auxy1

 

iPadビートメイキングアプリ「Auxy」は、4つのパート(ドラム・ベース・シンセ1・シンセ2) を使い、それぞれにノートを打ち込んでいくとてもとてもとてもシンプルな作曲ツールです。

4つのパートというシンプルさはPropellerHead Figure と似ている部分ではあるのですが、「Auxy」にはパッドを押さえれば自動的にフレーズを演奏してくれるような機能は付いていません。

ではこのアプリの何が凄いのか?

答えはピアノロールエディターにあるのです。

最近のiOSアプリ(Apple GarageBand、Steinberg Cubasis、Korg Gadget、AKAI iMPC Proなど)にもピアノロールエディターは搭載されていて、コンピューターDAWソフトウェアと同じようなMIDIノートの打ち込みが出きるわけですが、問題は、たくさんの機能が詰め込まれすぎていたり、サイズがやたらに小さかったりするなど、操作方法はどんどんと複雑になって行く傾向があるところです。例えばMIDIノートを消去したい場合では、DAWソフトウェアならば消しゴムツールを使うなり、ノートをダブルクリックするればどうにかなると分かっていることでも、iOSアプリの場合はノートをロングタップしなければならなかったり、シングルタップしなければならなかったり、操作方法は各アプリによって異なり、打ち込み初心者にとってはかなり苦痛となるところでしょう。ベテランであってもイライラするところに違いないでしょう。

Auxy の場合、これがかなりスムーズ。

まず、各パート名の部分(青、緑、紫、ピンク)をタップすると音色を 選ぶことができます。パート名のすぐ下をタップすると「+」と表示され、これをタップすることでピアノロールエディタが表示されます。

ここにシーケンスパターンを1小節から4小節書き込んでいきます。ピアノロールエディタには実際のところピアノ鍵盤らしきものはどこにも表示されてはいないので試しに音をならしてみるようなこともできないのですが、凄いのは、書きやすさ、消去のしやすさ、見えやすさ。これまでのどのiOSアプリにはなかった快適な操作です。インターフェイスデザインの美しさは、さすがスウェーデン産。

書き込みが終わったらDONEボタンを押します。

 

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PPG-WaveMapper-2-for-Mac-And-PC-1

 

80年代の伝説のシンセサイザーPPG WAVE の開発で知られるWolfgang Palm 氏による、新しいプラグインシンセサイザーWave Mapper 2 がリリースになりました。Wave Mapperはウェーブテーブル方式と、「TSG」という新しい合成方式を搭載したシンセサイザーで、昨年iPadアプリとしてリリースされ、各レビュー等でも多くの好評を得て来ました。実際のところ、このディープで複雑なシンセサイザーの仕組みを理解するには大変な時間を要するのですが、Wave Mapping という革新的なUI によって、8個のパラメータアイコンをスワイプ操作し、マップに配置していくだけで簡単に様々なサウンドが作れる仕組みにもなっています。Mac/WindowsバージョンとしてリリースされたWave Mapper 2ではさらに多くの機能を加え、音色合成の可能性もさらに広げられています。サウンドは前衛的、いままで聞いたことのなかったような質感のサウンドも多数。価格$99、WaveMapper 2 と WaveGenerator 2 のバンドルセットは スペシャルプライス€149 で提供中(11/25まで)

 

 

 

  • 3 Audio Oscillators
  • Up to 16 resources assembled within a WaveMap
  • Audio engine with 4 synthesis modes, and variable wave blending quality.
  • 
3 Noise generators, for audio and modulations
  • Classic 24 dB Lowpass Filter, combined with an overdrive simulation.
  • Dual amplifier, for versatile control of 2 audio signals as well as panning.
  • 13 Envelopes, for control of pitch, waveform, filter, noise, gain, ringmod, and panning
  • 4 LFOs
  • Analysis of your own samples and conversion into wavetables and time-corrected samples.
  • Powerful Step Sequencer with playback arpeggiator
  • 
Delay/Reverb effect
  • 
Directly accessible context help for each module
  • Free configurable schematic keypad, with extremely expressive modulation possibilities.
  • Ribbon controller to bend the pitch to variable intervals
  • 4 Keyboard Modes, including mono and poly portamento.

 

Wolfgang Palm

 

 

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volcasample

 

かわいいVolca、たのしいVolca、間もなく発売開始となるコルグVolca シリーズのニューファミリー、サンプルシーケンサーVolca Sample。発売を前に、「Volca Sample イントロダクションビデオ」と専用iOSアプリ「Audio Pocketイントロダクションビデオ」2種類のオフィシャルビデオが公開されています。

「Volca Sample イントロダクションビデオ」では、一つのサンプルサウンド(エレクトリックピアノ)から、キック・ハイハット・ベース・リムショットの音を作り出し、シーケンスパターンを作っていく様子が紹介されています。

Volca Sample では11個のパラメーターノブ(START POINT、LENGTH、HI CUT、SPEED、EG INT、Pitch ATTACK、Pitch DECAY、AMP LEVEL、PAN、Amp ATTACK、AmpDECAY)を使ったサウンドエディットが可能、さらにはこれらのノブを動かした情報を記憶するモーションシーケンス機能が大きな特徴となっています。また、これらのパラメーターをMIDI CC を使うことによって外部シーケンサーからコントロールすることも可能となっています。

 


Volca Sample におよそ100個のサンプルサウンドが内蔵されていますが、自分の身の周りの音をサンプリングしたい場合にはiOSデバイスと専用アプリ「Audio Pocket」を使うことが必要になります。Android ユーザーはコルグ宛に嘆願書を書きましょう。

専用アプリ「Audio Pocket」のイントロダクションビデオでは可愛らしい子供の声がiPhone でサンプリングされ、サンプルデータをエディットしています。iOSデバイスのヘッドフォン端子とVolca のシンクイン端子を接続することでデータの転送が可能になっているようです。Volca Sample のサンプル容量は4MB(最大65秒)、サンプリング周波数は31.25kHz、16bitとなっています。

 

 

サンプル容量が4MB(最大65秒)と、今の時代らしくはないスペックではあるのですが、こんな制限があるからこそ、コンピューターに慣れきってしまった人はもう一度、工夫をこらして音作りをする楽しみを味わえるのではないでしょうか。初めてサンプラーを手にする人はモーションシーケンサーを使ってじゃんじゃん音を加工してみてください。他の人とは全く違う音を作ることのできるチャンスです。他のVolca ファミリーと並べてジャムセッションを行なえばさらに楽しいこと間違いなし。

 

KORG

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WretchUp1

 

ドイツのテクノデュオ、マウスオンマーズが手がけたアプリWretchUp がリリースされました。WretchUp はボイスチェンジャー・エフェクター。厳密に言うとピッチシフターとディレイが合わさったようなエフェクターで、iPhoneやiPad のマイクロフォンに向かって歌ったり叫んだりした声がアナーキーに加工され、スピーカーからならされます。大声を出しながらパラメーター(ディレイタイム・フィードバック・フィルター・フリークエンシー)を上げ下げするのが一番楽しい使い方かもしれません。または録音した音を再生しながら、スピードノブをグルグル回してみるのも楽しいです。もちろん声以外、リズムループやシンセサウンドに使ってみるのも楽しいです。

WretchUp2

 

iPhoneでもiPadでも使えるユニバーサル仕様ではありますが、「iPhone片手持ち」で使った方がライブでの見栄えは良いかもしれません。

実験的、電子的、ドイツ的ユーモアあふれる、やんちゃなニューアプリ。

 

 

App store にて¥400

MOM Instruments

 

 

 

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modulares_interface_15

 

iPadやiPhoneのタッチスクリーンは確かに便利なものですが、ここぞという時の音楽的表現には物足りないものがあります。以前、このブログでもTuna Knobsという吸盤付きのノブを紹介したことがありましたが、インターラクションデザイナーFlorian Bornのアイデアはもっと大胆でクール。

アルミ製のフレームと3種類(ノブ・スライダー・スイッチ)のコントローラモジュールでiPad を覆うことによって、iPadをフィジカルインターフェイスに変えてしまうModulares Interface B.A。タッチスクリーンに「触れる」感覚を与えることがコンセプトとして作られたことが強調されています。

確かに、これならiPadを大胆にコントロールできそう。でもここまでしてiPadを使う意味があるのだろうか、、と、ぼそり。

 

modulares_interface_01-800x500

 

製品化についての情報はいまのところないようです。

 

Modulares Interface B.A

via Synthetopia

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何ヶ月か前にティザービデオが公開され、注目を集めていたサンプラーアプリ「STROM」が発売になりました。

Elektron のドラムマシン Analog Rytmと接続することによって、サンプルエディター・パラメーターコントローラ・パターンジェネレーターとして使うことができるようにるアプリで、Analog Rytmを持っている人ならば絶対試してもらいたいものです。でも接続の際にはさらに内課金制でアップグレードが必要(2000円)になるので注意が必要です。

私は残念なことにAnalog Rytmをもっていないので、このアプリをスタンドアローンモードで試してみました。

STROM をスタンドアローンモードで立ち上げるとサンプルスライサーとして機能します。サンプルをインポート/エクスポートするにはAudioShare またはAudioCopyを使うことができ、また、iPadのマイクロフォンからサンプルレコーディングすることも可能になっています。

サンプルスライサーばすでに様々なアプリに搭載されているスタンダードな機能ですが、STROMのサンプルスライサーはひと味違います。スライスをタッチしていくことでシーケンスフレーズのような、アルペジオフレーズのようなものを作っていくことができます。

操作も極単純で、スライスをタッチした順番通りに音が再生されていく仕組みになっています。例えばスライス①を3回タッチした後にスライス③をタッチすると、①①①③の順番で音が再生されていくことになります。

スライスの数を多めに設定し、ランダムにタッチするだけでも摩訶不思議なアルペオパターンが作れたりもします。波形の下半分をタッチすると逆再生になったり、ピッチスイッチを入れると再生ピッチを変えることもできます。

作ったパターンをリサンプリングしてさらにスライスしていくことも可能で、永遠にリミックス作業を続けていく、なんてこともできるわけです。

確かに、Elektron のAnalog Rytmと接続してこそこのアプリの良さが100%発揮されるので、すべての人にお勧めできるものではありません。でも伝統的なループスライスに飽きて来てしまった人はぜひ試してください。このアプリにUNDO機能やMIDIクロック機能が付いたなら、さらにおすすめしたいアプリではあります。

 

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