Native Instruments のKomplete Kontrol ソフトウェアのバージョン1.8がリリースされました。Komplete Kontrol ソフトウェアはNIのMIDIキーボードKomplete Kontrol S-シリーズキーボードのソフトウェアの部分で、言うなればKomplete Kontrol S-シリーズキーボードの心臓部分のようなもので、キーボードとこのソフトウェアが一緒に動くことで、現代的な面白い機能を使うことができるようになります。このソフトウェアがないとS-キーボードはただのMIDI鍵盤でしかありません。けっこう頻繁にアップデートが行われているKomplete Kontrolですが、その都度新しい機能が搭載されることもあり、ちょっとぼんやりしていると後になって「こんな機能が付いていたのね 😥 」なんててことになります。ということでアップデートにはなるだけ目を見張るようにしてます。
さて、本日リリースとなったKomplete Kontrol ソフトウェアのバージョン1.8 ですが、今バージョンではスケール機能が大きくバージョンアップし、搭載スケールの数がこれまでの15種から120種にいきなりジャンプアップ。世界各地のメジャーからマイナーなスケール、日本の雅楽のスケールもいくつか、聞いたこともないような変なスケールもちらほら、これだけ数多くのスケールについて一括して知る機会もなかなかないので、後でじっくりと耳で確認してみてください。
下の画像はKomplete Kontrol ソフトウェアからスケールを選んでいる様子です。同様のことが S-シリーズキーボード本体からも行えます。
Komplete Kontrol ソフトウェア1.8の目玉その2は、コードポジションパラメーターというもので、『コード内の各ノート位置をフルコントロールできます。Autoに設定するとKOMPLETE KONTROLが自動的に最適なボイシングを選び、より自然なコード進行となります。』とのこと。
例えば、「ド・ミ・ソ」と「ソ・ド・ミ」は同じボイスで構成されているコードですが、「ド」が上に来るのか、「ミ」が上に来るのかで雰囲気が変わってきます。そこでこのコードポジションパラメーターというアルゴリズムがボイシングをうまくコントロールして、よりプロっぽい、機械っぽくないコード進行を自動的に作ってくれます。
下の画像はコードポジションパラメーターのオートモードを選択している様子です。
下のビデオ(3:36-)でもこの機能について詳しく解説しています。
あのPionner DJ が今度はシンセサイザーを作る、しかもシンセ界のドンDave Smithとの共同開発、ということでNAMM 2017では驚きと期待のデビューを飾ったPionner DJ のアナログモノシンセToraiz AS-1。ただ個人的にはすでにDSIのMopho(おなじくDave Smithのアナログモノ)を持っていることや、Toraiz AS-1の見た目、特にタッチパッド式のキーボードやスライダー辺りがAira TB-3 と被っているような気がして、先週のお披露目パーティーはほとんどフォローしていなかったのですが、昨日たまたまToraiz AS-1のデモサウンドを聴いた途端、気持ちが一変しはじめています。
このデモサウンドはToraiz AS-1のサウンドデザインに携わったINHALTというアーティストによるものです。INHALT曰く、「ここ最近のシンセサイザーがローエンドとトップエンドが強調されているものは多くありますが、たいがいはミッド(特にローミッドとよばれる帯域)が痩せ細っていたり、ザックリと削り取られているものが多い」とのこと。その点ドライブが掛かり、ドライな印象の強いToraiz AS-1のミッドは存在感があり、Dave Smithの1981年の名機Pro Oneをイメージさせるものだと主張しています。
またToraiz AS-1はDSIのアナログシンセProphet -6を基に開発されていることが一つのセールスポイントですが、実際のところではToraiz AS-1のエフェクトエンジンはProphet-6よりも相当スリムダウンした設計になっているとのこと。しかしToraiz AS-1の醍醐味はその存在感のあるサウンドと演奏性の高いシーケンサーで、スリムなエフェクトエンジンに関してはさほど気にならなかったとのことです。
INHALTのデモサウンドは下のYouTubeビデオで聴けます。サブの出るスピーカー、ちゃんとしたヘッドフォンで聴くのがオススメです。
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ローランドがプラグインソフトウェアのプラットフォームROLAND CLOUDのベータバージョンを公開しました(現在利用可能エリアはアメリカのみ)。これは月額で定額料金$29.95〜払うことによって、ローランドのACBプラグアウトシンセや、このROLAND CLOUD限定のサンプルベースのインストゥルメントを使いたい放題で利用できるようになるサブスクリプション方式のサービスです。
ROLAND CLOUDで現在利用可能なプラグインは、ACBプラグアウトシンセ「SH-101」「 SH-2」 「Promars」 「SYSTEM-100」 「SYSTME-1」、アンソロジーシリーズ「1987」、アコースティックインストゥルメント「tera piano」の全7種で、毎月何かしら新しいプラグインが追加されていくとのこと。
ACBプラグインの利用には、AIRA SYSTEM-1のようなプラグアウト対応のハードウェアの必要のないところがナイス。
アンソロジーシリーズは「コンチェルト」というソフトウェアにトップアップされるサンプルライブラリーで、その第1弾となるのが1987年の代表的シンセD-50です。
アコースティックインストゥルメント「tera piano」は何と8 TBの巨大ピアノ・サンプルインストゥルメント。実際にはおよそ1 GB分のデータだけがコンピュータにインストールされ、RAINLINKという高度なMIDI通信技術のようなものを使うことよって精度の高いリアルタイムの演奏が可能になるのだそう。クラウド内でバウンスする際には8 TB分のフルサイズのサンプルが使われるとのこと。
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こんな美しいニューシンセも今年のNAMMに出展されていたようです。Shear ElectronicsというメーカーのRelic-6というデスクトップ型のアナログシンセサイザーなのですが、下のビデオでインストラクションをしている若者が15歳の頃から開発を始めたものだそうです。Relic 6 の音源部はオーバーハイムによる1979年の名機OB-Xの回路を再現したアナログポリ。コントロールパネルの方はとても現代的で、大型のタッチセンサー付きノブや、本体中央のLEDライトのレベルメーターがナイス。本体右上にはモジュレーションマトリックス専用のセクションがあり、これはとても使いやすそう。
2 VCOs (Saw/Pulse) – PWM, Sync (hard/soft)
12 dB / Oct Filter
2x LFO
2x ADSR Envelope
デュアルレイヤー
シーケンサー
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スウェーデンのハードウェアメーカーElektronがドラムマシン&サンプラーDigitaktを発表しました。これまでのElektronデバイスよりもやや締まったコンパクトな筐体が印象的です。
オールデジタルの特性を生かした柔軟なサウンドエンジン、サンプリング機能、エフェクター、強力なシーケンサーを搭載。いわばミニコンピューターといった様相です。スイッチ類はバックライト付き、Oledスクリーンの搭載など、ライブでの使用も考慮した設計が行われています。発売は2017年春。価格は未定。650ドル!
- 8 インターナルオーディオトラック
- 8 MIDI 専用トラック
- 1 × マルチモードフィルター (各オーディオトラック)
- 1 × アサイン可能な LFO (各トラック)
- FXディレイ、リバーブ、センドFX
- サンプリング機能
- 64 MB サンプルメモリー
- 1 GB +ドライブストレージ
- 2 × ¼” 入力 & 2 × ¼” バランスアウト
- 1 × ハイスピードUSB 2.0ポート
- MIDI IN、OUT、THRU ポート
- Overbridge 対応
AppleのLogic Pro X のバージョン10.3がリリースされました。正規ユーザーはいつものようにApp Storeより無償アップデートをおこなえます。
Logic Pro X バージョン10.3は、昨年末に発売となった新型MacBook Pro上位モデルの特徴となるTouch Barに対応し、ここからプロジェクト全体を見渡すことができたり、ボリュームの調整、またはピアノ鍵盤を表示してソフトウェア音源を演奏するようなことができるようになります。
もう一つの目玉機能は、スイッチ一つでiOSバージョンのGarage Bandとデータを共有できるようになったことです。GarageBand側で新しいトラックを付け足した場合にはiCloudが同期し、スタジオに戻ったときにLogic Proで作業を続行できます。これまでのようにバウンスを何回もしたり、重たいファイルをメールで送信するような作業から解放されることになります。
また、これに合わせiOSバージョンのGarage Bandバージョン2.2もリリースされました。Alchemyを搭載!
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