旧ソビエト時代のシンセサイザーをフォーカスしたドキュメンタリー映画「Elektro Moskva」が完成、監督はロシア人Dominik Spritzendorfer & Elena Tikhonova、日本での公開は残念ながらまだ予定されてないようです。

シンセサイザーの歴史はアメリカ、ドイツ、日本に代表されるものだけでなく、冷戦時代の旧ソビエトにも存在していた事実。世界初の電子楽器はテルミン、つまり1900年初頭のロシアでその歴史が始まっているわけですから、その後もロシアでシンセサイザーが開発されていたということは何の不思議な話でもないわけです。おかしなことは、私たち日本人はソビエトのシンセサイザーについてほとんど何も知らないということ。

このドキュメンタリー映画「Elektro Moskva」ではテルミン、軍事副産物として開発されたKGB時代のシンセサイザー、そして現在ロシアでは若い世代の音楽家やサーキットベンダーによってかつてのシンセサイザーが再利用_再解釈されているという話に及んでいきます。

簡単な予告編はこちらから。

Elektro Moskva

そんなわけで改めて「ソビエトのシンセサイザー」を検索してみると、まずは「Museum of Sobiet Synthesiser」というソビエトシンセ専門のサイトにぶつかるのですが、今まで全く知らなかったシンセの数々を見て驚きます。まだ訪問したことのない人がぜひ。

 

先日、MIDIが誕生してから30年という投稿をしたばかりで、しみじみとMIDIの偉大さを感じていたところだったのですが、そんな矢先に、このMIDIの誕生に関わったデイブスミス氏とローランドの梯 郁太郎氏が本年度のテクニカル・グラミー・アワードを受賞とのこと。

デイブスミス氏のFacebookより。

Dave to Receive Technical GRAMMY® Award!
The Recording Academy® announced today that Dave Smith and Roland Corporation’s Ikutaro Kakehashi will receive the 2013 Technical GRAMMY® Award for the development of MIDI (Musical Instrument Digital Interface). The MIDI protocol and interface design were co-developed by Dave and his original company, Sequential Circuits, and Japanese instrument manufacturer, Roland. The first MIDI-equipped synthesizer, the Prophet 600, was designed by Dave and started shipping thirty years ago this month. It was at the NAMM show in January of 1983 that MIDI communication between two instruments from different manufacturers—Sequential’s Prophet 600 and Roland’s Jupiter 6—was publicly demonstrated for the first time. Congratulations to Dave and Mr. Kakehashi!

ところで、このMIDIが始めて世に披露されたのが1983年のNAMMショーでのこと。梯氏による「ライフワークは音楽」という著書では「始めてのMIDI接続にはProphet 600とRoland JX-3Pが使われた」ということが書かれているそうなのですが、どうやら上の文章からするとデイブスミス氏サイドではJupiter-6だったという認識がされているようです。JupiterにしてもJX-3Pにしても同時代の製品だったことは確かなわけですが、果たして、、上の写真、、ヒゲの方が弾いているマシンはJupiterなのでしょうか?それともJX-3P?? 何はともあれ、この奇跡的な瞬間から30年、グラミーアワードは当然のことでしょう。

 

 

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BBC News Technologyによると、今日はMIDI (Musical Instrument Digital Interface) が誕生してから30年目の日なのだそうです。何をもって30年なのかはちょっと不明なのですが、MIDIが現在のコンピューターミュージックにとって欠かすことのできない技術のひとつであることは言うまでもないことでしょう。

それ以前は、両手を使って2台のシンセサイザーを弾くことは可能だったわけですが、電気的に2台のシンセサイザーを相互接続する方法がなかった時代。たとえばコンピューターを使ってシンセサイザーをコントロールすることや、あるメーカーのシンセサイザーからよそのメーカーのシンセサイザーをコントロールすることはある意味で夢だったわけです。

当時このMIDIの開発に取り組んでいたDave Smith氏(シーケンシャルサーキットやDave Smith Instrumentsでおなじみ)は、このMIDIテクノロジーを無償で提供することを決め、ライバルのシンセメーカーにこの共通フォーマットの採用を促したそう。今でいうところの「オープンソース技術」の走りだったというのも興味深い話です。

結果、このMIDIテクノロジーはそれまでの音楽制作のためのスタジオ環境を大きく変え、「自宅スタジオ」での音楽制作が可能になったことで、新しい層のミュージシャンが開拓され、音楽シーンも大きく変わっていくことになります。

そんなMIDI規格に対応したシンセサイザーの第1号がシーケンシャルサーキットのProphet-600。そして1983年1月のNAMMショーではこのProphet-600とRoland JX-3PのMIDI接続デモが行われたそう。

一部のテックサイトではそれはRoland JX-3PではなくJupiter-6だ、、なんて話もあるのですが、当時のことを知っている方がいましたら是非教えてください。

 

とかなんとかMIDIについて検索をしていると、当然目に付くのが「MIDI検定」という文字。1999年から開始されている検定試験なのですが、最近はMIDIだけではなくオーディオやコンピューターの知識も試されるのが傾向のようです。今日はMIDIの誕生日ということもあり、恐る恐る3級模擬試験のページを開きチャレンジしてみました。昔カラオケ制作のバイトをしていたことが功を奏し、かろうじてボーダーライン。

 

でも、MIDIコントロールナンバーやGM音源プログラムチェンジナンバーなどについては記憶も薄れ、お手上げ状態。

参考までにどうぞ。

 

以下の説明文の[ ]内に該当する語句を、それぞれ の語群から選び解答用紙に番号で答えてください。

1) コントロールナンバー[ r ]番のホールド1(ダンパー)はピアノのダンパーペダル(電子ピアノ などのサステインペダル)に相当するメッセージです。

[1]10 [2]11 [3]16 [4]32 [5]64 [6]65 [7]72 [8]99

 

2)GM音源のプログラムチェンジナンバーの8番は[ g ]、28番は[ h ]110番は[ i ]です。また リズムボイスとなる10chのノートナンンバー46は[ j ]の音が割り当てられています。

[1]Clavi [2]Marimba [3]Violin [4]Electric Guitar(clean) [5]Piccolo [6]Bag pipe [7]Open Hi-hat [8]Closed Hi-hat [9]Hi-hat Pedal

 

 

 

 

 

 

 

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今では家の中であれ電車の中であれ場所を問わず音楽を聞くことができるわけですが、昔は、音楽は演奏家が演奏する場所(ライブ)に行かなければ聞くことのできないものでした。
1870年代、音楽のコンセプトそのものを大きく変えることになる大発明、それがトーマスエディソンらによって作られた音を記録し再生するための装置、蓄音機(画像上)だったわけです。

エディソンの蓄音機は、銅製の円筒(シリンダー)に錫箔を巻き付けたものを手で回転させ、振動板に直結した録音針を錫箔に押し当てて、錫箔の変形としてつくられる溝の深さを音の強さに応じて変化させることにより音を記録しました。

当時の記録を再生することは難しいとされていたのですが、アメリカバークレーLab Reserchによってその音声の復元が成功。1878年、最古のレコーディング音声はわずか78秒。コルネット(トランペットのような金管楽器)の演奏に続いて、「メリーさんの羊」と「ハバードおばさん」の朗読がされています。

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1973年から1988年まで製造されていたローランドのスペースエコーRE-201。

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1980年に発売されたCASIOのVL-TONE。一部ではVL-1という名前でも呼ばれているらしいのですがその辺りの真相は謎。今でもカルト的人気を誇るこの小型マシン、ある国のテクノロジー博物館ではガラスケースに入れられ展示されているという扱いも受けているようです。チープな音源に計算機付きという今ではあまり思いつかないような突飛なアイデア、でもなんだか愛らしいルックス。ご存知Teenage engineering OP-1がこのマシンにインスパイアされてデザインされたというのも有名な話。

プリセット音源はバイオリン、ファンタジー(!)ピアノ、フルート、ギターが用意されていますが、もちろんそのような音には全く聞こえないのも今だから笑えることなのでしょう。プリセットリズムパターンにはマーチ、ワルツ、4ビート、スィング、サンバ、ルンバ、ビギンなどなどレトロ感漂いまくる10種類。Youtubeを検索するとこのリズムにインスパイアされたという世界中のアーティストの名前が羅列されます。代表各はドイツのバンドTrioによるDaDaDa。このマシンででしかありえない1曲になっていますね。

さらにシーケンサー付き。リアルタイム入力でもステップ入力もできますが音符100個分までのメモリーのみ。電池を交換したり、アダプターを外すと消えてしまいます。そして特に面白かったのがA.D.S.R.という機能。アナログシンセのアンプエンベロープジェネレーターがささやかに搭載されているのです。下の画像はマニュアルのコピー。

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