マスタリングエンジニアというプロフェッショナルな職業が存在するようにそこには奥の深い深い作業があるわけです。でも最近はデモ音源をクライアントに聞かせる段階からでも音圧、音量などの是非を問われることが多くなり、仮のマスタリング作業を自分で行なう人も多くなってきているようです。インディペンデントなエレクトロニックミュージックプロデューサーの場合(私が知った範囲のことですが)は、プリマスタリングも含め音楽プロデュースの一環と考える人も多く、マスタリングツールを駆使し追い込みをかける姿をみることも多くなってきました。
そのマスタリングソフトウェアの定番のひとつ、となりつつあるのがiZotope のOZONEというソフトウェアですが、このOZONEが先日バージョン6 をリリースしたばかりです。
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80年代の伝説のシンセサイザーPPG WAVE の開発で知られるWolfgang Palm 氏による、新しいプラグインシンセサイザーWave Mapper 2 がリリースになりました。Wave Mapperはウェーブテーブル方式と、「TSG」という新しい合成方式を搭載したシンセサイザーで、昨年iPadアプリとしてリリースされ、各レビュー等でも多くの好評を得て来ました。実際のところ、このディープで複雑なシンセサイザーの仕組みを理解するには大変な時間を要するのですが、Wave Mapping という革新的なUI によって、8個のパラメータアイコンをスワイプ操作し、マップに配置していくだけで簡単に様々なサウンドが作れる仕組みにもなっています。Mac/WindowsバージョンとしてリリースされたWave Mapper 2ではさらに多くの機能を加え、音色合成の可能性もさらに広げられています。サウンドは前衛的、いままで聞いたことのなかったような質感のサウンドも多数。価格$99、WaveMapper 2 と WaveGenerator 2 のバンドルセットは スペシャルプライス€149 で提供中(11/25まで)
- 3 Audio Oscillators
- Up to 16 resources assembled within a WaveMap
- Audio engine with 4 synthesis modes, and variable wave blending quality.
- 3 Noise generators, for audio and modulations
- Classic 24 dB Lowpass Filter, combined with an overdrive simulation.
- Dual amplifier, for versatile control of 2 audio signals as well as panning.
- 13 Envelopes, for control of pitch, waveform, filter, noise, gain, ringmod, and panning
- 4 LFOs
- Analysis of your own samples and conversion into wavetables and time-corrected samples.
- Powerful Step Sequencer with playback arpeggiator
- Delay/Reverb effect
- Directly accessible context help for each module
- Free configurable schematic keypad, with extremely expressive modulation possibilities.
- Ribbon controller to bend the pitch to variable intervals
- 4 Keyboard Modes, including mono and poly portamento.
ドイツ・ベルリンのソフトウェアメーカーU-He は近日発売を予定しているコンプレッサー・プラグインPresswerk のパブリックベータバージョンを無償で公開しています。Presswerk はMac/Win両ホストアプリケーション上にて動作します。パブリックベータでは全機能を使うことが可能になっていますが、12月26日に使用期限が切れることとなっています。
音楽ソフトウェア業界では発売前のソフトウェアを一般に公開することは非常に稀なことですが、U-He は先日発売されたばかりのモジュラーシンセサイザーBazilleやバーチャルアナログシンセDIVA でも同様なパブリックベータ期間を設けてきました。使用方法や使用環境が異なるユーザーからの様々なフィードバックを得ることによって、より完璧な状態での製品販売を試みるU-he の姿勢にはとても好感を持つことができます。
Presswerkはコンプレッサー・コンストラクションキットと呼ばれるもので、複数のコンポーネントが組み合わされたコンプレッサーエフェクターです。ノーマルモードではかなり多くのパラメーターを操作することができますが、より操作を簡単にするために3種類のビュアーモード(optical leveling amplifier、FET compressor、 tube limiter)が用意されており、ここでは馴染みのあるUI での操作が可能になっています。
cleanモード、Analog モード、フィードバックモード、サイドチェーン、サチュレーション、m/sプロセッシングなど多くの機能を搭載したPresswerk、かなり研究しがいのあるコンプレッサーと言えるでしょう。
PresswerkのパブリックベータバージョンはKVRのU-He フォーラムよりダウンロード可能で、12月26日までの使用が可能になっています。つまり、今日からおよそ2ヶ月間、この素晴らしいコンプレッサーを無償で使うことができるわけです。完成バージョンは導入価格$89、通常価格$129 となる予定です。アクティベート方法は以下の通りです。
Temp serial no. (valid till just after x-mas):
Beta Tester (user name)
3GC8O-SLHM1-MYP6-0420-2NXM (serial)
バンドメンバーと音楽制作をする場合、リミックスを依頼したり依頼されるような場合。近くに住んでいる人であるのならハードディスクを抱えて行けば数分でファイルの受け渡しができるわけですが、遠い場所に住んでいる場合、一つ一つのトラックをバウンスして、メールで送信するとか、容量によってはオンラインストレージなんかを使うのがおそらく一般的なはず。この作業がいかに煩わしいものであるのかは知っている人は知っているはずです。
しかしこれからはクラウドを通じて音楽コラボレーションをすることができるようになる時代。ミュージシャン同士が同じスタジオにいなくても、遠く離れた場所に住んでいるバンドメンバーとプロジェクトの受け渡しを行なえたり、遠く離れた知らないミュージシャンとコラボレーションを行なえるようになるようです。
そんな中で今もっとも注目されているのが Splice。
Spliceはクラウド型のストレージ環境を提供するサービスで、ミュージシャン同士がDAWソフトウェアで作ったプロジェクトファイルの受け渡しを簡単に行なえることができるようになるものです。例えばAbleton Live で作ったプロジェクトをSpliceにアップロードすることによって、違う場所からでもそのLive のプロジェクトを開くことができるようになります。プロジェクトファイルの中には使用しているオーディオファイルも含まれているので、ファイルの損失によって時間を奪われることもありません。使用しているプラグインソフトウェアも自動的に検出され情報が提示されます。アップロードやダウンロードの方法もスイッチを一つ二つ押す程度のシンプルなもので操作はとても簡単。そして、現段階で対応するソフトウェアはAbleton Liveのほかに、Logic Pro X、 FL Studioなど、これまで使ってきたDAWソフトウェアをそのまま利用できるのもSplice の優位な点です。
Splice はまだパブリックベータバージョンの段階ではあるのですが、昨日のニュースによると、450万ドルの投資金を得たとのこと。これだけの投資金額を持っていることや、有名アーティストによるサポートを得ているともなれば、この夢のスタジオ環境はさらに素晴らしいものとなり、私たちの音楽制作に定着していくのかもしれません。興味ある人はパブリックベータバージョンを試してみてください。
さらに、Splice の新しい機能としてSplice DNA Player も紹介されています。これはコラボレーションと関係のあるものではないようですが、DAWソフトウェアで作ったプロジェクトと同じようなビジュアルでトラックを公開することができるもののようです。トラックの中にはコメントを書き残すこともでき、簡単に言ってしまえばSoundCloud のDAWバージョン(?)といったところなのかもしれません。トラックの中でどのようなサウンドが使われ、どのようなプラグインが使われているのかといった情報も把握することができ、まるでオーケストラのスコアを目で追いながら音楽を聞くかのようなリスニング経験を提供してくれます。このSplice DNA Playerの第1弾として公開されたのがTiëstoレーベルの新人Henry Fongと J-TrickによるScreamというトラック。⬇️の画像のアレンジビュー部分をクリックしてみてください。