NI Maschineをプラグイン・モードとして使ったとき、DAWソフトウェアにMaschineの各サウンドを個別に出力することができる「マルチアウトプット機能」。この機能を使えばDAWソフトウェアで各サウンドにエフェクターをかけることができたり、ミックスをすることができるようになるだけでなく、Maschineでのライブ演奏もインストゥルメント別に録音することができるようになり、とても便利な機能となります。一度に出力できるチャンネルは16。Maschine 2.0からの新機能ではありませんが、Ableton LiveとLogic Pro X を使った例をここで見ておくことにします。
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Macro Control
NI Maschineのもっともパワルルな機能「マクロコントロール。」まずこの「マクロコントロール」がどのようなものか簡単に説明しておくと、たとえば、プレイ最中にフィルターを動かしたいとか、エフェクトの量を変えてみたいとかあると思うのですが、そんな際にいちいちフィルターのページに飛んでフィルターのパラメーターを探して、動かして、、というのでは大変な作業になってしまいます。そこで、事前に必要なパラメーターだけを一カ所にまとめて管理しておくことができるのが「マクロコントロール」という機能です。つまりパフォーマンス最中でもマクロコントロールのページを開ければ、コントローラのノブを使って、フィルターを動かしながらエフェクターも同時にコントロールするようなことができてしまうのです。
これまでのMaschineでは、マクロコントロールは各「グループ」に8つまでのパラメーターしかアサインすることができなかったのですが、新しくなったMaschine 2.0 では「グループ」の層だけでなく、「マスター」「サウンド」すべての層にこのマクロコントロールの機能がつけられています。また、アサインできるパラメーターの数は無制限になっています。
このようにMaschine 2.0 では制限が少なくなった「マクロコントロール」ではありますが、設定方法も大きく変更になっています。これまではマクロコントロールに持って行きたいパラメーターを右クリックすれば設定が完了していたのですが、Maschine 2.0ではマクロコントロールページからの設定をしなければならなくなっています。いままでのMaschineに慣れているユーザーはちょっと戸惑うところなので、設定方法を簡単に説明しておきます。
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いよいよ11月1日に発売になるNative Instruments Maschine StudioとMaschine ソフトウェア2.0。
まずこのMaschineがどういうものかもう一度簡単に説明すると、Maschineはソフトウェアとハードウェアコントローラが一体になった「グルーブプロダクションツール」で、もっと簡単に言うと「サンプラー・ドラムマシン」といったところでしょうか。付属するサウンドライブラリーはドラムサウンドがメインではありますが、それ以外のサウンド(ベース、シンセ、サウンドエフェクトなど)も含まれ、特にダンス系の音楽制作に強い内容となっています。もちろんサンプラーとして使うこともできるので、お気に入りのレコードをサンプリングして、スライスして、演奏することも可能です。
Maschineはコンピューターソフトウェアがベースとなっており、スタンドアローン・AU・VSTプラグインとして起動でき、これまでのDAWソフトウェアを使ったワークフローを損なうことがないのが一つの魅力です。それと同時に、このハードウェアコントローラを使った操作がとても柔軟で、コンピューターを見ることなしでも操作できるパフォーマンス指向の強い楽器でもあります。
Maschine Studio
11月1日に発売されるMaschine Studioですが、まずこれは大型コントローラとソフトウェアの新バージョンMaschine 2.0がパックになっている製品。
数時間さわったのみの印象ですが、コントローラはこれまでのサイズよりも遥かに大きくなっており、思った以上に重さが軽いのに驚きました。パッドのクオリティはMaschine mk2と同じような印象で、光る色の種類も同じく16種類です。
特に目を引くのがカラーディスプレイで、iPhone のようなタッチディスプレイではないものの、プロジェクトの全体像が見渡せることができたり、Maschine2.0から搭載されることとなった「ミキサー機能」を表示させることができるのは一つのメリットです。NI KompleteやMaschine Expansion などの拡張音源もジャケットのようにカラー表示され、気分はかなり高揚します。(すべてのNI 製品はアップデートが必要)
Maschine mk2ユーザー個人として特に嫉妬するのは、本体右上にあるレベルメーターで、ここでアウトプット・インプットのレベル調整ができます。これまでのMaschineコントローラではレベルメーターを見ることはできず、コンピューター内の表示にたよってしまうところです。
その他、ボタン数もこれまでよりも多くなっているのでシフトキーを押すことなく操作することができたり、ジョグホイールをつかってキットやサンプルの読み込みができるのはやはり便利です。本当の意味で「コンピューターを見ることなく操作できるコントローラ」を意図して作られた製品のように感じます。
価格は¥104,800
Maschine 2.0
大きくバージョンアップしたMaschine ソフトウェア2.0。これまでのMaschineユーザーは有償アップデート($99)することができます。MASCHINEあるいはMASCHINE MIKROを2013年10月1日~11月1日の間に購入したユーザーは、無償でダウンロードすることが可能。
アップデート後、Maschine 2のフォルダーは新たに作られ、Maschine 1はそのままハードディスクに残ります。Maschine 2に使い慣れるまでの間はひとまずキープしておくのがいいでしょう。また、Maschine 1 で作ったプロジェクトファイルをMaschine 2で読み込むことも可能になっています。
これまでのコントローラ(1世代目+2世代目ともに)を使用することも可能で、Maschine 2の内容に合わせた表示方法になっています。また、機能が多くなっている分、シフトキーを使った新しい操作も覚えなければなりませんが、愛着のあるコントローラをそのまま利用できることで、ひとまず胸をなでおろしている次第です。
またMaschine 2.0のサウンドライブラリーも新たに付属し、およそ2220のサンプル、110のサウンドキットが追加されることになります。
加えて、付属するプラグインはNI Massive、Prism(パーカッションシンセ)、Solid Bus Comp compressor、Scarbee Mark I (エレクトリックピアノ)
ということで、今回は数回に分けて、「Maschine 2.0 ソフトウェアのこれまでとの違い」を見て行きたいと思います。
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クラウドベースのオンライン・コラボレーションを可能にするOhm Force社によるDAWソフトウェア「Ohm Studio 1.0」がリリースになりました。2012年の6月にベータ版が配布され始めてから1年以上経ち、いよいよ本格始動となりました。
オンライン・コラボレーション だけでなく、プロジェクトファイルはすべてクラウドに保存することができるのも他のDAWソフトウェアにはない大きな特徴となっています。作業中にコンピューターがクラッシュしても安心。
ソーシャルネットワーキング的な要素も含められており、作業中は常に世界の誰かがログインしている様子が見受けられ、チャットをすることも可能。話がうまく合えば一緒に音楽を作ることに至るわけです。
また、公開されているプロジェクトに参加することも可能で、リアルタイムでなくとも、まずはプロジェクトを開き、ゆっくりと作業を進めた後に作業データをトランスファーすることも可能です。
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オンライン・コラボレーション。インターネットを介して世界中のミュージシャンとコミュニケーションをとりながら共同作業で音楽を作ることができるツール。例えば、バンドメンバーが同じスタジオにいなくても、別のスタジオで録音することができたり、ネット上で息が会った人と一緒に曲を作っていくことができる夢のセッション・ツール。
これまでにもいくつもの試みがなされてきているオンライン・コラボレーションですが、ミュージシャン同士のソーシャルネットワーキングであったり、ファイルの受け渡しに焦点があてられていたこと、また、ミュージシャンがそれぞれ違うソフトウェアやMIDI機材を使っていたり、大きなサイズのオーディオファイルのやり取りが厄介であったりなど、快適なコラボレーション環境とはいい難いものだったわけです。
しかし、ネットスピードが向上し、クラウド技術が向上し、オンライン・コラボレーションもかなり現実的になってきているような動きがあるようです。
たとえば、間もなく正式にローンチされるOhm Force社による「Ohm Studio」は、オンラインコラボレーションを目的として作られたDAWソフトウェアで、ユーザー同士が同じDAWソフトウェアを持つことによってオンラインコラボレーションを可能にするものです。
今日紹介する「Splice」も数年前から提供されているツールですが、間もなく大きくリニューアルされ、Ableton Liveを使うクラウド型のオンライン・コラボレーション・ツールと生まれ変わるようです。Ohm Studioとは違い、これまで使ってきたソフトウェア(Ableton Live )をそのままセッションに利用することができるのはひとつのアドバンテージのように感じます。
この「Splice」を利用するには、サイズの小さなアプリケーションをバックグラウンドで立ち上げて行くことが必要となるようですが、Ableton Liveで作られたプロジェクトのサンプルやセッションファイルは自動的にアップロードされ、「Splice Time Line」に公開されることになるようです。
コラボレーターは「Load in Ableton」ボタンをおすことによって必要なファイルをダウンロードすることができ、Ableton Liveを使いセッションに手を加えることができるようになります。作業が終了したら改訂版プロジェクトを同様にアップロード。
コラボレーターによって手が加えられたすべてのセッション内容は「Splice Time Line」に表示され、再びコラボレーターは必要なファイルをダウンロードすることによってセッションを進めて行くことができるようになるようです。MacのバックアップソフトウェアTime Machineのように、セッションのどの段階にでも後戻りすることができるのもSpliceの大きな特徴といえるでしょう。
気になるのは、もしもサードパーティ製VSTプラグインソフトウェアを使った場合はどうなるのか?たとえば一人のコラボレーターがMassiveを使ったけれども、他のコラボレーターはMassiveを持っていないような場合ですが、Spliceのマネージングシステムはプラグインソフトウェアの種類を識別し、コラボレーターのコンピューター内からその変わりとなるプラグインソフトウェアやフリーソフトウェアの案内までしてくれるそうなのです。
これまでのワークフローを維持しつつオンライン・コラボレションを可能にするSplice。まだ不透明な部分はありますが、とても期待できそうなツールとなりそうです。現在プライベート・ベータテスト受付中。詳しくはSplice Blogよりどうぞ。
Arturiaがリリースした「iSEM」は、1974年のオーバーハイム・シンセサイザーモジュール「SEM」をリクリエイトしたiPadシンセ。SEMの大きな特徴であった12dB/Oct のマルチモードフィルターも忠実に再現されており、MoogやArpとはひと味違うまろやかなシンセサウンドを楽しむことが出来る。
本家SEMの基本設計の再現に加え、Arturia ならではの新しい機能も追加。エフェクターはオーバードライブ・ディレイ・コーラスの3種類。Mod Matrixでは8種類のモジュレーションソースを26種類の設定先にアサインすることができ、動きのあるサウンドを作ることができる。Voice Programmerはオーバーハイムの1977年のポリフォニックシンセ「8 -Voice」のアイデアが踏襲されたもので、各ボイスが異なるサウンドを奏でることの出来るマルチティンバー機能。
SEMは、数年前に設計者トムオーバーハイム氏によって復刻版(ハードウェアシンセ)がリリースされたので、それに伴う資料はかなり多く用意されています。トムオーバーハイム氏が直々に語る解説ビデオ(日本語字幕付き)はファン必見。http://www.youtube.com/playlist?list=PLEBFCD7EAED343B04
Arturiaによるソフトウェアシンセ「Oberheim SEM V」も数年前にリリースされているので、このiSEMは初のSEMエミュレートシンセというわけではありません。しかし復刻版SEMがおよそ10万円、SEM Vがおよそ1万円することを考えると、850円のiPadアプリiSEMを試さない理由はないでしょう。「SEM V」と「iSEM」を比べてみると多少の機能の違いはありますが、サウンドクオリティの方はほぼ同じように聞こえるんですよね。
- iPad app recreating the classic Obeheim SEM synthesizer.
- Hundreds of sounds created by some of the best sound designers around.
- Audiobus support (to interact with other apps).
- Core MIDI (to control your synth from a Hardware MIDI keyboard).
- Apple’s Inter-app audio (to work in conjunction with GarageBand and other audio apps).
- Preset transfer and sharing via email & iTunes file transfer.
- Preset compatibility with the Arturia SEM V Mac/PC software.
- WIST clock sync support (to synchronize two iPads).
- Real analog sound based on our TAE® analog modeling.
- Voice Programmer allows for recreating the rare and classic Oberheim Eight Voice.
- requires at least an iPad 2 and OS 6.0