Native Instruments TRAKTORの新しい機能STEM DECK。見た感じはごく普通のMP4ファイルではあるのですが、Stemsと名の付くこのファイルをTRAKTOR PRO 2にロードすると、4トラックに分けて再生することができるという新しい音楽フォーマットです。例えば、ドラムパートだけプレイをしたり、ボーカルパートだけにエフェクトをかけてみたり、ベースだけにEQをかけてみたり、又は、DECK A とBにそれぞれにStemファイルをロードすれば、ドラムパートはDeck A から、シンセパートはDeck B からなどなど、曲パートをスワップするなんてことも可能になるわけです。
Stemsの良いところは、Stemクリエーター・ツール(画像上)を使い、自分でもStemファイルを作れてしまうことです。つまりTRAKTOR DJのセッティングを使ってライブ演奏ができるようになるわけです。Ableton Liveで行うライブとは一味違ったライブパフォーマンスができそうな予感がします。
今日、公開されたStems公式ホームページには、Stemについての詳しい説明や仕様詳細が記されています。
Stemsファイルの作り方はごく簡単なようです。
- 自分のDAWソフトウェアで4つのパートのファイルと、ミックス・ファイルを一つ作る。(どのパートを抜き出すかは自分で考えることができるわけです)
- STEMクリエーター・ツールにこれら5つのファイルをインポートする。
- それぞれのSTEMに名前をつけたり、波形表示用の色を選択する。
- マスタートラックにコンプレッサーをかける。
- EXPORT!
- STEMファイルの完成。StemファイルをTRAKTOR PRO2 でロードする。
音質の方はそれぞれのステムが256kbps AACでエンコーディングされるようです。数字的にはアップルiTunesと同じクオリティとなるわけですが、4つのトラックを個別に出力し、それぞれにエフェクターやEQをかけていくことができることを考えれば、クオリティはiTunesよりも上であると考えて良いのでしょう。ファイルのサイズ的にはAACファイルが5つ分と考えて良いようです。
今の時点では、このStemsを操作できるコントローラはNI KONTROL D2、S8、F1 となっています。ちょっと忘れかけていたKONTROL F1が再び日の目を見ることは大歓迎です。
下のビデオはStemイントロダクションビデオと Stemクリエーター・ツールのイントロダクションビデオです。
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Native Instruments MASCHINEのバージョン2.3がリリースされた。いつものように登録ユーザーはNI Service Centerより無償でダウンロードすることができる。
今回のバージョンアップのハイライトとなるのは、すべてのMASCHINE 2 ソフトウェア登録ユーザーに「KOMPLETE SELECT」が配布されることだ。この「KOMPLETE SELECT」はNI KOMPLETEから選りすぐりの10種類のソフト(総額およそ10万円相当!)がバンドルされている。KOMPLETE 10やKOMPLETE 10 ULTIMATE のユーザーでない人にとっては、棚から牡丹餅が降ってきたような嬉しいプレゼントだ。登録ユーザーは数日内にダウンロード案内がemailで送られてくるとのことだ。
MASCHINEとKOMPLETEソフトウェアの親和性はとても素晴らしい。MASCHINEハードウェアのツマミをグリグリと動かしながら、パッドをたたきながらトラック制作することをぜひお勧めしたい。
KOMPLETE SELECTに含まれるソフトウェア
いくつかのソフトウェアは以前のバージョンでもすでに付属していたものだが、真新しいところではミニモーグ系アナログエミュレートMONARK、最新のグランドピアノサンプルプレイヤーThe Gentle Man、面白いところではサンプルプレイヤーWest Africaあたりがお勧め。
- MASSIVE
- MONARK
- THE GENTLEMAN
- DRUMLAB
- REAKTOR PRISM
- SCARBEE MARK I
- RETRO MACHINES
- VINTAGE ORGANS
- WEST AFRICA
- SOLID BUS COMP
今回のバージョンアップでは新しいDrum Synth インストゥルメントとエフェクターも追加されている。リバーブはこれまでのMASCHINEとは違うなかなか素晴らしいクオリティに感じる。
- Drum Synthの新しいシンセエンジン「Cymbal」搭載。モードは「Crash」と「Ride」の二つ。
- Drum Synth「HiHat」に新しいモード「Hybrid」搭載
- Drum Synth「Snare」に新しいモード「Breaker」搭載
- Drum Synth「Tom」に新しいモード「high」搭載
- 新しいエフェクター「Reverb」搭載、「Plate」「Room」「Hall」3つのモード、これまでのReverbは「Reverb(Legacy)」に変名
- エフェクター「Distortion」に新しいモード「Analog」搭載、これまでのDistortionは「Mullholland」モードに変名
- エフェクター「Limiter」に新しいモード「Transparent」搭載、これまでのLimiterは「Legacy」に変名
- エフェクター「Cabinet」のパラメーター変更
ソフトウェア・ユーザビリティの改善
- DAWソフトウェアからScene Change の実行が可能に
- MIDIパターンをエクスポートする際に、空のMIDIチャンネルも空の状態でエクスポートされる。(つまり、サウンド1はいつもチャンネル1、サウンド2はいつもチャンネル2、特にDAWソフトにMIDIパターンをいくつもエクスポートする際に便利)
- パターンエリア内でのクオンタイズ・50%クオンタイズの実行可能(右クリック)
- マクロ・パラメーターのコピー&ペースト&カットが可能
- その他、KOMPLETE KONTROL S-シリーズキーボードとのコンビネーションが大きく改善(KOMPLETE KONTROLソフトウェアの1.1 もリリースしたばかり。)例えば、アルペジオ演奏をした時に演奏をホールドする機能がついたので、アルペジオを演奏した状態で、両手でパラメーターをいじくることができるようになる、など。
かなりボリュームのあるバージョンアップだが、無償。たくさんのサウンドの追加、しかも堅実な機能も多く追加されており、十分納得できるバージョン2.3となっている。
Native Instrumentsの新しいDJコントローラKONTROL D2がついにリリースとなった。
KONTROL D2はDJソフトウェアTRAKTOR PRO 2 を操作するためのコントローラだ。これまでにもNative Instrumentsは数多くのコントローラを発売してきているわけだが、特にこのKONTROL D2の大きな注目は、このポータブルなサイズにしてカラーディスプレイが装備されていること。そして注目のオーディオフォーマットStems ファイルに対応しているというところだろう。
KONTROL D2のルックスはNI フラッグシップコントローラKONTROL S8の右半分を切り取ったような形になっている。では機能的にはどうちがうのだろうか?
今日はこのあたりをざっくりレビューしていこうと思う。
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昨年の夏にNative Instrumentsがリリースしたキーボード・コントローラKONTROL S-シリーズは、それまでのMIDIキーボードの常識を超える先進的な機能とデザインによって大きな注目を浴びた。私自身もユーザーの一人ではあるのだが、NIのソフトウェアバンドルKOMPLETE 10 を演奏する上では切っても切れないキーボードコントローラと感じている。KOMPLETEの数え切れない位のプリセットを、KONTROL-Sのエンコーダノブを使いながら選択する感触は素晴らしいものがある。これがソフトウェアシンセサイザーの進化系なのかと思う反面、KONTROL Sキーボードを使っていると、「あれ?」と思ってしまうようなギャップを感じてしまうことも事実なのだ。たとえば、、
- KONTROL-S はNIソフトウェアだけのものなのか? KONTROL-S はNATIVE MAPというテクノロジーによってNI ソフトウェアのパラメーターをスクリーンに表示する。しかしNI以外のプラグインを読み込んだ時にはこれは動作しない。つまりKOMPLETEソフトウェアを持っていなければ面白みは半減?一般的MIDIコントローラとして見た時にはかなりユースレスといえる?
- 「アルペジエーター」や「スケールモード」はKONTROL-Sの一番キャッチーな機能ではあるのだが、DAWソフトウェアへのレコーディング(MIDI OUT)を行うことができない。
- KONTROL Sで音色のエディットを行っても、それをすぐにセーブすることができない。
- コンピューターとのUSB接続を絶ってしまうとKONTROL Sは何もできなくなる。
しかしこのようなギャップを感じるのも5月まで。先々日、Native Instrumentsはドイツ・フランクフルトでPRODUCT SHOWCASEを開催し、KONTROL S-シリーズ・キーボードの大きなバージョンアップを発表した。
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先々週アメリカ・マイアミで開催されていたWMCでのNIライブストリーミング・イベント、そこでスペインのアーティストUnerが使用していた謎の機材・・ということでたちまち話題になったコントローラの正体がコレ。Native Instruments が5月上旬にリリースする新しいDJコントローラKONTROL D2 です。
D2はオーディオ・インターフェイスや通常のDJミキサーの機能は持っておらず、むしろTRAKTORならではの DJパフォーマンス(フリーズモード、RemixDeck、StemDeck、ホットキュー)の操作に焦点を絞ったコントローラとなっているようです。
カラーディスプレイ、8つのパフォーマンスパッド、4つのフェーダー、タッチセンシティブ対応のノブを配し、D2一台でTRAKTORの2デッキまでのコントロールが可能。サイズ的にはフラッグシップ・コントローラKONTROL S8のおよそ4分の1位の大きさなのでしょうか?KONTROL S8 の端を切り取ったようなデザインに見受けられます。
S8は確かに素晴らしいコントローラで、一度体験してしまったらあのコックピット的な豪華な感触を忘れることはできません。しかし問題はやはりあのサイズで(もちろん価格もそうなのですが)、そりなりのギャランティーを得ることができるDJならばフライトケースにでも入れて持ち運ぶところなのでしょうが、私のようなブロガーともあるとKONTROL D2の方が持ち運びにも便利、愛用のオーディオインターフェイスも使える、クラブでのセットアップも楽チン、プレッシャーも少ない、色々な意味で許容しやすいコントローラな訳です。
しかしなんといっても注目は、このD2はマルチ・チャンネル・ミキシングを可能にするStemsオーディオ・ファイルに対応する第1号のハードウェアとなることです。本格対応は、2015年夏とのことではありますが、公式ホームページのStemsスナップショットを見る限り、かなり期待できそうな機能に見受けられます。
KONTROL D2
- フルカラーのディスプレイ (トラック波形の表示、ライブラリー表示、その他トラックに関する情報がポップアップ表示)
- タッチ・アンド・シー・ワークフロー(コンピューターの画面を見ることなくパフォーマンスに集中できるそう)
- タッチセンシティブ・ノブ (ノブに触るだけで対応するページがディスプレイに表示される)
- タッチ・ストリップ (ピッチベンド、トラックシーキング、スクラッチエミュレーション)
- Remix Deckに対応するパッド、フェーダー
- フリーズモード対応 (TRAKTOR DJ for iOSの人気機能)
- STEMS 対応 (マルチ・チャンネル・ミキシングを可能にするStemsファイルフォーマットの再生に対応)
- 折りたたみ式ラバーパッド(標準のDJセットアップの高さに調節可能)
- USBポート2基(コンピューターとの接続、2台のD2を連結)
- 電源スプリッターケーブル(一つの電源サプライから2台のD2に電源供給可能)
すでに大きな話題となっているSTEMSフォーマットへの対応は2015年夏からとのことです。
価格USドル499
2015年5月4日出荷開始
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