Abletonが初の書籍をリリースした。タイトルは「Maing Music: 74 Cfreative Strategies for Elecrtonic Music Producers」(エレクトロニック音楽のプロデューサーのための74のクリエイティブ戦略)執筆はAbletonのドキュメンテーション部門の責任者+作曲家プロデューサーDennis DeSantisによる。
Abletonによるとこの本は「Liveのユーザーマニュアルの拡張版ではなく、手持ちのツールを使用した音楽作成の手助け」を目的とした内容であるとのこと。本書は ①曲の作り出し ②曲の発展のさせ方 ③曲を仕上げる方法 の3部で構成され、アーティストへのインタビューから得た回答を例に挙げながら、プロジェクト先に進める為の様々なアドバイスや解説が行われていく。
「プロジェクトをスタートさせるときは、まず、捉えたいサウンドを表現するのに使用したいパレットについて考えます。ときには、すべてのサウンドに対してアナログ・キーボード2台だけを使用することにして、超クリエイティブにならざるを得ない状況に自分を追い込み、キーボード自体のサウンドと特性の範囲内に限定することで、プロジェクトの雰囲気と焦点を決めます。」
「サウンドがランダムにトリガーされるようにシステムをセットアップして、これらをループやサンプルにして新しいリズムに成形していきます。この方法だと、同じことを繰り返すことがないので独自性が高まるし、誰かに作成方法を解読される心配もないので、他との違いを際立たせることができます。」
「スターティング・ブロックとしてドラム・サンプルをセッションに加えてみるといいでしょう。サンプルを入れ替えたりしてみて、その作品の一部になったら取り除いてしまいましょう。」
「現実世界からの邪魔や障害が最小限になるようにしています。お気に入りのインストゥルメント/機材すべてを常に接続しておいて電源ボタンを入れればすぐに録音可能な状態にしておくことです。」
音楽を作っている人なら、ループ地獄にはまってしまったり、アイデアがあっても曲を完成することができない経験をするはずだ。この本がそんな窮地に立った時の優しい水先案内人となってくれるに違いない
現在「Maing Music」の抜粋章が公開されている。英語の勉強も兼ねて、今晩あたりから読み始めてみようかと思ってる。完全版はAbletonオンラインストアにて25ユーロで購入できる。
これを書いていて思い出したのが、Mike Monday というイギリスのエレクトロニックミュージシャンも、窮地に陥ったアマチュア・ミュージシャンへアドバイスをおくるプロジェクトを行っている。
西洋でのエレクトロニック音楽家人口の層の厚さをつくづく感じる。
Native Instruments Reaktorのユーザーライブラリーには、ユーザーが制作したおよそ4000にのぼるアンサンブルが無償で公開されている。ジャンルはシンセサイザー・ドラムマシン・サンプラー・シーケンサーなど、斬新な物から在り来たりのものも含め様々だ。中にはNIの創始者Stephan SmittによるCHA-OSC(人気プラグインシンセKONTOURの大元となったシンセ)のような超プロフェッショナルなアンサンブルも含まれている。
ユーザー@mosaicが発表した3種類のReaktorアンサンブルもかなり魅力的だ。Acceleratorはドラムシンセサイザ、InfrastructireとReduxはサブトラクティブシンセと呼ばれるものだ。清潔感のあるインタフェイス、音の方はかなりエレクトロニック寄りだがシンプルでユニークな音、無償とは思えないクオリティの高さに敬服する。
コルグのVOLCAシリーズ、Teenageengineeringのポケットオペレーターシリーズさながらの、トリニティ・アンサンブルを楽しむことができる。
「モーフィング」はコンピューターグラフィックの手法の一つで、ある物体から別の物体へと自然に変形する映像をみせる。私が思い出すのは、その昔マイケルジャクソンが「Black and White」という曲のPVの中で、様々な顔の映像を次々と変形させていたことだ。
この「モーフィング」を、音楽テクノロジーに応用させた場合、たとえば、水が滴る音がいつの間にか人の声に変わっていたり、ピアノの音がいつの間にかギターに変わっていたり、一つの音を別の音に徐々に変化させていくことができるのだろうか?試してみたいことは山ほどあるわけだが、そんなことをリアルタイムで実現するプラグインソフトウェア「Morph 2」がドイツ・ハノーバーに拠点を置くZynaptiqというソフトウェアメーカーからリリースとなった。元々はProsoniqというメーカーが開発したソフトウェアのバージョンアップという形でのリリースとなっている。
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私たちの音楽リスニング環境を大きく変えたMP3。オリジナルの音声ファイルをMP3に圧縮する際にはある周波数一帯がカットされ、データ的にかなりの容量がけずられてしまうわけだが、説明書きの上では、音声上の劣化が少ないものとされている。確かにそうだ、と思った人が多かったからこのように世界中で広く普及したわけだ。最近ではMP3に異論を唱え、もっと良質な音声フォーマットも次々と開発されているわけだが、しかしその普及率はMP3の足元にも及ばず、その存在すら知らない人の方が多い。
アメリカ・バージニア大学でコンピューターテクノロジーの研究をするRyan Maguireが制作したビデオ「Ghost in the MP3」は、1987年スザンヌベガによるヒット曲「Tom’s diner」をMP3に圧縮した際に、切り落とされてしまっている部分の音声を記録したものだ。音を聞いてみると、まるで「Tom’s diner」の影の部分を聴いているかのような薄気味悪さを感じるのだが、いわゆるハイエンドと呼ばれる周波数帯が残されていることが明らかに分かる。
ビデオでも同様に「Tom’s diner」のビデオを圧縮した際に切り落とされてしまった部分が映し出される。。
このプロジェクトでは、どうして私たちがMP3というフォーマットを選択してしまったのか?という問題提起が行われている。かなり皮肉っぽくもあるのだが、「Tom’s diner」という曲はKarlheinz Brandenburgというドイツ人エンジニアがMP3を開発する際にテスト音源として使った曲で、「MP3の母」とも呼ばれているのだそうだ。
via boing boing
iOSデバイスの音をコンピュータに取り込みたい場合、これまではiOSデバイスのヘッドフォン端子から音を拾うか、もしくは特別なオーディオインターフェイスを使わなければならなかった。iOSアプリでもこれを可能にするものはあるにはあるのだが設定が面倒で実用的とは言い難かった。でも今日紹介するaudiomuxアプリによって、これからは通常の充電ケーブル(30pinnもしくはLightning)1本でマックとiOSデバイスとの間でオーディオストリーミングが可能になる。
audiomuxは、先日紹介したmidimuxの兄弟アプリだ。
この二つのアプリを同時に使えば、①DAWソフトウェアでMIDIノートを書き、iOSアプリを鳴らす。②iOSデバイスの音をDAWソフトウェアに取り込む。つまりプラグインソフトウェアと同じような感覚でiOSアプリを使うことができるようになるのだ。
それではどのような方法でオーディオストリーミングを行うのか、Logic Proを使ってチェックしてみることにする。
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ローランドのTB-303を模倣したマシーンやソフトウェアは世の中に数多くあれど、ウェブブラウザーで303を再現しようとした人はいなかったはず。ディベロッパーErrozeroが開発したAcic Machineは「まだ開発中」との事なのだが、それでも303のアシッドテイストは十分に味わえる。
PropellerheadのReBirthを知っている人ならAcid Machineのコンセプトをすぐに理解することができるだろう。ウェブブラウザーでAcid Machineを開くと2台のTB-303と1台のTR-909が再現される。303のプログラミングが苦手な人は、私もその一人なのだが、まずRandamizeボタンを押してみよう。303のパターンが自動的に作られ、これを聞いているだけでもあっという間に時間が過ぎてしまう。
Acid MachineはウェブブラウザーChromeでの使用が勧められているが、FireFoxでも動作するようだ。私が試したところ、Safariでは動かなかった。
これなら昼休み中でもアシッドハウスを作れてしまう。