現在ドイツ・ベルリンで開催中のCTMフェスティバル2016の中で、開催前からもっとも注目されていたインスタレーション「Deep Web」を見に行ってきた。「Deep Web」は光アーティストChristopher Bauderと、ミュージシャンRobert Henke(Ableton Liveの発案者としても有名)による、オーディオとビジュアルのインスタレーションだ。会場は元発電所を改築したという巨大インダストリアル・ベニューKraftwerk Berlin。
「Deep Web」のステージは幅25メートル高さ10メートル、コンクリートむき出しで、建築最中のビルの中としか思えないような暗闇の中だ。天井の照明システムには、175個のモーター付き球体が等間隔で吊る下げられ、それぞれが上下に動く。会場の壁四方には12台のレーザーシステムが備え付けられ、球体に向けて様々な色のレーザービームが当てられる。ビームが球体から逸れることは決してない。Robert Henkeのマルチチャンネルによる音楽は、静寂と轟音を繰り返すダブテクノ。光と音は完璧なまでに同期し、Kraftwerkの暗闇に3次元の光の彫刻が描かれるのだ。時には星座のような、時には化学反応を起こした粒子のような、未だ見たことのないサイエンスフィクションに酔いしれるのであった。
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