ドイツ・ミュンヘンのメーカーNeuzeit Instrumentsから、ライブパフォーマー向けの新しいスタンドアロンMIDIコントローラー「DROP」が発表されました。メーカーの発表によると、この製品は“スナップショット”というユニークなコンセプトを中心に、複雑なハードウェアセットアップをより直感的にコントロールできるよう設計されているようです。

最大の注目ポイントは、機材の状態をまるごと保存・呼び出しできるスナップショット機能。さらに、スナップショットをあらかじめタイミング指定して発動させる「DROP」モードでは、たとえばビルドアップの間に設定を準備しておき、次の小節頭でベースが戻ってくる──そんな展開を自動で演出できるとのこと。即時切り替えやフェードにも対応する「JUMP」モードと組み合わせることで、より柔軟でダイナミックなパフォーマンスが可能になりそうです。

 

 

インターフェースも充実していて、32のエンコーダーや8つのフェーダー、マクロマッピング、MIDIのディレイ調整、CV In/Out端子など、細かな部分までこだわりが見られます。Ableton Liveとの連携にも対応しているとのことで、DAWを使ったセットアップにも向いていそうです。

ただし、あくまで現時点ではメーカー発表の情報に基づいた内容であり、実際の操作感や反応速度、直感的な使い勝手などは、やはり実機に触れてみなければわかりません。実機は2025年5月8日からベルリンで開催されるSuperboothで初公開予定ということで、私自身もこのイベントで実際にDROPを試せるのをとても楽しみにしています。

スナップショットによるライブ演出の自動化という新しいアプローチが、どのような可能性を広げてくれるのか。実機に触れてみた感想も、改めてレポートできればと思っています。

 

neuzeit instrumnets

 

 

Arturia V Collection 11に収録された新音源「Pure LoFi」は、従来のエミュレーションとは一線を画す、Augmentedシリーズの流れを汲む新しいアプローチのプラグインです。この音源は、ワウやフラッター、ノイズ、アナログ感、デジタルのざらつきなど、LoFi音楽のキーワードを網羅しており、LoFi好きが「こういうのが欲しい!」と思う要素が詰まっています。

まさに「音のスケッチブック」のような存在で、アイデアをすぐに形にできる柔軟性と親しみやすさがあります。このプラグインを使っていると、早速LoFiトラックを作りたくなってくることでしょう。

同じくLoFiサウンドに特化したBaby AudioのBA-1と比較すると、BA-1はYamaha CS-01をベースにしたシンプルで直感的な操作性が特徴で、内蔵スピーカーやバッテリーの劣化を再現することで、独特のLoFi感を演出します。一方、Pure LoFiはより多機能で、サウンドデザインの幅が広く、より多彩なLoFiサウンドを追求できます。

 

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Sonic AcademyのSonic Soundsシリーズから、革新的なリバーブ・プラグイン「Vela(ヴェラ)」が登場。現在、誰でも試せるオープンベータ版が公開中です。

「Vela」は、従来のコンボリューション(畳み込み)方式やインパルスレスポンス(IR)に依存しない、新しいアプローチを採用。ノードベース構造による柔軟なリバーブ設計と、グラフィカルなインターフェースによる直感的な操作性を両立したプラグインです。

 

従来とは異なるアプローチ

Velaでは、アーリーリフレクション(初期反射)とレイトリフレクション(後期反射)を個別にコントロールでき、密度やディケイ、ダンピングフィルターといったパラメーターを時間の経過に沿ってエンベロープで細かく調整することが可能。カーブを描くような操作で、滑らかで自然なリバーブテールを直感的に作り上げることができます。

さらに、Lexicon、Bricasti、TC Electronicなどの有名ハードウェア・リバーブのサウンドを、IRを使用せずアルゴリズムベースで再現。プリセットとして用いるだけでなく、そこから自由にサウンドを発展させていける柔軟性も備えています。

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どうして80年代の空気に惹かれてしまうのだろうか。VHSテープ、カセットウォークマン、ハンディカム…少しざらついた映像や音に、なぜこんなにも心が動かされてしまうのだろうか。

そんな”あの頃”のサウンドを、iPhoneやiPadで再現できるシンセが登場しました。

その名も「King of VHS: VCR Synth」。AudioKitが手がけた、懐かしさたっぷりのLo-Fi系シンセアプリです。プリセットがものすごく秀逸に作られていて、ちょっと音を鳴らすだけで「Stranger Things」のサウンドトラックのようなシンセワールドが全開します。


 

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AppleのAirPods MaxのUSB-Cモデルが、2025年のアップデートで大きく進化しました。
このファームウェア更新によって、これまで“リスニング用”とされていたAirPods Maxが、ロスレス再生・超低レイテンシ・空間オーディオ制作対応という、まさに制作向けのツールへと変貌を遂げたのです。

とりわけ注目したいのは、Logic Proとの親和性。
AirPods Maxを使うことで、Atmosミックスや空間オーディオ制作の体験がグッと身近になってきました。

 

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Cre8audioが面白いものを出してきました。

2025年春、彼らが発表したのは、完全アナログのドラムマシン「Boom Chick」と、ヴィンテージ感たっぷりのミキサー「Assembler」の2機種。しかもどちらも、モジュラー界隈でおなじみPittsburgh Modularとの共同開発。この名前を聞いただけでテンション上がった人、多いんじゃないでしょうか。

実際にスペックを見てみると、「ただのレトロリバイバルじゃないぞ?」という印象。どちらも今のシーンに必要な機能をちゃんと押さえつつ、アナログの良さを丁寧に活かしてる。5月に開催されるSuperboothで実機に触れる前に、今回のリリース情報から感じた印象をまとめておきます。

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