エレクトロ・ヒップホッパー、ピアニスト、プロデューサー、ソングライターと、多様な才能を発揮して活躍をするチリー・ゴンザレスが人気ポップ音楽の秘密を解き明かす「音楽マスタークラス」。ドイツのラジオ局「1 Live」による制作。日曜日の夜に観るには最高のチルアウトビデオでもあります。今回のビデオではダフトパンクの「Get Lucky」の秘密を探ります。(ちょっと古くなってしまいましたが)
「Get Lucky」の大本となっているのが4つのコード(Bm>DM>F♯m>EM)なのですが、このコード進行はダフトパンクが昔から得意とするコード進行で、「Around the World」という以前のヒット曲にも使われていたものだったそうですが、Get Lucky でもおよそ6分間このコード進行が使われています。ちょっと怠慢なのでは?とも思われる部分でもありますが、クラシック音楽ではオスティナートと呼ばれている技法でもあり、この循環するコードにシンコペーションを加えることによってリズムに高揚感を与えています。
ブリッジの部分(Bメロ)では、循環するベースラインにボーカルラインが全く同じパターンでハーモニーを作っていきます。かつてエルビスプレスリーによる「Can’t Help Falling In Love 好きにならずにいられない」でも使われていた同じ技法です。
とはいえポップ音楽ではやはりサビが肝心。この曲のサビでは「Get Lucky♪Get Lucky♪」と歌詞の部分でも同じ旋律が繰り返されることと、リズムにもさらに盛り上がりも加えられることによって、聞いている私たちに楽しくキャッチーでラッキーな感覚を与えてくれるのです。
「音楽マスタークラス」ではこのほかにもTaylor Swift のShake it off やIggy Azalea のFancyについてのビデオもあります。https://www.youtube.com/playlist?list=PLL4iOQ3Gw7L9eyCJ8EnkZgO0p1AzdrRqN