フィンガードラムの達人 Jeremy EllisによるNI Maschine Studioのデモンストレーションビデオ。どこまでシーケンサーを使っているのか、どこまでがリアルな演奏なのかわからないのですが、どちらにしても、一発取りのパフォーマンスのようです。たった16のパッドでここまでの演奏ができるのって凄くないですか?とくにビデオ0:30~あたりの和音奏法や、2:20~あたりのテンポチェンジするあたりがグッときます。ビデオではドラムサウンドにMaschine Drum Synth、シンセサウンドにはNI MassiveとReaktor Prismが使われているようです。
もう一つのビデオは2010年の初代Maschineのプロモーションビデオですが、MaschineもJermy Ellisもまだ相当すっきりしています。こっちの方はシーケンサーを使っていないヒューマンビートクロックの様子。おそるべしMaschineマイスターJermy Ellis。
Maschine のサンプリング機能もとてもパワフルです。たとえばお気に入りのレコードからフレーズをサンプリングすることや、マイクで自分の声を録音するなど、これまでのサンプラーと同じような使い方はもちろんですが、Maschineで作ったパターンをリサンプリングすることでもっと手の込んだサウンドを作ったりすることもできます。またハードディスクに入っているオーディオファイル(AIFFかWAV)をMaschineで読み込み編集していくことももちろん可能です。サンプリングしたデータはスライス機能を使うことですぐに切り刻むことができ、コントローラのパッドに自動的にならべられるのですぐに演奏にとりかかれます。
Maschine 2.0ではインターフェイスの改善にともない、サンプリングのページも大きく改善しました。機能的なところでは、スライスしたデータとデータの間にギャップを作ることができるようになったり、データ間をオーバーラップすることができるようになったことです。
Maschineのサンプリングは特別に複雑なものではありませんが、とくにビギナーの方々からはよく質問を受ける部分です。一度覚えてしまったら操作は楽になるので、ここでもう一度サンプリングの仕方を説明しておこうと思います。たとえばここではターンテーブルを接続してレコードの音をサンプリングしたいと思います。
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NI Maschine 2.0 ではソフトウェア内でのオーディオ・ルーティングが円滑になり、これによってサイドチェイン機能が使えるようになりました。サイドチェインとは昨今のエレクトロニック音楽制作では多く使われているテクニック。例えば、同じような周波数を持つキックとベースが同時に鳴ってしまうと音がぶつかり合い、音が詰まってしまうことがあるわけですが、ベースにコンプレッサーをかけ、キックの音でコンプレッサーをトリガーすることによってキックが鳴っている間はベースの音量を絞ることができ、音圧を稼げることになるのです。
ベースだけでなくパッドなどディケイの長いサウンドにも使われることが多く、キックが鳴る間はパッドの音量が絞られることによって、ある種のグルーブを作ることができます。
Maschine 2.0では Compressor Maximizer Limiter Gate Filterの4種類のエフェクターにこのサイドチェイン機能が付き、またサードパーティ製プラグイン(AU/VST)でもサイドチェインに対応したものであれば、ルーティング可能になっています。
それでは例としてMaschine 2.0にロードしてあるキックの音を使って、NI Massiveのパッドサウンドにサイドチェイン・コンプレッサー掛ける方法を説明していきます。
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NI Maschineをプラグイン・モードとして使ったとき、DAWソフトウェアにMaschineの各サウンドを個別に出力することができる「マルチアウトプット機能」。この機能を使えばDAWソフトウェアで各サウンドにエフェクターをかけることができたり、ミックスをすることができるようになるだけでなく、Maschineでのライブ演奏もインストゥルメント別に録音することができるようになり、とても便利な機能となります。一度に出力できるチャンネルは16。Maschine 2.0からの新機能ではありませんが、Ableton LiveとLogic Pro X を使った例をここで見ておくことにします。
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Macro Control
NI Maschineのもっともパワルルな機能「マクロコントロール。」まずこの「マクロコントロール」がどのようなものか簡単に説明しておくと、たとえば、プレイ最中にフィルターを動かしたいとか、エフェクトの量を変えてみたいとかあると思うのですが、そんな際にいちいちフィルターのページに飛んでフィルターのパラメーターを探して、動かして、、というのでは大変な作業になってしまいます。そこで、事前に必要なパラメーターだけを一カ所にまとめて管理しておくことができるのが「マクロコントロール」という機能です。つまりパフォーマンス最中でもマクロコントロールのページを開ければ、コントローラのノブを使って、フィルターを動かしながらエフェクターも同時にコントロールするようなことができてしまうのです。
これまでのMaschineでは、マクロコントロールは各「グループ」に8つまでのパラメーターしかアサインすることができなかったのですが、新しくなったMaschine 2.0 では「グループ」の層だけでなく、「マスター」「サウンド」すべての層にこのマクロコントロールの機能がつけられています。また、アサインできるパラメーターの数は無制限になっています。
このようにMaschine 2.0 では制限が少なくなった「マクロコントロール」ではありますが、設定方法も大きく変更になっています。これまではマクロコントロールに持って行きたいパラメーターを右クリックすれば設定が完了していたのですが、Maschine 2.0ではマクロコントロールページからの設定をしなければならなくなっています。いままでのMaschineに慣れているユーザーはちょっと戸惑うところなので、設定方法を簡単に説明しておきます。
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いよいよ11月1日に発売になるNative Instruments Maschine StudioとMaschine ソフトウェア2.0。
まずこのMaschineがどういうものかもう一度簡単に説明すると、Maschineはソフトウェアとハードウェアコントローラが一体になった「グルーブプロダクションツール」で、もっと簡単に言うと「サンプラー・ドラムマシン」といったところでしょうか。付属するサウンドライブラリーはドラムサウンドがメインではありますが、それ以外のサウンド(ベース、シンセ、サウンドエフェクトなど)も含まれ、特にダンス系の音楽制作に強い内容となっています。もちろんサンプラーとして使うこともできるので、お気に入りのレコードをサンプリングして、スライスして、演奏することも可能です。
Maschineはコンピューターソフトウェアがベースとなっており、スタンドアローン・AU・VSTプラグインとして起動でき、これまでのDAWソフトウェアを使ったワークフローを損なうことがないのが一つの魅力です。それと同時に、このハードウェアコントローラを使った操作がとても柔軟で、コンピューターを見ることなしでも操作できるパフォーマンス指向の強い楽器でもあります。
Maschine Studio
11月1日に発売されるMaschine Studioですが、まずこれは大型コントローラとソフトウェアの新バージョンMaschine 2.0がパックになっている製品。
数時間さわったのみの印象ですが、コントローラはこれまでのサイズよりも遥かに大きくなっており、思った以上に重さが軽いのに驚きました。パッドのクオリティはMaschine mk2と同じような印象で、光る色の種類も同じく16種類です。
特に目を引くのがカラーディスプレイで、iPhone のようなタッチディスプレイではないものの、プロジェクトの全体像が見渡せることができたり、Maschine2.0から搭載されることとなった「ミキサー機能」を表示させることができるのは一つのメリットです。NI KompleteやMaschine Expansion などの拡張音源もジャケットのようにカラー表示され、気分はかなり高揚します。(すべてのNI 製品はアップデートが必要)
Maschine mk2ユーザー個人として特に嫉妬するのは、本体右上にあるレベルメーターで、ここでアウトプット・インプットのレベル調整ができます。これまでのMaschineコントローラではレベルメーターを見ることはできず、コンピューター内の表示にたよってしまうところです。
その他、ボタン数もこれまでよりも多くなっているのでシフトキーを押すことなく操作することができたり、ジョグホイールをつかってキットやサンプルの読み込みができるのはやはり便利です。本当の意味で「コンピューターを見ることなく操作できるコントローラ」を意図して作られた製品のように感じます。
価格は¥104,800
Maschine 2.0
大きくバージョンアップしたMaschine ソフトウェア2.0。これまでのMaschineユーザーは有償アップデート($99)することができます。MASCHINEあるいはMASCHINE MIKROを2013年10月1日~11月1日の間に購入したユーザーは、無償でダウンロードすることが可能。
アップデート後、Maschine 2のフォルダーは新たに作られ、Maschine 1はそのままハードディスクに残ります。Maschine 2に使い慣れるまでの間はひとまずキープしておくのがいいでしょう。また、Maschine 1 で作ったプロジェクトファイルをMaschine 2で読み込むことも可能になっています。
これまでのコントローラ(1世代目+2世代目ともに)を使用することも可能で、Maschine 2の内容に合わせた表示方法になっています。また、機能が多くなっている分、シフトキーを使った新しい操作も覚えなければなりませんが、愛着のあるコントローラをそのまま利用できることで、ひとまず胸をなでおろしている次第です。
またMaschine 2.0のサウンドライブラリーも新たに付属し、およそ2220のサンプル、110のサウンドキットが追加されることになります。
加えて、付属するプラグインはNI Massive、Prism(パーカッションシンセ)、Solid Bus Comp compressor、Scarbee Mark I (エレクトリックピアノ)
ということで、今回は数回に分けて、「Maschine 2.0 ソフトウェアのこれまでとの違い」を見て行きたいと思います。
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