世の中には素敵なドラムマシンは数あれど、操作方法はどれも決して易しいものではありません。ましてや初心者が初めてドラムマシンをさわった時には絶対と言っていい程に操作方法に迷い、仕方なくマニュアルを読み始めたり、最悪の場合はそれ以来スイッチすら入れなくなってしまったりするものです。
誰でも使える簡単なドラムマシン。そんなコンセプトがもとに作られた「Keezy Drummer」は、動画共有サイトViemo の開発者の一人として知られるJake Lodwick が手がけたiOSドラムマシンです。
初めてKeezy Drummerを開いたときスクリーンには2つの丸いスイッチが表示されるのですが、これがすでに用意されている2つのトラックです。スクリーン下にあるプレイボタンを押すと演奏が始まります。
丸いスイッチを押してみると今度は4×4の丸いスイッチが表示され、このスイッチをタップするとその箇所が演奏されることが分かるでしょう。
プレイボタンの上に表示されているリストから音色を選ぶことができ、わずか14種類ではあるのですが、これがこのアプリのコンセプトです。
音色を選んだら、チェックスイッチを押して元のスクリーンに戻ります。トラックを追加したい場合には+スイッチを押します。スピードを変えたい場合はプレイボタンの左にあるダイヤ型スイッチを押します。
タップ→聞く→タップ→聞く
これならば初心者でも、子供でも、悩むことなくドラムパターンを作れるようになるわけです。ドラムマシンをさわったことのない彼氏/彼女と一緒に遊ぶこともできますね。初心者でなくても、アプリを起動してすぐに取りかかれる、この即効性もこのアプリの持つコンセプトです。
次のバージョンでは作ったパターンを共有することができるようになるようです。
しかもフリー!
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チェコのインディペンデント・シンセメーカーBASTL がリリースする小型サンプラーマシンmicrGranny 2.1 の黒バージョンBlackpigionがリリースされました。赤いノブとフェークゴールドのパッドも可愛いです。
microGranny 2.1はマイクロSDカードに保存したサンプルを読み出し、パラメーターをいじりながらサウンドエディットしていくことができるマシン。サンプルのスタートポイントやエンドポイントの設定はもちろん、サンプルレートを変えることや、ビットクラッシャー、エンベロープの設定などもおこなうことができます。グラニュラーサンプラーなので、切り刻んだ各グレインのピッチを変えて演奏するなんてこともできるそうです。MIDIも付いているので外部コントローラからコントロールするのもアリです。
このサイズ、この価格を考えると、今週発売されたばかりのコルグのVolca Sampler と比べてみるのも楽しいかもしれません。microGranny の方はマイクロSDが使えるという点と、マイク内蔵/ライン入力端子付きなので、どこにでもこのマシンを持ち出してサンプリングを行なえるのが大きなメリットでしょう。マイク/ライン録音した場合は 8-bit 22050Hz wavフォーマットになるようです。価格は€160
詳しくはBASTL公式サイトよりどうぞ
iPadビートメイキングアプリ「Auxy」は、4つのパート(ドラム・ベース・シンセ1・シンセ2) を使い、それぞれにノートを打ち込んでいくとてもとてもとてもシンプルな作曲ツールです。
4つのパートというシンプルさはPropellerHead Figure と似ている部分ではあるのですが、「Auxy」にはパッドを押さえれば自動的にフレーズを演奏してくれるような機能は付いていません。
ではこのアプリの何が凄いのか?
答えはピアノロールエディターにあるのです。
最近のiOSアプリ(Apple GarageBand、Steinberg Cubasis、Korg Gadget、AKAI iMPC Proなど)にもピアノロールエディターは搭載されていて、コンピューターDAWソフトウェアと同じようなMIDIノートの打ち込みが出きるわけですが、問題は、たくさんの機能が詰め込まれすぎていたり、サイズがやたらに小さかったりするなど、操作方法はどんどんと複雑になって行く傾向があるところです。例えばMIDIノートを消去したい場合では、DAWソフトウェアならば消しゴムツールを使うなり、ノートをダブルクリックするればどうにかなると分かっていることでも、iOSアプリの場合はノートをロングタップしなければならなかったり、シングルタップしなければならなかったり、操作方法は各アプリによって異なり、打ち込み初心者にとってはかなり苦痛となるところでしょう。ベテランであってもイライラするところに違いないでしょう。
Auxy の場合、これがかなりスムーズ。
まず、各パート名の部分(青、緑、紫、ピンク)をタップすると音色を 選ぶことができます。パート名のすぐ下をタップすると「+」と表示され、これをタップすることでピアノロールエディタが表示されます。
ここにシーケンスパターンを1小節から4小節書き込んでいきます。ピアノロールエディタには実際のところピアノ鍵盤らしきものはどこにも表示されてはいないので試しに音をならしてみるようなこともできないのですが、凄いのは、書きやすさ、消去のしやすさ、見えやすさ。これまでのどのiOSアプリにはなかった快適な操作です。インターフェイスデザインの美しさは、さすがスウェーデン産。
書き込みが終わったらDONEボタンを押します。
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TED Talk は、学術・エンターテイメント・デザインなど様々な分野の人物がおよそ20分のプレゼンテーションを行なう講演会のようなもので、講演内容はインターネットを通じ無料配信されています。ミュージシャンが登場することも稀にあり、これまでと違った考え方やパフォーマンスが披露されてきています。
Native Instruments のReaktorエフェクターThe FingerやThe Mouthの開発者としても知られるイギリスのミュージシャンTim Exile もTED talkに登場し、彼自身がデザインしたライブインストゥルメントThe Flow Machine を披露しています。
まずはオーディエンスの「おーー」という声をサンプリングし、この声を使ったTime Exile による即興演奏が始まります(ビデオ2分12秒あたりから)。音楽は静かに始まりますが、後半に向けスピード感を増していきます。リアルタイムで音楽を作り上げていくTim Exile の手腕にオーディエンスは魅了され、最後にはTEDの会場はダンスフロアーと化すのでありました。
Time Exile のライブインストゥルメントThe Flow Machineはボコーダー・シンセ・ドラムマシン・サンプラー・ルーパーが合体したユニットで、各コントローラを操作することによって機能がトリガーされていき、心臓となるプログラムにはNI Reaktorが使われているそうです。http://youtu.be/9r38r3BIgew
プログラミングへの情熱+ハードウェアへの情熱+Time Exileの音楽への情熱がブレンドされたライブインストゥルメントThe Flow Machine。テクノロジーを使った音楽のあり方についても考えさせられたTED talkでした。
結成21周年を迎えたドイツのテクノデュオ Mouse on Mars がイギリスFACT magazine にて「21分間で21曲のトラック制作」という企画にチャレンジしています。
およそ1曲に付き1分という過酷な制限時間。しかしさすが、21周年を迎えたベテランアーティストのスタジオワーク、チームワークは抜群で、見事な集中力でチャレンジをクリアーしていく様子を伺うことができます。アナログシンセであろうがiOSアプリであろうがサンプリングであろうが、あらゆるエレメントを詰め込みまとめあげてしまうパワーにはいつもながら驚かされます。先日発売されたばかりのMouse on mars のiOSアプリWretch Up も随所で使われているようです。
最後にJan St. Wernerが言った言葉が印象的です。「トイレのような小さいアレンジウインドウに向かっている仕事でも、アマゾンのような広大なものとなる。そこが音楽の美しいところなんだ」と。
Mouse on Mars 21周年記念アルバムは明日発売。
via FACT Magazine
日本人が普段見慣れている「回転寿し」、でも外国人がこれを見ると全く違うインスピレーションを受けるようです。例えば、回転レーンをシーケンサーにしてみるとどうなるのか?というRed Bull Music Academyによるエピソードビデオ。Native Insteruments によるテクニカルサポート、そしてビデオにはTokimonstaとJust Blaze がフィーチャーされています。
レーンの上に設置されたカメラが、回転皿の色を識別。それぞれの色に割り当てられたNI Maschine のシーケンスパターンやエフェクトがトリガーされる仕組みになっているようです。おそらく以前みたことがある「レゴシーケンサー」と同じ仕組みなのでしょう。
実際の効果の方はいまいち見て取ることができませんが、音楽と回転寿を合体させるアイデアは新しいエンターテイメント系レストランとなる可能性がなきにしもあらず?
みそ汁が出てきたらブレーク、大トロが出てきたらピークタイム、そんなドラマがあっても良かったかもしれません。