ついにリリースとなったローランドAIRA System-1 。そして特に注目されているのがこのSystem-1 の新しいコンセプト「PLUG-OUT」という機能。
「PLUG-OUT」という名前がちょっとややこしいのですが、簡単に言ってしまえば、「PULG-OUT」対応のソフトウェアシンセサイザーをSystem-1 に書き写し、ハードウェアシンセサイザーさながらに持ち歩くことができるようになる機能なのです。そしてこの「プラグアウトソフトウェアシンセサイザー」の第1弾としてリリースされたのがローランドの往年のビンテージシンセサイザー「SH-101」。つまり「System-1」 を「SH-101 」に変えてしまうことができるわけです。
ではどうやって「プラグアウト」を行なうのか? ローランドUS による解説ビデオによると、コンピューターとSystem-1 をUSBで接続し、ソフトウェアからスイッチ一つで、およそ1分間で書き換えが行なわれてしまうそうです。
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YouTubeチャンネル「Markus Fuller 」はシンセサイザーを分解し、中を覗いて行くビデオを多数公開しています。これまで題材となったのはローランドTR 909、SH-101、TR-8、TB-3、などなど。陽気な語り口調で、勇敢にシンセサイザーを開いていくMarkus Fuller さんの姿が頼もしいです。
今回Markus Fullerさんが取り上げる題材は、発売してからまだ間もないローランドのAIRA System 1。AIRA System 1 の重要コンセプトであるACB(Analog Circuit Behavior)やプラグアウト機能の鍵を握る、いわばSystem-1のハイテク心臓部といっても過言でないFPGAチップがどのようなものなのか見ることができます。
ビデオ後半ではSystem 1 の鍵盤の話に及ぶのですが、右端の鍵盤を取り除いてみるとスピードセンサーのような吸盤が取り付けてあることに気がつきます。スペック上ではSystem 1 はベロシティ入力には対応しておらず、そうなればこのセンサーにはどのような意味があるのでしょう。もしかしたらSystem 1 に新しい機能が追加されるかもしれないという憶測もちらほら。
ハードディスクの中にはいったいどれ位のTR 808/909オーディオサンプルが入っているのだろうか。ipad の中にはいったいどれ位の808/909キットが入っているのだろうか。それでもまだTRサウンドが好きな私たち。
Pulse code inc. がリリースしたiPad ドラムマシンBOOM 808 とBOOM 909は、ローランドのリズムマシンTR-808 とTR-909 をエミュレートしたアプリ。本物に近いグラフィックレイアウトが施され、とにかく使いやすいです。音の方はサンプル音源ではありますが、かなり良いです。何よりもすごいのは各アプリそれぞれ¥200 ってところです。もうガチャガチャでドラムマシンを買うような気分です。
- Step sequencer
- High fidelity audio
- CoreMIDI
- Audiobus and background audio modes
- Record and export live performance to Soundcloud, Audio Copy, email and iTunes file sharing
- Compressor
- Swing
- Overdrive
- MIDI Sync (BOOM 808のみ)
- Audiobus Play-Stop Trigger
BOOM 808 App Store にて¥200
BOOM 909 App Store にて¥200
ロシア出身の超美人DJ、今世界のテクノ・ハウス界でもっとも旬といわれているニーナクラヴィッツがローランドAIRAに初挑戦しているビデオが公開されています。
ニーナクラヴィッツはAIRAの安定したパンチのあるサウンドが相当お気に入りのようです。そして最後に「Crazy Shit!」と一言。
ビデオ中盤ではAIRA VT-3 を使った彼女の歌声もちょっと聞こえます。
いよいよ3月8日に発売開始されることになったローランドの期待のAira シリーズ。ブログ「いっかい」では先日そのうちの一つであるボーカルエフェクターユニットVT-3 にさわることができました。さっそく今日はその報告をしてみたいと思います。
VT-3はその名の通り、BOSS VT-1 の後継機となるボーカルエフェクター。簡単に言ってしまえば、このVT-1/VT-3はマイクをつなげ、喋ったり歌ったりした声がロボットのように変化するエフェクターです。たくさんの機能が詰まっている機材ではないのですが、そのシンプルさが逆にこの機材の魅力で、今なおカルト的人気を誇っているVT-1です。Yahoo Auctionの取引価格はおよそ3万円。それを考えるとこのVT-3が21,000円というのは実にナイスな話です。
VT-1 はフランスのインディーロックバンドAirやスェーデンのエレクトロバンドKnifeなどがその使い手として有名。個人的にはVT-1と言えばドイツのエレクトロアーティストSiriusmoをまず思い浮かべます。(SiriusmoについてはこちらのYouTubeを見てみてください、3:18あたり、VT-1が机のセンターに置かれてます)
VT-3フロントパネル
VT-3 はその他のAIRAシリーズと同様に黒のアルミパネル、黒のプラスティックケース、緑の縁取り、緑のライトが光ります。そして同じくその他のAIRAと同様ですが、とにかく軽量です。
フロントパネルには4つのスライダーが並んでいます。左側にあるピッチスライダーを上に上げると声が1オクターブ上がり、下に下げると声が1オクターブ下がります。フォルマウントフェーダーを上に上げるとピッチはそのままの状態で声が女性的(初音ミクのような声)になり、フェーダーを下に下げると男性的な声に変わります。右側のフェーダーはリバーブエフェクターでミックスバランスとリバーブの量を操作することができます。リバーブの量を上げるとかなり大きなホールサウンドになり、クオリティも上質で真新しさを感じる部分です。残念なのはリバーブの種類や時間の設定ができないところです。
フロントパネルのやや上に並んでいる6つのスイッチ。まず左側のROBOTスイッチを押すと、ピッチは強制的に一定に保たれ、いわゆるロボット的な抑揚のないサウンドになります。
真ん中の4つのスイッチはセッティング内容を記憶させておくためのもので、特にライブパフォーマンス中にお気に入りのサウンドに素早く切り替えたい時には便利でしょう。セーブは3つまで、セーブ方法も簡単で、1~3までのスイッチを長めに押すだけです。一人で3役の声優をこなさなければならないなんて時にも便利でしょう。
マニュアルスイッチを押すとライブモードになり、フロントパネルでセッティングされているフェーダーやエフェクトタイプのサウンドに切り替わります。一番右側のバイパススイッチを押すとエフェクト無しの素のサウンドになります。また、フットスイッチをVT-3に接続することでこのスイッチを切り替えることもできるので、ライブ最中には便利なものとなるでしょう。
10種類のエフェクター
フロントパネル中央にあるダイヤル式のノブ。ここでエフェクターの種類を変えることができます。エフェクターの種類は10種類。
- Direct
- Auto pitch 1
- Auto pitch 2
- Vocoder
- Synth
- Lead
- Bass
- Megaphone
- Radio
- Scatter
VT-1にはなかった新しいエフェクターとなるのがSynth/Lead/Bass。これらはマイクで喋ったり歌ったりした声がシンセサイザーのサウンドになるもので、特に鍵盤を弾けない人にとっては嬉しいものかもしれません。Leadはテルミンのようなサウンド、低い声でBassエフェクターを使うとかなり深いサウンドになります。
MegaphoneやRadioはローファイで周波数域の狭い音になります。メガフォンといって思い出すのはやはりYMOの「体操」ですね。
Auto Pitch やVocoderはいわゆるいわゆる昨今のEDMで聞くことのできるボーカルエフェクトです。
Auto Pitchは微妙に外れた音程を自動的に正確なピッチに修正してくれるものと期待したいところですが、実際試したところ、よほど正確に歌わない限り思った通りのピッチにはなりませんでした。
Vocoderに関しても同様で、正確なピッチで歌わないと思わぬ場所にピッチが飛んでしまいます。本来ボコーダーはストリングスのようなサウンドをキャリアとして使い、声をモジュレータとして使うものではありますが、VT-3にはキャリアの入力がなく、これまでのボコーダーの代替品とはならないでしょう。
Scatterは今回のAIRAシーリズで大きく取り上げられているエフェクターですが、昨今のダブステップシーンで使われることの多いチョッピングエフェクトを作るものです。細かい設定ができないのは残念です。
まとめ
残念なのはAuto PitchやVocoderエフェクターで、うまい具合にピッチが安定しないところです。Vocoderに関しても本来のボコーダーと同じような機能が欲しかったです。
MIDIコントロールがサポートされていないのも残念です。フロントパネルに並ぶパラメーターをMIDI CC コントロールできればより面白かったような気がします。
VT-3にはその他のAIRAシリーズと同様にUSBオーディオインターフェイスが内蔵しています。DAWソフトウェアを中心に音楽制作をしている人にとってはこれは大きなプラスポイントです。
声を使うことで様々なサウンドを作ることができる楽しいマシンです。様々な声色を使うことや、声だけでなく様々な楽器を通すことでも楽しい実験ができます。使い方次第では他にはないオリジナルサウンドを得られるような気がします。
Ableton 公認トレーナーLive schoolがリリースした「Roland AIRA TR-8 Samples x Fairchild Compressor」。発売前のAIRA TR-8 のサウンドがFairchild 670 コンプレッサーを通してレコーディングされ、Ableton Live 9 Drum Rackのフォーマットで収録されています。今日からAIRA TR-8 のサウンドを使って音楽作りができてしまいます。なんと無償でダウンロード可能。
「Roland AIRA TR-8 Samples x Fairchild Compressor」では全32のドラムパッドが使われており、そのうち16のパッドがドラムサウンド、16のパッドが808のキックサウンドから作られたベースサウンドが割り当てられています。ドラムパッド左側のマクロコントロールではベースサウンドの音色操作を行うことができ、右側のマクロコントロールでは各ドラムサウンドの音色選択やピッチ操作を行うことができます。
ダウンロードは http://blog.liveschool.net/roland-aira-tr-8-samples/ よりどうぞ。
さて、こちらの方はDe:Bug Music Technikが公開したばかりのAIRA TR-8とTB-3の生デモサウンド。特にScatter FX が細かくチェックされているので、気になっていた人、是非チェックしてみてください。