ターンテーブルバトルのようなスクラッチ技術を競うバトルはかつて見たことがあったのですが、このバトルはコントローラーを使ったバトル。ライブパフォーマンスについて考えているデジタルミュージシャンにとっては何かインスパイアされる物があるのでは?
今年の6月25日にサンフランシスコで行われたThe West Coast Controllerist Championship。挑戦者はコントローラーもしくは楽器2台まで、そしてコンピューター1台までの使用が認められており、2分30秒間の演奏を行うことが出来る。審判は音楽性、技術性、斬新性、パフォーマンス性、客の反応を基にジャッジする。下のビデオはRich DDT vs Edisonのファイナルバトルの模様。Rich DDTはMIDIキーボードとKorg Nanoの合体型コントローラでアッパーなハウストラックを演奏。EdisonはMONOMEとゲームコンソールのようなコントローラーでヒップホップトラックを演奏。そして勝利の行方は!!
3位入賞のArtful Codgerのパフォーマンス。個人的にはこのパフォーマンスが一番好きなんですけどね。
Jordan Rudess(ドリームシアターのキーボーディスト)によって設立されたWizdom MusicからリリースされたSampleWiz。昨年リリースされ人気を得たMorphWizのディベロッパーといえばご存知の方も多いだろう。SampleWizはポリフォニック、マルチタッチパフォーマンスサンプラーで、iPadやiPhoneを使いサンプルした音を即プレーすることが出来る上、音を編集したり、切り刻んだりすることも楽に行うことがでる。そしてMorphowiz同様にキーボード上ではピッチやビブラートを変化させたり、パフォーマンスの際にも様々な表現が可能となるアプリケーション。価格は850円。果たしてこれは投資に値するのか否か見てみよう。
最初の印象 ややハデなオープニング画面の後に見えるのが青色画面であるClassic mode。音源名はHendrix Wizとなっている。さっそく40あるプリセット音源を試してみようと思う。
[flv width=”500″ height=”30″]https://1ikkai.com/wp-content/uploads/2011/08/Output-1-2.240p1.flv[/flv]
FMラジオ番組のジングルなどに使えそうなインパクトのあるサウンドがいくつもおさめられている上、指で鍵盤を上下させるだけで動きのあるサウンドを鳴らすことが出来る。そしてボイスサンプリングも指を上下に動かすだけでピッチを自在に操ることができる。
メイン画面右上、キーボードアイコンに横にあるウェーブフォームアイコンを選択すると現れるウェーブフォームウィンド。ここでサンプルの編集を行うことが出来る。サンプルのトリム、スタートポイントやエンドポイントの設定、ループの設定など。そしてここでもウェーブフォームをタッチするだけで音が再生される。画面上で指をホールドした状態で左右、上下に激しく指を動かし、デジタルグリッチサウンドを作ることなど、元のサンプルを大きく変化させることも楽に行える。
[flv width=”500″ height=”30″]https://1ikkai.com/wp-content/uploads/2011/08/glitch.240p.flv[/flv]
自分のサンプルを録音してみる 内蔵マイクロフォンまたはラインインプットからの録音も画面中央にあるStartボタンを押すことで開始することが出来る。録音時間は10秒まで。録音されたサンプルは即、キーボードにマッピングされ、編集、プレーすることが出来る。試しに机と膝を叩いてみた。
[flv width=”500″ height=”30″]https://1ikkai.com/wp-content/uploads/2011/08/tap.240p.flv[/flv]
さらに便利なのは中央に表示されているリサンプルモードアイコン。録音した素材で演奏したものをリサンプルとして録音することが出来る。次のサンプルは上のサンプルをディレイ、リバースを使い、音が過激に変化していく様子を聴いてもらうことができるだろう。
[flv width=”500″ height=”30″]https://1ikkai.com/wp-content/uploads/2011/08/kaos.240p.flv[/flv]
結論 とにかく楽しく遊びながら使えるといった印象を受けるこのSampleWiz。一昔前のサンプラーであるなら、これだけのことをするのにどれだけの時間やお金をかけなければならなかっただろうか。サンプラーとして面白い音を作るためだけでなく、演奏する為の楽器としても今後間違いなくスタジオで起動させるアプリになるとなるだろう。プロバイダーホームページによると、次のバージョン1,3ではMIDIにも対応する予定だそうだ。850円の投資は決して無駄とは思えない。
コルグの新製品Wavedrum Miniに付属するセンサークリップはあらゆる物をパーカッションに変えることができるツール。このセンサーはマイクロフォンではなく、トリガースイッチのような物なので、音源自体はWavedrum Miniに内蔵する物を使います。しかしクリップを付ける場所によってはその表現力は大きく変わってきます。ペットボトルを使ったシェイカーはちまちまとコンピューターに打ち込んだシェイカーよりも断然味があるのです。しかしどうしてMIDIが搭載されていないのか???という点が話題の中心になってしまっているのが残念でなりません。
さてこちらは新しいiOS音楽アプリのTable Drum。アイデアはKorg Wavedrumのセンサークリップと似ているのかもしれません。iPhoneの内蔵マイクを使い、アプリに内蔵する4種類のドラムサウンドを身の回りの物を使って演奏させることができます。キックドラムを机を叩いた音で、スネアドラムをコップを箸で叩いた音で、なんてことができるのですが、今こうしてコンピューターに文字を打ち込んでいる間にも音が間違って反応してしまっているわけでまだまだ完璧とはいいがたいのですが、 レイテンシー(遅延)はほぼなし、ベロシティー(強弱)の認識もあり、叩いて演奏することの楽しさは十分感じることができます。しかしやはりMIDIに対応してもらいたいですよね。App Store
いかした音楽アプリは続々とリリースされているのですが、MIDI機能に対応しなかったり同期信号を送受信しないアプリにはまったくもってガッカリさせられます。その点、FunkBoxとLittleMIDI Mashineは早くから同期信号の入出力に対応しており、非常に好感を持てるアプリケーション。これなら実用性がある!と納得できます。
上のビデオはそのFunkBoxとLittle MIDI mashineを使ったデモンストレーション。4つの音源とiPadとiPod touchがシンクロしている様子です。
使用機材
Funkbox(iPad)/リズムトラック マスタークロックとして作動。
Little MIDI Mashine(iPad)/ シーケンサー Funkboxと共にiPad内でマルチタスキング起動、Funkboxのクロックスレーブとしてシンク。(マルチタスク機能は次のバージョンアップから搭載予定)
Omega2/ シンセサイザー Little MIDI mashineがMIDI信号を送信。iPadとAlesis IO dock経由でMIDIケーブル接続されている。
Monotribe /シンセサイザー Korg SyncKontrolアプリが起動しているiPod touchとシンクケーブルで接続。iPadとiPod touchはwifiワイヤレス接続