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世界で最も有名なクラブの一つとされるドイツベルリンの「トレゾア」。ベルリンの壁崩壊から間もない1991年に開業、東西統合の象徴としても歌われることもある伝説のクラブだ。今なお人気クラブの一つとして存在するトレゾアだが、2000年前のカリスマ的な輝きは失われつつも、東ベルリン時代の火力発電所を改造したおよそ8000㎡のイベントスペースを有する「巨大さ」はやはりカリスマクラブというにふさわしく、一度訪れたら忘れることのできない独特なオーラを放っている。

人気音楽ウェブサイトFACTは、この「トレゾア」のオーナーDimitri Hegemann が現在アメリカデトロイトを訪問中というニュースを報じている。

Dimitri Hegemann が訪れた元自動車部品工場Fisher Body Plant No. 21 は、ほとんどすべての壁に落書き、半分以上の窓は破壊され、ガラスの破片やアスベストが至る場所に散る廃墟ビル。しかしDimitri Hegemannはこの廃墟ビルをシリアスなテクノクラブに改造することに意欲的だ。この荒廃した様子はかつて彼がドイツベルリンで「トレゾア」を作った時と同じような状態だと言う。

Dimitri Hegemann はこの後にデトロイト市の役人との面会をし、この廃墟ビルの再開発に関する提案を行った。具体的な交渉までには至ってはいないようだが、敷地購入という選択肢は残されているそうだ。

しかしDimitri Hegemann が乗り越えなければいけない問題はまだ多くある。クラブについて否定的な規制取り締まりの存在。失業問題、人種問題、犯罪問題など多くの社会問題抱えるデトロイトの住民がそろって巨大クラブの誕生を喜ばしく受け入れることができるのかどうかという点については疑問が多い。

また、デトロイト市では午前2時以降のアルコールの販売提供が禁止されている。夜中の12時にクラブが開店し、午前1時30分になって人々がやってくるベルリンのクラブシーンとは状況が異なる。しかしDimitri Hegemann は「夜はクリエイティブな人々のための時間なのだ」と強調する。では、午前中から午後にかけて営業するアフターアワーパーティというコンセプトはどうなのか?という問いに対してはDimitri Hegemann は「ヨーロッパ人として言うのであれば、それは全くありえない」と答えている。

デトロイト市は2013年7月に財政破綻。負債総額は180億ドルを超え、アメリカ自治体としては過去最大のものとなっている。一方、デトロイトの音楽産業は2013年では10億ドル相当の売り上げを記録している。

 

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