Native Instruments のDJソフトウェアTRAKTOR Pro には4つのエフェクト・ユニットが搭載されています。各ユニットはおよそ30種類のエフェクトを装備していたり、1つのエフェクトを操作するシングルモードと3つのエフェクトを同時に操作するグループモードを装備しているなど、DJ用のエフェクターとして考えた時にはかなり贅沢です。エフェクターのパラメーターはかなり落とし込まれているので、数少ないスイッチやノブを使って簡単に操作でき、それでいながらも、とてもパワフルでマジカルなエフェクト効果を作ることができます。
TRAKTORのエフェクターにもっとこだわりたのであれば、ぜひお勧めしたいのが、IMAGINADOのTRAKTORエフェクト専用アプリTKFX 2.0 です。TKFXはNI TRAKTORのエフェクト・ユニットのみをコントロールするアプリ(iOS、アンドロイド対応)で、TRAKTORエフェクターのすべてをタッチ操作できてしまいます。エフェクトの選択はもちろん、各ユニットには4つのバンクが用意されているので、エフェクターの設定をストアし、瞬時にエフェクトの切り替えも行えてしまいます。
TKFXの醍醐味は、カオスパッドのようなXYZ軸を使ってタッチ操作できることです。TRAKTOエフェクターのすべてパラメーターを各軸にアサインすることができたり、スクリーンを触るだけでエフェクトをオ/オフできたり、指を離しても設定をそのままにしておくことができるHOLD機能も装備しています。設定次第では通常のMIDIコントローラでは不可能な奇抜な効果をつくることができ、かといって操作が難しいわけではなく、DJ プレイ最中でもあっても指一本の操作で直感的にエフェクト効果をつけることができます。しかも、TRAKTORとTKFXはMIDIクロックによって常にテンポが同期するので、ディレイのようなエフェクトであってもタイミングはいつもバッチリです。
もっとすごいのがLINKモード(画像下)で、極端な話、指一本だけでTRAKTORの4つのエフェクトユニットをすべて同時に動かすことができます。
TKFXはバージョン2.0になり、TRAKTORとの接続はwifiだけでなく、USBの充電用USBケーブルで接続することもできるようになりました。レイテンシーの問題も解決され、操作している間のストレスはほぼありません。コンピューター側では常にサーバー(軽いアプリ)を立ち上げておかなければなりませんが、一度設置方法を覚えてしまえば楽になります。1つ不満な点を言えば、サーバーを起動しているとCPUに負担が多くかかるようで、ファンがビュンビュン鳴り出すところで、これはバージョンアップで改善してもらいたい部分です。
とはいえ、ほぼ完璧なまでにTRAKTORのエフェクトをコントロールし、様々なサウンドを作ることができるので、ついつい時間を忘れて遊んでしまいます。TRAKTOR の数あるエフェクターをもう一度見直す良いきっかけにもなります。
価格はフリーですが、内課金制で各機能をアンロックしていくシステムになっています。
Native Instruments TRAKTORの新しい機能STEM DECK。見た感じはごく普通のMP4ファイルではあるのですが、Stemsと名の付くこのファイルをTRAKTOR PRO 2にロードすると、4トラックに分けて再生することができるという新しい音楽フォーマットです。例えば、ドラムパートだけプレイをしたり、ボーカルパートだけにエフェクトをかけてみたり、ベースだけにEQをかけてみたり、又は、DECK A とBにそれぞれにStemファイルをロードすれば、ドラムパートはDeck A から、シンセパートはDeck B からなどなど、曲パートをスワップするなんてことも可能になるわけです。
Stemsの良いところは、Stemクリエーター・ツール(画像上)を使い、自分でもStemファイルを作れてしまうことです。つまりTRAKTOR DJのセッティングを使ってライブ演奏ができるようになるわけです。Ableton Liveで行うライブとは一味違ったライブパフォーマンスができそうな予感がします。
今日、公開されたStems公式ホームページには、Stemについての詳しい説明や仕様詳細が記されています。
Stemsファイルの作り方はごく簡単なようです。
- 自分のDAWソフトウェアで4つのパートのファイルと、ミックス・ファイルを一つ作る。(どのパートを抜き出すかは自分で考えることができるわけです)
- STEMクリエーター・ツールにこれら5つのファイルをインポートする。
- それぞれのSTEMに名前をつけたり、波形表示用の色を選択する。
- マスタートラックにコンプレッサーをかける。
- EXPORT!
- STEMファイルの完成。StemファイルをTRAKTOR PRO2 でロードする。
音質の方はそれぞれのステムが256kbps AACでエンコーディングされるようです。数字的にはアップルiTunesと同じクオリティとなるわけですが、4つのトラックを個別に出力し、それぞれにエフェクターやEQをかけていくことができることを考えれば、クオリティはiTunesよりも上であると考えて良いのでしょう。ファイルのサイズ的にはAACファイルが5つ分と考えて良いようです。
今の時点では、このStemsを操作できるコントローラはNI KONTROL D2、S8、F1 となっています。ちょっと忘れかけていたKONTROL F1が再び日の目を見ることは大歓迎です。
下のビデオはStemイントロダクションビデオと Stemクリエーター・ツールのイントロダクションビデオです。
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アップルはGarageBand for Mac OS のアップデートバージョンリリースのアナウンスをしました。iOSアプリ通ならば、上の画像をみただけでピンと来るかもしれませんが、Camel AudioのAlchemy シンセがGarage Bandの新機能として搭載されるようです。今年の初めに、Camel AudioはAppleによって買収されたというニュースがありました。
Garage Band 公式ホームページによると、この新しいシンセエンジンは『EDMやHip Hopにインスパイアされた100のシンセサウンド』を搭載し、Transform Pad で演奏することができるとのこと。つまりこのPadはLogic ProのDrummerコントロールと同じように起動し、SculptureのようにXY操作することができるもののようです。公式HPにはデモ演奏のビデオが掲載されており、メロディ演奏をしたり、フィルター操作をしたりしていますが、どれもとても良いサウンドに聞こえます。
GarageBandの新バージョンのリリースは6月30日。この日はAppleは定額音楽サービス「アップル・ミュージック」がアメリカ国内で開始となる日で、もしかしたらGarageBandで作ったコンテンツを「アップル・ミュージック」にアップロードできる機能も付いているのではないかと?いう噂もされています。そうなると、Logic Pro X にも何か新しい流れが起こることが容易に予想できますが、まずは今月末のリリースを待ってみることにしましょう。
先週アップルWWDC2015基調講演でiOS 9 が発表された。この新しいOS にはiOSミュージシャンにとって大きなジャンプアップとなるエキサイティングな機能が追加されている。
まず一つ目はマルチタスク機能だ。これは二つのアプリを同時にディスプレイ表示し、同時に操作することができるようになるもので、例えばシンセアプリとエフェクターアプリを同時に操作することができるようになったり、DAWアプリにシンセアプリを録音することができるようになる。
下のビデオはiOS9マルチタスキング機能のハンズ・オン・ビデオ。
マルチタスク対応デバイスはiPad mini2 /mini3/Air/Air2 とのこと。
つまり、GarageBandのようなiOS DAWアプリ、もしくはオーディオエディター系アプリはin-AppメニューからAUプラグインを選択してエフェクターやシンセを立ち上げることができるようになる。
Mac OS XバージョンのLogic Pro やGarage Bandに付属しているApple製のAUプラグインは無償で提供されるほか、ディベロッパーはAUプラグインの販売をApp-ストアで行うこともできるようになる。
NI KONTAKTやOMNISPHERE のような巨大サンプルプレイヤーは無理だとしても、NI REAKTORやU-he、Softtube、WAVES、iZOTOPE など、、AUプラグインの名作をiOSでも利用できる日もそう遠くはなさそうだ。問題はこれまでのアプリをどのようにタッチスクリーンにフィットさせるかのようだ。
これまでのiOSはIAA(inter app audio) もしくはAUDIO BUSを利用することによってアプリ同士の内部接続を可能にしてきた。iOSの歴史を考えてみればそれは革命的な解決方法であったわけだが、一つのアプリを操作するごとにアプリのスワップを行わなければならず、それは決して扱いやすいものとは言い難かった。
iOS9 のマルチタスキング+AU対応によって、IAAはもう忘れられてしまうのか?どちらにしてもiOS音楽制作環境は大きく進化し、これまで以上にエキサイティングになっていることは確かなようだ。
via 9to5Mac
ドイツ・ベルリンのミュージシャンRobin Sukrosoが開発した世界初、ワイヤレスMIDI・アコースティックギターACPADは、一台でエレクトロニックとアコースティックな演奏を同時に行うことができる楽器だ。ギターの弦を演奏するだけでなく、フィンガードラムパッドやルーパーなど演奏することもできるので、ワークステーション型のアコースティックギターとも言って良いのかもしれない。
ACPADは厚さおよそ2mmの薄型デバイスで、通常のアコスティックギターにピックガードのように装着することができる。コンピューターとの接続はUSBもしくはワイヤレスでおこない、MIDIデータの転送が可能になる。バッテリー駆動またはUSBパワードで動作する。
下のビデオでSukrosoはギター・ドラム・ベースの演奏を同時に行っている。
ACPADは間もなくクラウドファンディングKickStarterでプロジェクトが立ち上げられる。アコースティックギターにもエレクトロニックの旋風が巻き起こるか?!