先週末アメリカ・マイアミで開催していたWMCにて、Native Instrumentsは STEMS という新しいオーディオ・フォーマットの発表を行いました。
STEMSは一つの曲を4つのパートに分離して再生することが可能になるもので、たとえば、ボーカルだけ・ベースだけ・リズムだけ・といったような指定したパートのみを再生できるようになるようです。もっと簡単に言ってしまえば、ボーカルだけをオフにしてカラオケトラックにしてしまうようなことができるフォーマットのようです。
技術的にはmp.4が使われ、ファイル名としては「xxxxxx.stems.mp4」という形になるそうです。iTunesのような通常のプレイヤーで再生した場合には通常の音楽として再生が行われるようですが、STEMSに対応したソフトウェアやハードウェアで再生を行った場合のみに4つのパートのステム再生が可能になるとのことです。(当然、TRAKTOR PROがその先頭を切るわけですが、今年の夏からのサポートが予定されているとのこと)
また、いくつかのダンス音楽レーベルはこのSTEMSフォーマットでのトラックリリースも予定しているようで、オンラインショップ(beatportやjuno records)での購入が可能になるとのこと。
同時にStem Creator Toolという無償のアプリの配布も予定されており、DJやクリエーター自身がこのSTEMフォーマットを作るも可能になるとのことです。(これまでAbleton Liveを使ってライブ演奏を行っていた人たちにとっても、要チェックかもしれませんね)
STEMSフォーマットの公開は6月が予定されています。
下のビデオはDJ tech Toolsによるイントロダクションビデオです。
Native Instruments のユーザーフォーラムでは、ごく稀にではあるのだがNIディベロッパーがユーザーからの質問に答える「On the Record」というスレッドがある。昨日、「Traktor On the Road」ではおよそ2年ぶりとなる書き込みが行われ、オフィシャル?アンオフィシャル?のようなアナウンスが行われた。http://www.native-instruments.com/forum/threads/questions-and-answers-fluky-ni-march-2015.235468/
個人的に注目したいニュースは2点。まず、Traktorの次のバージョンではパイオニアのCDJ-900NXSとXDJ-1000をサポートするとのこと。これによって、USBケーブルを使いコンピュータ(Traktor)とCDJを接続することによって、CDJをDJコントローラとして使うことができるようになる。
これまでにもCDJ最上機種へのサポートは行われてきたわけだが、HIDプロトコルを使うコーディングは私たちが思っているほど簡単な作業ではないらしく、それゆえに時間がかかってしまったようではあるが、ついにCDJ最新機種とTraktorを同時に使うことができるようになるという嬉しいニュースだ。
もう一つ、これはまだ詳細は全く明らかにされていないのだが、TraktorとMaschineの統合が実現するとのことだ。これまでにも同期信号を使い二つのソフトウェアを同時に走らせることは可能ではあったのだが、それを超える統合であることは確かだろう。どのような方法で?どのようなことができるようになるのか?大いに期待したい。二つのコントローラを同時に使った作業が可能になったりするのだろうか?
Native Instruments Reaktorのユーザーライブラリーには、ユーザーが制作したおよそ4000にのぼるアンサンブルが無償で公開されている。ジャンルはシンセサイザー・ドラムマシン・サンプラー・シーケンサーなど、斬新な物から在り来たりのものも含め様々だ。中にはNIの創始者Stephan SmittによるCHA-OSC(人気プラグインシンセKONTOURの大元となったシンセ)のような超プロフェッショナルなアンサンブルも含まれている。
ユーザー@mosaicが発表した3種類のReaktorアンサンブルもかなり魅力的だ。Acceleratorはドラムシンセサイザ、InfrastructireとReduxはサブトラクティブシンセと呼ばれるものだ。清潔感のあるインタフェイス、音の方はかなりエレクトロニック寄りだがシンプルでユニークな音、無償とは思えないクオリティの高さに敬服する。
コルグのVOLCAシリーズ、Teenageengineeringのポケットオペレーターシリーズさながらの、トリニティ・アンサンブルを楽しむことができる。
「モーフィング」はコンピューターグラフィックの手法の一つで、ある物体から別の物体へと自然に変形する映像をみせる。私が思い出すのは、その昔マイケルジャクソンが「Black and White」という曲のPVの中で、様々な顔の映像を次々と変形させていたことだ。
この「モーフィング」を、音楽テクノロジーに応用させた場合、たとえば、水が滴る音がいつの間にか人の声に変わっていたり、ピアノの音がいつの間にかギターに変わっていたり、一つの音を別の音に徐々に変化させていくことができるのだろうか?試してみたいことは山ほどあるわけだが、そんなことをリアルタイムで実現するプラグインソフトウェア「Morph 2」がドイツ・ハノーバーに拠点を置くZynaptiqというソフトウェアメーカーからリリースとなった。元々はProsoniqというメーカーが開発したソフトウェアのバージョンアップという形でのリリースとなっている。
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Native Instrumentsの最新シンセサイザーROUNDSがアップデートバージョン1.1をリリースした。このアップデートバージョンではWarp RecordsのPALIDが作成した33種類のプリセットが追加されている。さすがPLAID、年季の違いを感じるインテリジェンス溢れる音に仕上がっている。
ROUNDSはNI KOMPLETE 10に内包する新しいシンセサイザーで、REAKTOR5 専用のアンサンブルとして起動する。
ROUNDSは8つのアナログエミュレート音源と8つのFM音源、合計で16の音源を組み合わせて音を出すシンセサイザーなのだが、ボイスプログラマーの設定次第で、時にはアルペジエーターになったり、時には4ボイスを同時に発音させ、モーフィングさせるようなこともできる。
Controlセクションでは音源をリアルタイムで操作することができ、マクロノブの操作はもちろん、時にはひとつのフェーダーを動かすことで同時に8つのフェーダーを動かすようなこともでき、シーケンスパターンにさらなる動きを作る。
とにかくパワフルに動くシンセサイザーで、それに伴って音もパワフルに動き回る。頭で考えるよりはとりあえずMIDIキーボードを押さえ、パラメーターをいじり、どんな音が出てくるのか結果を見て聞いた方が断然楽しめる。
複雑ではあるのだが、インターフェイスはいたってシンプルに作られており、そこが「ソフトウェアシンセサイザーの進化系」といわれる所以でもある。問題はやはりCPUハングリーなところだ。
デモバージョンも用意されているので、まだ試していない人は是非。
Native Instruments POLYPLEX は8つのスロットにドラムサンプルを並べ、DAWソフトウェアからドラムパターンを打ち込んでいくことができるドラムサンプラーなのだが、このソフトウェアのすごいところは、1つのスロットの中に4つのサンプルを置くことができ、MIDIノートをひとつたたけば、4つのサンプルが同時に音を出すことができる。そして各サンプルの設定も細かく行うことができ、例えばサンプル1の音はディケイの長い音キック、サンプル2の音はピッチの高い音キック、サンプル3の音はサウンドエフェクトにする、サンプル4の音にはキックの逆再生の音にする、、、など、かなり細かいドラムサウンドの音創りを行うことができる。
付属するサンプルの数もかなりの量で、しかもサウンドクオリティもかなり高い。4つのサンプルを派手にエディットしても、ゴミのような音になることはまずなく、迫力ある音が不思議と作れてしまうのだ。
もう一つ、このPOLYPLEXの大きな特徴をあげるなら、各スロットや各パラメーターに『サイコロ』が用意されており、この『サイコロ』を振ればランダムにサンプルを選択できたり、パラメーターをランダムに設定することができる。キットを丸ごと全取っ替えしてしまう『サイコロ』もある。乱暴な言い方をしてしまうと、「適当に・・」音が作られるということなのだが、気に入った音が見つからず悩んでいる時にはこの『サイコロ』を振ってみると、予測外のいい結果になったりもする。いや、いかんいかん、元の設定に戻ろうという時のためのUNDOボタンもちゃんと用意されている。
POLYPLEX バージョン1.1
このPOLYPLEX が最新バージョン1.1をリリースした。バージョン1.1の大きな特徴は、NI のMASCHINEとの統合が行われたことだ。NIといえばこれまでもBatteryやDrum Lab などドラムサンプラー・ソフトウェアをいくつかリリースしているのだが、NIの看板ドラムマシンであるMASCHINEとは上手い統合ができずにいた。MASCHINEユーザーで、しかもKOMPLETE 10 のユーザーであるならば、同じメーカーのドラムマシンをひとつでまとめて操作したいと思う気持ちは当然のことだろう。
その点、POLYPLEXの最新バージョンは、MASCHINEのワークフローと見事に統合し、MASCHINEからでも不憫な思いすることなしにPOLYPLEX を操作することができるようになっている。
MASCHINE × POLYPLEX キット
まず、POLYPLEX のキットをMASCHINEのSOUNDに読み込んでみた。
これまでのPOLYPLEX のバージョンでは、MASCHINEからはマスターのパラメーターのみしか操作することができなかったのだが、今バージョンからはPOLYPLEXの8つのスロットすべてにアクセスすることができる。下の画像を見てもらえばわかるように、各サウンドのボリューム・バランス・チューン・ディケイ・インサートA・B・SEND1・SEND2これら8つのパラメーターを操作することができる。MASCHINEコントローラのノブを回しながら、オートメーション録音することも可能だ。
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