タブレットと音楽制作の相性は思った以上に素晴らしいものでした。今や数えきれないくらいの音楽アプリがリリースされ、楽器屋を覗いてみても関連機材を頻繁に目にします。特に、タブレットをDAWソフトウェアのリモートコントローラとして使うことや、外出先でもスマートフォンにメロディーやリズムパターンのデッサンを書き込むことができるようになったのも素晴らしいことです。数十年前では考えられなかった機能を数百円で手に入れられるということを考えてみても、これからの世代のミュージシャンはここがスタートポイントともなるのでしょう。
しかし現在のタブレットの欠点といえば平面なスクリーンに表示されるバーチャル鍵盤やバーチャルノブを操作しなくてはならないところ。指の大きさや、指使いの繊細さは個人差はあるものの、もっと直感的な操作をしたいというのが大概のミュージシャンの本音なのではないでしょうか。やはりそこで必要なのはタブレットやスマートフォンに対応するコントローラでしょう。
たとえばNative Instruments はTraktor DJ とそのコントローラKontrol Z1 、NovationはLaunchpad App/Launch Key AppとそのコントローラLaunchkeyをリリースしており、すでにこのブログでもレビューしているように、アプリとコントローラを合体させることで一つの立派な楽器として成り立つ素晴らしい完成度 と個人的には感じています。
(さて、前置きが長くなりましたが)今日、紹介したいのはmikrosonicというメーカーがリリースしたRD4 Grooveboxというアプリ。シンセ・ベース・ドラムマシン×2 これらの音源を組み合わせながら音楽を構築していくことができるアプリで、PropellerHeadのReBirthと似たようなアイデアのアプリです。インターフェイスがとてもシンプルなので操作も簡単。ちょっとさわり始めるとあっという間に時間が経ってしまいます。
このアプリの素晴らしいところはMIDIコントローラに対応しているというところで、Novation LaunchKey MINI には完全対応。iPadにLaunchKey Miniを接続し(カメラコネクションキット要)RD4を立ち上げると、設定などは一切なしで操作を始めることができます。
LaunchKey Miniのツマミを使ってミキサーフェーダーの操作やシンセパラメータを操作することができたり、 Launchkeyのパッドをステップシーケンサーとして使いドラムパターンやベースラインを作ることもでき、特にこのステップシーケンサーがかなり良いのです。RD4 の楽しさが倍増します。
下のYouTubeビデオでそのアクションを見てみて。
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3月末にリリースされるという新しいiOSアプリMosaik。16トラック×32スロット、オーディオループからBPMを自動的に検出し、ワープ機能を使ったタイムストレッチを行いながらトラックを構築していくことができるアプリのようです。DAWソフトウェアというよりもリアルタイムに演奏をするDJソフトウェア的なもののようで、いわばiOS版 Ableton Live? それともiOS版 Cubase Loopmash? といえそうです。
最新のiOSディバイスは64ビットのプロセッサーを搭載していることもありかなりハイクオリティなパフォーマンスが期待できるわけですが、Mosaikのリアルタイムタイムストレッチが果たしてどのようなクオリティなのか注目してみたいと思います。
Features at a glance
- Audio import of samples or whole songs via iPod Library
- Beat-Signature-Analyzer for making beat-exact loops automatically
- High-Quality Time-Stretch Engine based on granular synthesis
- Audiobus support
In the Future
- Transient Detection for Attack-Phase loop-protection
- 16×32 Slots (16 Tracks / 32 Slots per Track)
- Built-In Effects
- Live-Input Beat-Signature + Transient Detection
- Much much more …
Mosaikの開発元であるNDVRはタッチセンサー付きキーボード「EVO」で話題になったメーカー。その「EVO Series One」の価格が大幅に下がり現在$199!!
コルグ Gadget for iPad はガジェットと呼ばれる15のシンセサイザーとドラムマシンを使い、自由に演奏したり組み合わせてダンスミュージックの音楽制作を行うことのできるアプリ。今年の1月末にリリースされてから、現在もアップルストア(音楽カテゴリー)では第一位。発売記念価格25% オフは3月31日まで延長になっています。
ガジェット
15種類のガジェット(ドラムマシン・PCMシンセサイザー・モノシンセサイザー・パーカッションシンセサイザー・チップシンセサイザーなど)これら新たにデザインされた様々な音源を使うことができる所がこのアプリの大きな特徴で、そのサウンドとルックスがそれぞれ個性的でカッコいいです。ガジェットにはLondon、Chicago、Berlin、、などといった世界都市の名前がつけられており、インターナショナルな匂いが漂うあたりも素敵です。おそらく、これを作っていたコルグの開発チームの方々が一番楽しかったのでは!
インターフェイス
個人的に一番感心したのはインターフェイスの部分です。縦向きのインターフェイスは2分割され、『上でソングをコントロール、下でミキサーをコントロール』したり『上でシーケンスをコントロール、下でガジェットをコントロール』することができ、これまでのiOS DAWアプリではあまり味わったことのないワークフローの良さを体験することができます。
MIDIノートやオートメーションの書き込み・編集もスムーズに行うことができます。MIDIノートを書き込みたい時には書き込みたい場所をタップ、MIDIノートを消去したい時にはそのMIDIノートをタップ、MIDIノートを長くしたい時にはMIDIノートを右に引っ張ることで長いノートを書き込むことができます。ベロシティやモジュレーションの値を変えたい時にはベロシティのコーナーをタップすることで画面は大きく表示され、ここでも簡単な編集を行うことができます。
(例えばCubasisのようなDAWアプリではMIDIノートの編集を行う時には鉛筆ツールや消しゴムツールに持ち変えなければいけなかったりします。またベロシティの編集を行う際には狭いスペースの中でベロシティ値を動かさなければなりません。Gadgetの場合ではこの辺りがとてもスマートに設計されていることに気がつきます。)
個人的なリクエスト
さて、個人的な今後のアップデートへのリクエストですが、ぜひInter-Appに対応してもらいたいです。このワークフローの中でGadget以外の音源を使うことができたらより楽しくなるのでは?
また、こんなシーケンサーアプリがあったら面白いような気がします。Inter-App対応、MIDI クロック、MIDI CC対応だったらかなり使えそうじやないですかね?
サポート
さて、このアプリのサポートの方もとても親切で、FaceBook やTwitter のKORG Appページでは「Gadget Tips」が随時紹介されています。個人的に一番気に入っているのはTip(2) ソングの名前を自動的に付けてくれるという機能。コンピューターで曲作りを始める時には当然自分でやらなくてはならないことなのですが、コレが本当に厄介だったりするのは私だけでしょうか?コルグGadgetではランダムボタンを押すと、(本当にランダムではあるのですが) ちょっと意味深な言葉(英語)を表示してくれます。
これって今までどこかにあった機能なんですかね?
マスタークイズ
もうすでにGadgetマスター!と自称する方々はYou Tube チャンネルMee Zanookによる「Gadget マスタークイズ」(下)にチャレンジしてみてください。クイズは全20題、答えの方もビデオの中にあります。
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今月末Kymaticaより発売されるiPadアプリ「SECTOR」はストカスティック・サンプルスライス・シーケンサーと呼ばれるもので、1つのサンプルループから様々なバリエーションパターンを作っていくことのできるアプリです。
読み込んだサンプルは32に分割され「セクター」に並べられます。各「セクター」からは別の5カ所の「セクター」にジャンプすることが可能で、時にはカオスのようなパターンになったり、思いもよらないクールなパターンができたりするようです。
「Warpセクション」では各セクターがどのような再生方法をするのか設定することができ、逆再生であったりモジュレーションをかけるようなことができるようです。
通常シーケンサーというと左から右にステップが進んでいくという固定概念がありますが、円型のシーケンサーを前にすることで今までとは違った楽しみ方を味わえそうです。
iPad専用の新しいDJアプリPacemakerがリリースされたばかり。NI Traktor DJのようなプロフェッショナル向けのアプリとは違い、初心者の人でも気軽にDJミックスを楽しむことができる作りになっています。なんといっても価格がフリーというのがすばらしいところです。
2つの曲にテンポを自動的に合わせることのできるシンク機能や、イコライザー機能を装備。また、アプリ内でエフェクターを追加購入することもでき、現在用意されているエフェクターはLoop、Beatskip、Echo、Roll、Reverb、Hi-Lonoの6種類、各200円、バリューパックとして6種類のエフェクターを1000円で購入することが可能です。
インターフェイスもシンプルでクール。中央にはフェイク・ターンテーブルが表示され、このターンテーブルをタップすることでスクラッチのようなことができたり、中央にあるSYNCボタンをおすことで二つの曲のテンポを合わせることができます。イコライザーを操作するにはターンテーブル中央にあるFXボタンを押します。
と、ここまでは割と普通の話ではありますが、このアプリのもっとも凄いところはSpotifyの曲もミックスすることができるところです。
Spotifyとは何か?を簡単に説明しておくと、欧米ではすでに2000万人のユーザー持ち、1500万曲を超える楽曲をフルコーラスで無料で聞くことができるサービスです。音質の方は、有料プランであるならば320kbpsのクオリティで提供されます。
これまでiPadのDJアプリというとiTunesに取り込んである楽曲をミックスしていくのが大方だったわけですが、このPacemakerはSpotifyをサポートしていることで、たとえば、DJプレイをしている最中に突然MADONNAの曲をリクエストされても、そのリクエストにすぐに答えることができるのです。そんなときにはPacemakerのSpotify検索ページからMADONNAを検索すると彼女の楽曲が表示され、プレイしたい楽曲をタップするだけでターンテーブルにデータがとりこまれ、プレイボタンを押すだけでオッケイ。もちろんここで必要なものはスムーズなインターネットの接続です。
また、このPacemakerにはDJプレイ内容をレコーディングするREC機能も装備してありますが、Spotifyの楽曲をミックスしている際には著作権の問題によってこの機能は使うことができないことになっています。
特に、ハウスパーティや結婚式の2次会のような場所においては大活躍するに違いないDJアプリPacemaker。楽曲を購入しなくてもDJプレイを楽しむことができるという夢のようなアプリでもあります。
残念ながら日本ではまだSpotifyはサービスが開始されていません。しかし今月2月17日には講談社本館講堂においてSpotifyによるキーノートスピーチが予定されているそうで、Spotifyの日本市場参入がいよいよ現実となるのかもしれません。このDJアプリPacemakerが日本で活躍する日もそう遠くはなさそうです。
App Storeにて無料
NAMM 2014にてFocusriteはiPad専用オーディオ・ドッキング・インターフェイス Focusrite iTrack Dockを発表します。
Dock型のオーディオインターフェイスはとても便利なもので、iPadを差し込むだけでしっかりした音の出力ができるようになったり、マイクやインストゥルメントの入力、MIDIの入出力を行え、プロ・クオリティのレコーディングを可能にするものです。作業している最中でもバッテリーのチャージを行えるのも便利だったりします。
ここで思い出すのが数年前にAlesisがリリースしたio Dockなのですが、ある時からAppleがLightningコネクタに変えてしまったことでAlesis io Dockは古いタイプのiPadにしか対応できないものとなり、一部のiPadユーザーはショックな体験をしているところですが、Focusriteはその問題を解決しています。
Focusriteといえばプリアンプ、、と言っても過言でない、そんなハイクオリティなプリアンプを備えたiTrack DockはLightningコネクタと30ピンコネクタに対応。iPad Miniにも対応しています。
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