいくつも組み合わせていかなければいけないことを考えるとやはり慎重になってしまうのが現実だ。

そこで登場したのが、コンピューターを使ったバーチャルモジュラーシンセサイザーOSCiLLOT だ。

Max for Cats がリリースしたOSCiLLOT はAbleton Live Max for Live 専用のバーチャル・モジュラーシンセサイザーだ。用意されているモジュラーはオシレーター・プロセッサー・フィルター・ミキサー・モジュレーター・アンプ・シェイパー・シーケンサー・ユーティリティーなどなど100以上に及ぶ。これだけのモジュールがあればシンセサイザーやエフェクター、ドラムマシン、どのようなデバイスでもクリエイトすることができるのではないだろうか。操作方法もごくシンプルで、パッチ・コードでモジュールとモジュールを接続するだけのようだ。すでにパッチング済みのシンセサイザーやエフェクターも多数収録されているとのことだ。必要なものはMax for liveを内包しているAbleton Live Suite。

 

 

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iOSアプリ「DuetDisplay」はiPadやiPhoneを追加ディスプレイとして使用することが可能になるアプリだ。接続には普段使っているUSBケーブルを使うことができる。これまでにもiPadを追加ディスプレイにすることのできるアプリはあったのだが、Wifi を使う接続方法だったこともあり遅延が大きく発生してしまい実用的とは言い難いものがあった。

「DuetDisplay」のiTunesの解説によると、

 Apple出身のエンジニアチームにより開発されたduetは遅延のない、これまでにない高いパフォーマンスソリューションです。duetでもっと仕事の効率を高めましょう。ディスプレイを追加することで、エンジニア、ミュージシャン、デザイナーおよびアーティストの生産性を最大48%も向上させることができます。

機能:
-遅延なし
-プラグ・アンド・プレイセットアップ
-60フレーム/秒
-Retinaディスプレイ (オプション)
-セキュアなケーブル接続
-Touch使用可能
-即日サポート

という説明が書かれている。「生産性48%の向上・・」とういう意味はよくわからないにしても、「遅延がない・・」という説明には魅力を感じる。しかも接続したiPadではタッチ操作も可能になるという。ではDAWソフトウェアを使った時にはどのようなことになるのだろうか?というのが今日のトピック。

 

 

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chipspeech

 

カナダのモントリオールのソフトウェアメーカーPlogue Art et TechnologieがリリースしたChipspeech は80年代の音声合成チップの数々をエミュレートしたプラグインソフトウェアだ。音声合成というと今の時代、初音ミクやボーカロイドが大きな脚光を浴びでいるわけだが、その歴史は意外にも長く、初めてコンピューターに歌を歌わせることに成功したのは1961年のこと、アメリカのベル研究所においてIBM 704というコンピューターが「デイジーベル」を歌ったことに始まる。この記念すべき音声をまだ聴いたことの人はこの機会に是非。

 

Talk

 

Chipspeechはスタンドアローン、もしくはプラグインモード(VST/AudioUnits/RTAS/AAX)として起動する。Text欄に歌詞を書き込み、あとはMIDIキーボードを弾くか、DAWソフトウェアにMIDIノートを書き込めばその音程通りに歌を歌い始めるモノだけでなくポリフォニーにも対応しているので和音(コーラス)演奏にも対応していたり、英語だけでなく日本語にも対応しているのは嬉しい部分だ。

Chipspeechには音声合成の歴史において重要とされている7つボイスが収録されているのだが、Plogue Art et Technologieはこれらを忠実に再現している。(各ボイスの使用権利も獲得しているそうだ。)それぞれのボイスがSFアニメシンガー(?)かのようにキャラクター化されているのも面白い。

 

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