ムジークメッセ2013ではAlex 4というヨーロッパ最大のアナログマシンのディストリビューターのブースに展示されていたMidiclock。
このMidiclockはタバコの箱をちょっと太くした位のサイズのボックスで、これを使うとDAWソフトウェアとドラムマシンの安定した同期が可能になる「Midiクロック生成マシン」。
DAWソフトウェアが生成するMidiクロックは実は不安定な物で、微妙ながらもそのテンポに揺れをつくってしまうジッターという問題。たとえばBPMを120に設定していても実際のところは平均でBPM119.98になってしまうとか、ほんの0.02の違いではあっても、常にタイトなリズムを好むミュージシャンにとってこれは大敵。
このMidiclockをマスターにして、DAWソフトウェアとドラムマシンをスレーブ演奏させてみると、今までのルーズな同期演奏との違いに驚かされます。ノブを回すとBPMを変えることができるのですが、急激な変化でも混乱を起こしません。
Midi Out ×2 電源はUSBから。195€
ムジークメッセ 2013 : 佐野信義氏率いるDetuneは、ニンテンドー3DS 専⽤ソフトウェア「KORG M01D」を展示していました。この「KORG M01D」は、1988年のシンセサイザー「M1」をモデルとしたニンテンドーDSのソフトウェア「Korg M01」のリニューアルバージョンで、今回は「M1」のサウンドに加え、1991年のシンセサイザー「KORG 01/w」のサウンドも収録し、コルグファンとしては嬉しい内容になっています。懐かしのあのピアノの音もSFXサウンドも収録されています。
ニンテンドー3DSへの最適化(3D画面はあまり意味のある物ではないようですが、)、最大発音数は12音から24音に拡大され、SDカードへのセーブ、MIDIデータの出力も可能になっています。
しかしこのソフトウェアは「80年代へのノスタルジー」だけではではなく、内蔵する8トラックのシーケンサーとカオスパッドを使ってライブ演奏をできるのが面白いところ。それも、ニンテンドー・ゲームマシンのタッチスクリーンとタッチペンを使う操作は、他では見かけることのない21世紀のライブスタイル。このゲームマシンを音楽制作に使うというアイデアも佐野氏ならではの光るセンス。
「KORG M01D」はニンテンドー eShopを通し世界各国からの購入も可能になるということもあり、世界様々なメディアからの注目も集めている様子。シンセファンにはおなじみのCreate Digital Music (アメリカ)とDe:Bug(ドイツ)の二人のライター(画像上)も「ムジークメッセの他のブースとは全く異なった、日本ならではのアプローチ」に歓喜していたようです。確かに。これぞ「クールジャパン」。CDMの「KORG M01D」関連記事はリンクよりどうぞ。
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ムジークメッセでは見落としてしまい実物を見て来れなかったのですが、ZOOMは「マイクユニットを交換することができる世界初のハンディレコーダー」H6の発表をしています。6チャンネル同時録音が可能なH6にはXYマイクとMSマイクが本体に付属、ショットガンマイクと外部入力ユニットXLR/TRS inputはオプションとなるようです。6-in/2-outのUSBオーディオインターフェイスとしても機能。本体の正面に付いている4つのゲイン・ノブがナイス。価格、発売時期は未定。
- XY mics capture stereo depth and clarity
- Mid-side mics provide continuously variable stereo width
- Four XLR/TRS inputs for external mic/line connections
- Up to six channels of simultaneous recording
- High-definition audio of up to 24-bit/96kHz
- 6-in/2-out USB audio interface
- Over 20 hours of operation with 4 AA batteries
- Supports SDXC memory cards up to 128GB
- Optional Shotgun mic and external XLR/TRS inputs available
ドイツベルリンのアナログシンセメーカーJomoxが発表したユーロラックタイプのドラムモジュールModBase 09とModBrane 11。ムジークメッセ2013の会場では、ドラムパッドを使ったモジュールサウンドの演奏、Jomox XBASEを使ったシーケンス、プラス、Doepferのテルミン・モジュールを使ったデモンストレーションを見せてくれました。このセットアップ、個人的にはかなりの好み。モジュラーシンセと正面から向き合ってパッチングしていく「実験室」のような雰囲気とは違い、「音楽を演奏する」というアプローチをとることができるのはモジュラーシンセの新しい境地。ニューYMOはきっとこのあたりから生まれてくるのでは? 残念ながら会場のモニタースピーカーはごく小さいもので「jomox極太サウンド」を味わうことはできませんでしたが、jomoxならばその部分に関しては全く問題ないでしょう。
昨日のムジークメッセ訪問から一夜明け、強く記憶にあるのは、コルグが発表した3種類のグルーブボックスVOLCA。ドラムマシンに特化したVolca Beats、リードシンセに特化したVolca Keys、ベースシンセに特化したVolca Bass。3種類のVolcaにはタッチパネルを使って操作することのできるループシーケンサーが内蔵し、内蔵小型スピーカーや乾電池でも動作するコンパクトなデスクトップ型マシン。アナログ音源(Volca Beatsは+PCM音源)を搭載し、操作はいたってシンプル。ややショッキングな色。MIDI入力にも対応してくれているのは凄く納得。Synct端子を使えばVolca同士、Monotron、iOSアプリSyncControlアプリを使った同期が可能になります。ヘッドフォンアウトプットしかないという不満も中にはあるようですが、個人的にはあまり気にはなっていません。価格がそれぞれ$150に設定されていることにはとにかく驚かされます。
3種類のVolcaはそれぞれのボディの色が違うだけでなく、ノブの位置、大きさも異なっています。新しく採用されている大きなツマミは操作がしやすいのですが、小さい方のツマミを操作するには手を小さく丸めなければなりません。タッチパネルは大胆な金色が使われ、さわり具合はとてもツヤツヤとしていて、指を左右に滑らしながら操作できるのがとてもよく、Monotronの小さなリボンコントローラと比べた時との大きな違いです。
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