ここのところBehringerの話題が尽きない。Behringerはまず昨年末にアナログポリフォニックシンセサイザーDeepMind 12をリリース。これまでの常識を打ち破る低価格なシンセの登場に業界は騒然。それだけには止まらない。今年に入ってからBehringer氏は超低価格49ドルのアナログシンセサイザーの開発プランや、アナログシンセの代名詞ともいうべきminimoogのクローンシンセを400ドルで発売するプラン、さらに、1971年のアナログシンセの名機 Arp 2600と、1983年の英国産シンセOSCarのクローンバージョンの開発もアナウンスしている。
面白いのはBehringerのボスであるUli Behringer氏が自らテックサイトやSNSに書き込みを行い、ユーザーからのフィードバックを常に求めている点だ。今年に入ってからはすでに5、6回の書き込みが行われており、西洋のシンセ業界ではそのたび大きなニュースになっている。現在Behringerでは社内4チームによって全20のシンセサイザーとドラムマシンの開発が行われ、”革新的シンセとクラシックシンセの復活”に向けて全力が注がれているそうだ。
Uli Behringer氏の書き込み履歴
2016年11月 アナログポリDeepMind12のデスクトップ・バージョン(およそ$ 899)の開発プラン
2016年12月 808・909スタイルのアナログ・ドラムマシンの詳細とイメージ
2017年2月 49ドルのアナログシンセサイザーの開発プランをアナウンス
2017年3月 400ドルのMinimoogクローンBehringer Model E(ユーロラック)の開発イメージをアナウンス
2017年3月 1971年のアナログシンセの名機 Arp 2600、1983年の英国産シンセOSCarのクローンバージョンの開発プランをアナウンス
Rolandは浜松研究所内にある展示室の内部を、360°カメラで撮影したVRビデオと、ストリートビューで公開しています。この展示室にはRolandが開発して来た新旧さまざまな製品群が展示され、Rolandのおよそ半世紀にわたる歴史が語られているミュージアムといっても過言ではありません。
残念ながらこの展示室は一般公開はされていませんが、このようなバーチャル技術によって、世界中の音楽ファンがホームコンピュータからRolandの歴史にアクセスできるようになることは素晴らしいことに感じます。この先Googleの技術がさらに進んで、展示室内のシンセサウンドにもアクセスできるようになればさらに素晴らしいですね。
↓360VR動画なので、動画の再生画面でマウスをドラッグするとさまざまな方向を向くことができます(スマホの場合、スマホの向きで角度を変えられます)。
これまでBeatsurfing、Playgroundなどユニークな音楽アプリを開発して来たベルギーのアーティスト・コレクティブHermutt Lobbyが、今度はミニDJコントローラCTRLCAPをリリースしました。
CTRLCAPはプラスティック製のフェーダーキャップで、DJミキサーのクロスフェーダーのキャップと付け替えて使用します。CTRLCAPにはタッチセンサーが内蔵してあり、このキャップを軽くつまんだり、ギュっと握ったりすることでMIDIコントロールを送信でき、表現力豊かなエフェクト操作が可能になります。つまり、右手でスクラッチ、左手でCTRLCAPを握ってクロスフェーダーを動かしながら、エフェクト操作ができるわけです。もちろん使用方法はDJコントロールだけに限らず、ステージライトのソフトウェアを操作しても面白いのではないでしょうか。
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イギリスの老舗プロ機器メーカーFocusriteがiOSミュージシャンに向けたとっても便利なオーディオインターフェイスiTrack One Pre をリリースしました。このミニキューブ型のオーディオインターフェイスの大きな特徴は、外部から電源を取らずにボーカルやギターの録音ができることです。通常の iOS向けオーディオインターフェイスは(例えば、FocusriteのScarlett SoloやRolandのDuo Capture Ex)はメインプラグもしくは USBからの電源供給が必要ですが、iTrack One PreはiPhone/iPadのLightningコネクターから直でファントム電源を送ることができます。GarageBandのボーカル録音にはバッチリでしょう。
問題は一つ、 iTrack One PreはiPhone 7にも対応しているのですが、みなさんご存知の通りiphone7には3.5mmのヘッドフォン端子がついてないため、iTrack One Preからモニタリングをすることができません。
価格139.99
同期技術Ableton Linkの果たした役割は果てし無く大きい。音楽ソフトウェア同士の同期だけにとどまらず、今度は音楽ソフトウェアとビジュアル・ソフトウェアのジャムセッションが可能になります。
Mixvibes社がリリースしたRemixvideoというライブビジュアル用のソフトウェアは 、同期技術Ableton Link に対応し、Ableton Live、NI TRAKTOR、NI MASCHINE、Serato、Reason、iOSアプリなどとのテンポ同期が可能になります。また、DAWソフトウェア内ではVST/AU プラグインとして起動することも可能で、音楽と映像を一括してライブ操作できることになります。音楽用MIDIコントローラ(LauchPadやMASCHINEコントローラ)を使ってビデオを操作できるのも良し。音楽の脳みそと、映像の脳みそをうまくブレンドできそうな、新しいタイプのソフトウェアかもしれません。ライブパフォーマンスで音楽とビジュアルを一緒にコントロールするのも楽しそう。
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Native Instruments のKomplete Kontrol ソフトウェアのバージョン1.8がリリースされました。Komplete Kontrol ソフトウェアはNIのMIDIキーボードKomplete Kontrol S-シリーズキーボードのソフトウェアの部分で、言うなればKomplete Kontrol S-シリーズキーボードの心臓部分のようなもので、キーボードとこのソフトウェアが一緒に動くことで、現代的な面白い機能を使うことができるようになります。このソフトウェアがないとS-キーボードはただのMIDI鍵盤でしかありません。けっこう頻繁にアップデートが行われているKomplete Kontrolですが、その都度新しい機能が搭載されることもあり、ちょっとぼんやりしていると後になって「こんな機能が付いていたのね 😥 」なんててことになります。ということでアップデートにはなるだけ目を見張るようにしてます。
さて、本日リリースとなったKomplete Kontrol ソフトウェアのバージョン1.8 ですが、今バージョンではスケール機能が大きくバージョンアップし、搭載スケールの数がこれまでの15種から120種にいきなりジャンプアップ。世界各地のメジャーからマイナーなスケール、日本の雅楽のスケールもいくつか、聞いたこともないような変なスケールもちらほら、これだけ数多くのスケールについて一括して知る機会もなかなかないので、後でじっくりと耳で確認してみてください。
下の画像はKomplete Kontrol ソフトウェアからスケールを選んでいる様子です。同様のことが S-シリーズキーボード本体からも行えます。
Komplete Kontrol ソフトウェア1.8の目玉その2は、コードポジションパラメーターというもので、『コード内の各ノート位置をフルコントロールできます。Autoに設定するとKOMPLETE KONTROLが自動的に最適なボイシングを選び、より自然なコード進行となります。』とのこと。
例えば、「ド・ミ・ソ」と「ソ・ド・ミ」は同じボイスで構成されているコードですが、「ド」が上に来るのか、「ミ」が上に来るのかで雰囲気が変わってきます。そこでこのコードポジションパラメーターというアルゴリズムがボイシングをうまくコントロールして、よりプロっぽい、機械っぽくないコード進行を自動的に作ってくれます。
下の画像はコードポジションパラメーターのオートモードを選択している様子です。
下のビデオ(3:36-)でもこの機能について詳しく解説しています。