2015年にはいよいよApple Watch がリリースされることとなり、この先ウェアラブルデバイスが音楽制作環境にどのような影響を持ってくるのか気になるところです。iPhoneやiPadが新しい音楽制作のプラットフォームとして大成功を納めたように、Apple Watch をターゲットとして見ている音楽ソフトウェアディベロッパーも少なくはないに違いないでしょう。
Thalmic Lab開発するBluetoothアームバンドコントローラ「MYO」もウェアラブル時代の先端を行くデバイスとして期待されているものの一つ。アームバンド型センサーを上腕二頭筋にはめ、筋肉の動きを捉えることで手や腕の動きを理解していくことができるものです。価格はおよそ150ドルですでにプリオーダーも開始、ディベロッパー向けキットも用意されています。
9月にロンドンで行なわれたMusic Tech Festではこの「MYO」をMIDIコントローラとして使いAbleton Liveのループやプラグインシンセを操作するというデモンストレーションが披露されています。
筋力を使った演奏は力強く聞こえる?これもウェアラブル音楽デバイスの持つ一つの可能性でもあるように感じます。
ローランドAira System-1 が発売されてからおよそ3ヶ月経ちました。私もこのシンセサイザーを手にしてからおよそ1ヶ月経つのですが、最初はトランス系音楽でよく使われているようなザクザクとしたリード系サウンドをもっぱら得意とするシンセなのかと高をくくっていたのですが、たまたまSonicStatesのレビュービデオを見たときに 他のレビュービデオとは全く違う意外なまでにメロウで暖かなサウンドが奏でられているのを聞き、System-1 の作り出す音の幅の広さに気づかされました。それ以降はさわればさわるほどこのシンセサイザーの深みにはまり、サウンドメイキングを楽しんでいます。ちなみにその私のお気に入りサウンドはリンク先の冒頭の14秒間の部分で聞くことができます。
発売されてわずか3ヶ月ではあるのですが、System-1はすでに2回もファームウェアアップデートが行なわれています。また、「プラグアウト」に対応したソフトウェアシンセの発表もすでに2回行われ(SH-1、SH−2)、これまでにない頻度でパワーアップしていくハードウェアシンセサイザーを目の当たりにすることとなっています。
今日はこれまでのアップデートがどのようなものだったのかを中心に見ていくことにします。
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Native Instruments はTraktorのコントローラ最上位機種となるKontrol S8 のリリースが予定されているようです。詳細はまだ明らかにされてはいませんが、各チャンネルにはカラーディスプレイ・タッチストリップ・8×2のパッド・4×2のフェーダーが装備され、Remix Deck が大きくフォーカスされた作りとなっているようです。パッドのカラーは幾分渋めになってきたようです。
オフィシャル・ディザービデオでは大物DJ等によるKontrol S8 についてのファーストインプレッションが語られています。
追記・Numarkからも間もなくカラーディスプレイ付きの大型コントローラNVが出るそうですね。 こちらはSerato 専用ですが、それにしてもDJコントローラバトルはさらに加熱しているようです。
iOS 8 が本日リリースとなったこともあり、慌ただしい一日を過ごしたiOSミュージシャンが多かったようです。例によって多くのアプリがまだiOS 8に対応していないことで、すでにOSを入れ替えてしまったデバイスではかなり多くの不具合が発生しているようです。
OSアップデートの際には必ず気をつけなければいけないことですが「使っているアプリが新しいOSに対応しているのかどうかまずチェック、それから新しいOSをインストールする。」これはもう教訓ですね。
当然のこととはいえアップルのiOSアプリGarageBand はiOS 8 に対応した新しいバージョン2.0.2がさっそくリリースとなりました。iPhone 6 を数日後に運良く手にする人は問題なくGarageBand を楽しむことができるわけです。
バージョン2.0.2の新機能は以下の通り。
• iOS 8がサポートされます
• iCloud Driveとの互換性が追加されます
• コントロールバーから直接メトロノームのオン/オフを切り替えられます
• MIDI over Bluetoothを使って、互換性のある音楽キーボードとコントローラをワイヤレスで接続できます
• 安定性が向上し、不具合が修正されます
今回のiOS 8 の目玉となっているのが(ミュージシャンにとって)MIDI over Bluetooth という機能で、GarageBand がこの機能をフィーチャーした第一号のアプリとなるわけです。
残念なことは今回のバージョンから再びGarageBand は有料アプリになってしまってたことです。でも内課金だったサンプルコレクションの方は無償に変更となっています。つまり、Garagebandをすでに持っていて、サンプルコレクションを買っていなかった人が一番ラッキーなわけです。なんだか妙な操作の多いアップルです。
新しく買う人、価格は500円となっています。
App Store にて¥500
バンドメンバーと音楽制作をする場合、リミックスを依頼したり依頼されるような場合。近くに住んでいる人であるのならハードディスクを抱えて行けば数分でファイルの受け渡しができるわけですが、遠い場所に住んでいる場合、一つ一つのトラックをバウンスして、メールで送信するとか、容量によってはオンラインストレージなんかを使うのがおそらく一般的なはず。この作業がいかに煩わしいものであるのかは知っている人は知っているはずです。
しかしこれからはクラウドを通じて音楽コラボレーションをすることができるようになる時代。ミュージシャン同士が同じスタジオにいなくても、遠く離れた場所に住んでいるバンドメンバーとプロジェクトの受け渡しを行なえたり、遠く離れた知らないミュージシャンとコラボレーションを行なえるようになるようです。
そんな中で今もっとも注目されているのが Splice。
Spliceはクラウド型のストレージ環境を提供するサービスで、ミュージシャン同士がDAWソフトウェアで作ったプロジェクトファイルの受け渡しを簡単に行なえることができるようになるものです。例えばAbleton Live で作ったプロジェクトをSpliceにアップロードすることによって、違う場所からでもそのLive のプロジェクトを開くことができるようになります。プロジェクトファイルの中には使用しているオーディオファイルも含まれているので、ファイルの損失によって時間を奪われることもありません。使用しているプラグインソフトウェアも自動的に検出され情報が提示されます。アップロードやダウンロードの方法もスイッチを一つ二つ押す程度のシンプルなもので操作はとても簡単。そして、現段階で対応するソフトウェアはAbleton Liveのほかに、Logic Pro X、 FL Studioなど、これまで使ってきたDAWソフトウェアをそのまま利用できるのもSplice の優位な点です。
Splice はまだパブリックベータバージョンの段階ではあるのですが、昨日のニュースによると、450万ドルの投資金を得たとのこと。これだけの投資金額を持っていることや、有名アーティストによるサポートを得ているともなれば、この夢のスタジオ環境はさらに素晴らしいものとなり、私たちの音楽制作に定着していくのかもしれません。興味ある人はパブリックベータバージョンを試してみてください。
さらに、Splice の新しい機能としてSplice DNA Player も紹介されています。これはコラボレーションと関係のあるものではないようですが、DAWソフトウェアで作ったプロジェクトと同じようなビジュアルでトラックを公開することができるもののようです。トラックの中にはコメントを書き残すこともでき、簡単に言ってしまえばSoundCloud のDAWバージョン(?)といったところなのかもしれません。トラックの中でどのようなサウンドが使われ、どのようなプラグインが使われているのかといった情報も把握することができ、まるでオーケストラのスコアを目で追いながら音楽を聞くかのようなリスニング経験を提供してくれます。このSplice DNA Playerの第1弾として公開されたのがTiëstoレーベルの新人Henry Fongと J-TrickによるScreamというトラック。⬇️の画像のアレンジビュー部分をクリックしてみてください。