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日本と違って、ドイツ(ヨーロッパ)のシンセサイザーシーンの面白いところは、小さなメーカーが多く存在して活躍していることです。ベルリンにはそういった製品ばかりを取り揃えるSchneiders Büroという楽器店があったり、またはJust Musicという幅広い品揃えのある大手の楽器店でも、ユーロラックモジュールや日本ではほとんど知られていないようなメーカーのシーケンサーやドラムマシンを見かけることがあります。その一方ではAbletonやNative Instrumentsといったこの数十年間で急成長したソフトウェアメーカーもあったり、現在のドイツ(ベルリン)のエレクトロニック音楽の層の厚さや勢いには並々ならぬものを感じます。

さて、今週は実にラッキーなことに、MFBが新しくリリースしたばかりの2種のアナログドラムマシンTANZMAUSとTANZBÄR LITEを試す機会を得ました。MFBもベルリンに拠点を置く、特にテクノ・エレクトロニック系ミュージシャンの間では知名度の高いガレージ・メーカーの一つです。

MFBの新しい2種のアナログドラムマシンは、同社のMFB503とMFB522の後継機で、TANZMAUSはローランドTR-909、TANZBÄR LITEはTR-808のクローン的な位置付けと言えばイメージしやすいかと思います。TANZMAUSはドイツ語で「踊るネズミ」、TANZBÄRは「踊る熊」という意味で、これまでのドラムマシンにはなかったネーミングがナイスです。小さくてキュート、1950年代のドイツではブロンド髪のポニーテイルの女の子がペチコートスカートを履いてロックンロールのリズムに合わせて踊るのが流行だったそうで、そんなイメージが背景にあるようです。

 

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ユニークなユーロラックモジュールで注目を浴びている、チェコ共和国を拠点とするBastl Instrumentsが、またもやナイスな製品を開発しているとのこと。本日公開されたティザービデオでは、60個のノブが付いたプログラマー/エキスパンダーThe Sixty Knobsがお披露目されています。The Sixty Knobsは、Sonic Potionsというこれもまたインディー・メーカーのデジタルドラムマシンLXR Drum Synthesizerの専用コントローラーとなるようで、LXR Drum Synthesizerのシンセパラメーターをほとんどすべてリアルタイムで操作し、LXRのパワーを存分に引き出すことができるようです。ビデオを見てもわかるように、これがめっちゃ楽しそうなのです。やっぱり僕らはノブが好きなんですかね。

 

 

価格、販売時期は2016年初夏に発表予定とのこと。

まだLXR Drum Synthesizerの音を聞いたことがない人はどうぞ⬇︎。

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アメリカ・シアトルのSpecial Stage Systemsというメーカーが、80年代のビデオゲーム的なサウンドとビジュアルを作るビデオシンセサイザーMing Microを発表しました。Ming MicroはクラウドファンディングKickstarterでの予約販売を開始しています。

 

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先月行われたNAMM 2016 で、TeenageEngineeringはポケットオペレーターの新しいモデルを3種を発表しました。

ドラムマシンやベース用シンセ、ノイズパーカッションなど、様々な音色キャラクターを持つポケットオペレーターは、通常のステレオ・ミニジャックケーブルを使うだけで同期演奏が行えることも魅力の一つです。

今現在、全6種のポケットオペレーターが発売されているわけですが、これを全部数珠繋ぎして同期演奏すればそれは楽しいことに違いありませんが、でも6台ともなればさすがに操作が面倒になるに違いありません。(私も前モデル3種で試してみましたが、スイッチやノブの類が小さすぎることもあって、操作が窮屈なんです)

そこで考えられたのがポケット・ミキサーです。ポケットオペレーター全6モデルのボリュームをパラで操作でき、同期信号の分配管理するができます。下のビデオがそのデモンストレーションです。前半は技術的な解説。演奏が始まるのは3:09あたりからです。

 

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先日書いた「充電ケーブル1本で、iPad/iPhoneの音をAbleton Liveに取り込む方法」という記事の反響が大きかったので、今日はその続編ということで、StudiomuxというiOSアプリを使い、iPad/iPhoneの音をコンピューターに取り込む別の方法を紹介しましょう。

Studiomuxは以前にこのブログでも紹介したAudiomuxのアップグレードバージョンで、通常のUSB充電ケーブルを使うだけで、iOSデバイスからコンピューターへ最大8チャンネルのオーディオをストリームすることができるアプリです。例えば、Ableton Linkを使って幾つかのアプリでセッションしているとき、それぞれのアプリをAbleton Liveのオーディオトラックにレコーディングできたり、または、友達のiPhoneも接続して、2台のデバイスを同時にAbleton Liveにレコーディングするようなことが可能となります。

Studiomuxはオーディオストリーム以外にも、MIDIインターフェイスとしての役割もこなす機能豊富なアプリなのですが、今日はこのオーディオの部分だけに絞って見てみます。Studiomuxは、iOS 7.0 以降のiPhone/iPad/iPodTouch、そしてMac OS10.7とWindows7 以降に対応しています。

 

Studiomux のAudio機能概要:

  • iOSデバイスからMac及びWindows PCへのオーディオのストリーム
  • VSTとAU対応、iOSアプリのDAWの連携が簡単に
  • 一度に複数のiOSデバイスの使用可能、各デバイスは8ステレオチャンネルまでの双方向のストリーミングが可能
  • IAAとAudioBus対応の数多くのアプリに対応
  • IAAとAudioBusミキサー搭載、ボリューム、ミュート、モニター操作可能
  • 簡単な操作でインストゥルメントアプリやエフェクトアプリのルーティングが可能
  • IAAアプリにはMIDIノートのインプットが可能、VSTインストゥルメントと同様に扱うことが可能
  • Ableton Linkに対応、IAAアプリとの同期が可能

 

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スクリーンをタップするだけで簡単に音楽演奏できるiPadの有名アプリ、AudanicaのSoundPrismが、リニューアルバージョンとなるSoundPrism Link Editionをリリースしました。

SoundPrismは、スクリーン左端のアルファベットのスイッチでベースを押さえ、スクリーン右の鮮やかなキーボードでコードやメロディーを演奏します。音楽知識が全くなくても、オシャレなコードを使って簡単にアンサンブル演奏できてしまうのがこのアプリの凄いところです。

SoundPrism Link Editionはその名の通り、Abletonの同期テクノロジーLinkに対応したバージョンで、特にその力を発揮するのが新機能のリボンコントローラです。リボンコントローラを上に上げると、ビブラートやオートフィルターのような効果をつける事ができ、しかもその効果は常にBPMと同期します。ドラムマシンのようなアプリとLinkセッションすれば、楽しいこと請け合いです。

もう一つ面白い新機能は、AudioBus Remoteにも対応したことです。例えば、ドラムマシンアプリ(Elastic Drum)とSoundPrism link Editionを、Audio Bus Remoteを使って立ち上げると、インターフェイスには両方のアプリのスイッチが表示され(画像下)、二つのアプリを同時に操作できるのです。フルコントロールというわけではありませんが、右手でハーモニーを演奏して、左手でドラムマシンを演奏するのも、今までのiOSアプリではできなかったことなので、とっても新鮮です。

新設計のサウンドエンジン、23種類の新しいプリセットはどちらかというとエレクトロニック寄りのサウンドです。Linkセッションをさらに盛り上げましょう!

 

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