先々週アメリカ・マイアミで開催されていたWMCでのNIライブストリーミング・イベント、そこでスペインのアーティストUnerが使用していた謎の機材・・ということでたちまち話題になったコントローラの正体がコレ。Native Instruments が5月上旬にリリースする新しいDJコントローラKONTROL D2 です。
D2はオーディオ・インターフェイスや通常のDJミキサーの機能は持っておらず、むしろTRAKTORならではの DJパフォーマンス(フリーズモード、RemixDeck、StemDeck、ホットキュー)の操作に焦点を絞ったコントローラとなっているようです。
カラーディスプレイ、8つのパフォーマンスパッド、4つのフェーダー、タッチセンシティブ対応のノブを配し、D2一台でTRAKTORの2デッキまでのコントロールが可能。サイズ的にはフラッグシップ・コントローラKONTROL S8のおよそ4分の1位の大きさなのでしょうか?KONTROL S8 の端を切り取ったようなデザインに見受けられます。
S8は確かに素晴らしいコントローラで、一度体験してしまったらあのコックピット的な豪華な感触を忘れることはできません。しかし問題はやはりあのサイズで(もちろん価格もそうなのですが)、そりなりのギャランティーを得ることができるDJならばフライトケースにでも入れて持ち運ぶところなのでしょうが、私のようなブロガーともあるとKONTROL D2の方が持ち運びにも便利、愛用のオーディオインターフェイスも使える、クラブでのセットアップも楽チン、プレッシャーも少ない、色々な意味で許容しやすいコントローラな訳です。
しかしなんといっても注目は、このD2はマルチ・チャンネル・ミキシングを可能にするStemsオーディオ・ファイルに対応する第1号のハードウェアとなることです。本格対応は、2015年夏とのことではありますが、公式ホームページのStemsスナップショットを見る限り、かなり期待できそうな機能に見受けられます。
KONTROL D2
- フルカラーのディスプレイ (トラック波形の表示、ライブラリー表示、その他トラックに関する情報がポップアップ表示)
- タッチ・アンド・シー・ワークフロー(コンピューターの画面を見ることなくパフォーマンスに集中できるそう)
- タッチセンシティブ・ノブ (ノブに触るだけで対応するページがディスプレイに表示される)
- タッチ・ストリップ (ピッチベンド、トラックシーキング、スクラッチエミュレーション)
- Remix Deckに対応するパッド、フェーダー
- フリーズモード対応 (TRAKTOR DJ for iOSの人気機能)
- STEMS 対応 (マルチ・チャンネル・ミキシングを可能にするStemsファイルフォーマットの再生に対応)
- 折りたたみ式ラバーパッド(標準のDJセットアップの高さに調節可能)
- USBポート2基(コンピューターとの接続、2台のD2を連結)
- 電源スプリッターケーブル(一つの電源サプライから2台のD2に電源供給可能)
すでに大きな話題となっているSTEMSフォーマットへの対応は2015年夏からとのことです。
価格USドル499
2015年5月4日出荷開始
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先週末アメリカ・マイアミで開催していたWMCにて、Native Instrumentsは STEMS という新しいオーディオ・フォーマットの発表を行いました。
STEMSは一つの曲を4つのパートに分離して再生することが可能になるもので、たとえば、ボーカルだけ・ベースだけ・リズムだけ・といったような指定したパートのみを再生できるようになるようです。もっと簡単に言ってしまえば、ボーカルだけをオフにしてカラオケトラックにしてしまうようなことができるフォーマットのようです。
技術的にはmp.4が使われ、ファイル名としては「xxxxxx.stems.mp4」という形になるそうです。iTunesのような通常のプレイヤーで再生した場合には通常の音楽として再生が行われるようですが、STEMSに対応したソフトウェアやハードウェアで再生を行った場合のみに4つのパートのステム再生が可能になるとのことです。(当然、TRAKTOR PROがその先頭を切るわけですが、今年の夏からのサポートが予定されているとのこと)
また、いくつかのダンス音楽レーベルはこのSTEMSフォーマットでのトラックリリースも予定しているようで、オンラインショップ(beatportやjuno records)での購入が可能になるとのこと。
同時にStem Creator Toolという無償のアプリの配布も予定されており、DJやクリエーター自身がこのSTEMフォーマットを作るも可能になるとのことです。(これまでAbleton Liveを使ってライブ演奏を行っていた人たちにとっても、要チェックかもしれませんね)
STEMSフォーマットの公開は6月が予定されています。
下のビデオはDJ tech Toolsによるイントロダクションビデオです。
Native Instruments のユーザーフォーラムでは、ごく稀にではあるのだがNIディベロッパーがユーザーからの質問に答える「On the Record」というスレッドがある。昨日、「Traktor On the Road」ではおよそ2年ぶりとなる書き込みが行われ、オフィシャル?アンオフィシャル?のようなアナウンスが行われた。http://www.native-instruments.com/forum/threads/questions-and-answers-fluky-ni-march-2015.235468/
個人的に注目したいニュースは2点。まず、Traktorの次のバージョンではパイオニアのCDJ-900NXSとXDJ-1000をサポートするとのこと。これによって、USBケーブルを使いコンピュータ(Traktor)とCDJを接続することによって、CDJをDJコントローラとして使うことができるようになる。
これまでにもCDJ最上機種へのサポートは行われてきたわけだが、HIDプロトコルを使うコーディングは私たちが思っているほど簡単な作業ではないらしく、それゆえに時間がかかってしまったようではあるが、ついにCDJ最新機種とTraktorを同時に使うことができるようになるという嬉しいニュースだ。
もう一つ、これはまだ詳細は全く明らかにされていないのだが、TraktorとMaschineの統合が実現するとのことだ。これまでにも同期信号を使い二つのソフトウェアを同時に走らせることは可能ではあったのだが、それを超える統合であることは確かだろう。どのような方法で?どのようなことができるようになるのか?大いに期待したい。二つのコントローラを同時に使った作業が可能になったりするのだろうか?
Native Instruments Reaktorのユーザーライブラリーには、ユーザーが制作したおよそ4000にのぼるアンサンブルが無償で公開されている。ジャンルはシンセサイザー・ドラムマシン・サンプラー・シーケンサーなど、斬新な物から在り来たりのものも含め様々だ。中にはNIの創始者Stephan SmittによるCHA-OSC(人気プラグインシンセKONTOURの大元となったシンセ)のような超プロフェッショナルなアンサンブルも含まれている。
ユーザー@mosaicが発表した3種類のReaktorアンサンブルもかなり魅力的だ。Acceleratorはドラムシンセサイザ、InfrastructireとReduxはサブトラクティブシンセと呼ばれるものだ。清潔感のあるインタフェイス、音の方はかなりエレクトロニック寄りだがシンプルでユニークな音、無償とは思えないクオリティの高さに敬服する。
コルグのVOLCAシリーズ、Teenageengineeringのポケットオペレーターシリーズさながらの、トリニティ・アンサンブルを楽しむことができる。
「モーフィング」はコンピューターグラフィックの手法の一つで、ある物体から別の物体へと自然に変形する映像をみせる。私が思い出すのは、その昔マイケルジャクソンが「Black and White」という曲のPVの中で、様々な顔の映像を次々と変形させていたことだ。
この「モーフィング」を、音楽テクノロジーに応用させた場合、たとえば、水が滴る音がいつの間にか人の声に変わっていたり、ピアノの音がいつの間にかギターに変わっていたり、一つの音を別の音に徐々に変化させていくことができるのだろうか?試してみたいことは山ほどあるわけだが、そんなことをリアルタイムで実現するプラグインソフトウェア「Morph 2」がドイツ・ハノーバーに拠点を置くZynaptiqというソフトウェアメーカーからリリースとなった。元々はProsoniqというメーカーが開発したソフトウェアのバージョンアップという形でのリリースとなっている。
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Native Instrumentsの最新シンセサイザーROUNDSがアップデートバージョン1.1をリリースした。このアップデートバージョンではWarp RecordsのPALIDが作成した33種類のプリセットが追加されている。さすがPLAID、年季の違いを感じるインテリジェンス溢れる音に仕上がっている。
ROUNDSはNI KOMPLETE 10に内包する新しいシンセサイザーで、REAKTOR5 専用のアンサンブルとして起動する。
ROUNDSは8つのアナログエミュレート音源と8つのFM音源、合計で16の音源を組み合わせて音を出すシンセサイザーなのだが、ボイスプログラマーの設定次第で、時にはアルペジエーターになったり、時には4ボイスを同時に発音させ、モーフィングさせるようなこともできる。
Controlセクションでは音源をリアルタイムで操作することができ、マクロノブの操作はもちろん、時にはひとつのフェーダーを動かすことで同時に8つのフェーダーを動かすようなこともでき、シーケンスパターンにさらなる動きを作る。
とにかくパワフルに動くシンセサイザーで、それに伴って音もパワフルに動き回る。頭で考えるよりはとりあえずMIDIキーボードを押さえ、パラメーターをいじり、どんな音が出てくるのか結果を見て聞いた方が断然楽しめる。
複雑ではあるのだが、インターフェイスはいたってシンプルに作られており、そこが「ソフトウェアシンセサイザーの進化系」といわれる所以でもある。問題はやはりCPUハングリーなところだ。
デモバージョンも用意されているので、まだ試していない人は是非。