TED Talk は、学術・エンターテイメント・デザインなど様々な分野の人物がおよそ20分のプレゼンテーションを行なう講演会のようなもので、講演内容はインターネットを通じ無料配信されています。ミュージシャンが登場することも稀にあり、これまでと違った考え方やパフォーマンスが披露されてきています。

Native Instruments のReaktorエフェクターThe FingerやThe Mouthの開発者としても知られるイギリスのミュージシャンTim Exile もTED talkに登場し、彼自身がデザインしたライブインストゥルメントThe Flow Machine を披露しています。

まずはオーディエンスの「おーー」という声をサンプリングし、この声を使ったTime Exile による即興演奏が始まります(ビデオ2分12秒あたりから)。音楽は静かに始まりますが、後半に向けスピード感を増していきます。リアルタイムで音楽を作り上げていくTim Exile の手腕にオーディエンスは魅了され、最後にはTEDの会場はダンスフロアーと化すのでありました。

Time Exile のライブインストゥルメントThe Flow Machineはボコーダー・シンセ・ドラムマシン・サンプラー・ルーパーが合体したユニットで、各コントローラを操作することによって機能がトリガーされていき、心臓となるプログラムにはNI Reaktorが使われているそうです。http://youtu.be/9r38r3BIgew

プログラミングへの情熱+ハードウェアへの情熱+Time Exileの音楽への情熱がブレンドされたライブインストゥルメントThe Flow Machine。テクノロジーを使った音楽のあり方についても考えさせられたTED talkでした。

 

 

 

 

 


 

結成21周年を迎えたドイツのテクノデュオ Mouse on Mars がイギリスFACT magazine にて「21分間で21曲のトラック制作」という企画にチャレンジしています。

およそ1曲に付き1分という過酷な制限時間。しかしさすが、21周年を迎えたベテランアーティストのスタジオワーク、チームワークは抜群で、見事な集中力でチャレンジをクリアーしていく様子を伺うことができます。アナログシンセであろうがiOSアプリであろうがサンプリングであろうが、あらゆるエレメントを詰め込みまとめあげてしまうパワーにはいつもながら驚かされます。先日発売されたばかりのMouse on mars のiOSアプリWretch Up も随所で使われているようです。

最後にJan St. Wernerが言った言葉が印象的です。「トイレのような小さいアレンジウインドウに向かっている仕事でも、アマゾンのような広大なものとなる。そこが音楽の美しいところなんだ」と。

 Mouse on Mars 21周年記念アルバムは明日発売。

 

 

 

via FACT Magazine

Mouse on mars

 

 

 

Tagged with:
 

sushiseq

 

日本人が普段見慣れている「回転寿し」、でも外国人がこれを見ると全く違うインスピレーションを受けるようです。例えば、回転レーンをシーケンサーにしてみるとどうなるのか?というRed Bull Music Academyによるエピソードビデオ。Native Insteruments によるテクニカルサポート、そしてビデオにはTokimonstaとJust Blaze がフィーチャーされています。

 

 

レーンの上に設置されたカメラが、回転皿の色を識別。それぞれの色に割り当てられたNI Maschine のシーケンスパターンやエフェクトがトリガーされる仕組みになっているようです。おそらく以前みたことがある「レゴシーケンサー」と同じ仕組みなのでしょう。

実際の効果の方はいまいち見て取ることができませんが、音楽と回転寿を合体させるアイデアは新しいエンターテイメント系レストランとなる可能性がなきにしもあらず?

みそ汁が出てきたらブレーク、大トロが出てきたらピークタイム、そんなドラマがあっても良かったかもしれません。

 

Redbull Music Academy

 


sidwilson

 

KDJ-ONEが復活、というニュースがここ数日TwitterやFaceBookを賑わしていますが、個人的にもっと衝撃だったのはスリップノットのシドウィルソンがKDJ-ONEのプロモーションに出演していること。比較的ドライでクールなプロモーションが多いこの業界で、スリップノットのような猟奇的ヘヴィーメタル系ミュージシャンを見かけることはごく稀。ましてやプライベートスタジオまでも覗けてしまうという予想外な展開。ビデオではKDJ-ONEの広範囲に及ぶ機能について語られ、そしてデモトラックが作られる過程が映されています。

 

 

 

Tagged with:
 

 

シンク問題。特にテクノ系ミュージシャンはもの凄くこだわる部分だと思うのですが、DAWソフトウェア・ハードウェアインストゥルメント・モジュラーシンセなど、種類も時代も違う幾つかの機材を同時に使っていると必ずと言っていい程、発音タイミングのズレに悩まされます。特にDAWソフトウェアで超最適なMIDIパフォーマンスを得るにはかなりの苦労を要するものです。

https://www.ableton.com/ja/manual/midi-fact-sheet/

ドイツ・ベルリンのE-RMが開発中のマルチフォーマットのシンク&クロックボックスは、ジッターなしの超正確なクロックを生成するというシンクボックス。DAWオーディオクロック・MIDI・DIN Syncから得た信号は4チャンネルに振り分けられ、それぞれのタイミングをシフトすることや、スウィング値をリアルタイムで加えることが可能になるそうです。モジュラークロックやアナログLFO、5チャンネル分のMIDI USB にも対応しており、これならばすべてのスタジオ機材を接続し、本来あるべき正確なタイミングで機材をコントロールすることができるようになるわけです。

以前、同社が販売するMidi Clockという製品を見たことがあるのですが、それまで感じたことがなかった気持ちよさを感じたものです。テクノビートにこだわるのならば、この辺りにもこだわっていかなければいけないのかなと。

E-RM

Tagged with:
 

ipodclassic

 

アップル のサイトやアップルストアからiPod Classic の情報が削除されたのはおよそ2ヶ月前のこと。2001年11月に初めて世に出回ったiPodには5GBのハードディスクが搭載され、およそ10時間の音楽再生時間が可能、価格は47.800円でした。2009年に発売された最後のiPod Classic (第6世代)には160GBのハードディスク、36時間の再生時間、価格はおよそ24.000円。まさに、ハードディスクと共に進化してきたiPod Classicだったわけです。

iPod、そしてこれに続く数々のMP3プレイヤーの登場によって私自身の音楽リスニング環境に導入されたものはのデジタルフォーマットの音楽と大量の音楽ライブラリー。歌詞カードやミュージシャンのクレジットを見ながら音楽を楽しむようなことは疾うに忘れ、部屋中に散らばっていた数々のCDをmp3フォーマットに変換していたことを思い出します。部屋がさっぱりした分、音楽1曲に対する思い入れが下がってしまったのもこの頃からだったのかもしれません。

iPod Classic の生産中止の理由には一部の部品を入手することができなくなったということが挙げられていますが、おそらく、時代がハードディスクからSDDに移行する中、iPod Classic で使われていた1.8インチのハードディスクを生産する人はもういなくなってしまったということなのでしょう。

昨日行なわれたWSJD EVENT にて、ティムクック氏が語ったと所によると、アップルはこの立派なデバイスをリデザインする価値はもうないと感じているそう。これはアップルの正式なipod生産中止の発表ととっていいでしょう。

ある一時代の幕切れはある一時代の幕開け。私個人はSpotifyのような音楽ストリーミングサービスよりもアナログレコード回帰の傾向がやや強くなってきているところではあります。

 

via The Verge

 

Tagged with: