間もなくリリースされる JoMox のユーロラックドラムモジュール ModBase 09 & パーカッションモジュールMod.Brane 11 。まだ価格と発売日は発表になっていません。
MusikMesse 2013 でこのJoMox ドラムモジュールを見たんですが、音を聞いただけで速攻で惚れ込んでしまいました。さらに、昨日から公開になっているプレビュービデオでは2台のModBase 09と2台のMod.Brane 11が使われています。全く色気のないビデオではあるのですが、やはり惚れてしまいそうです。
MusikMesse 2013 で話題になった、ドイツのPloytec 社開発による πλ2 (ピーエルスクエアド)にちょっとだけさわる機会があったので報告しておきます。
πλ2 はわずか 4.65 cm 四方、重さ30g のプラスチック製のボックスにMIDI in端子とRCA outとUSB Mini 端子が付いているミニミニシンセサイザー・モジュールで、普通に見たらこれがシンセサイザーとはとても思えないルックス。簡単になくしてしまいそうなサイズですが、そこが凄いところです。電源をMIDI端子から供給できるといのもちょっとした驚きですが、ケーブルによっては電源供給しないものもあるので注意が必要です。
ではこのスイッチもツマミも付いていない πλ2 でどのように音色を作っていくのか?というのが最初の疑問だと思うのですが、πλ2 はMIDI CC メッセージを使って音作りをしていきます。例えば、波形の選択から始まり、フィルターの選択、フィルターの調節、エンベロープの調節などをDAWソフトウェアやMIDIコントローラを使って管理することができるのです。サポートされているMIDI CC は52種類で、この MIDI CCリストをみれば、なるほど、と納得できるでしょう。
また、エディターを使ってコンピューター上で音色作りをすることもできるようではありますが、現在のところはWindows版のみがリリースで、Mac版は間もなくリリースされるとのことです。
πλ2 は2オシレーターのデュオフォニックとよばれるシンセサイザーで、オシレーターをスプリットするDual Modeにすることで和音(発音数は少ないですが)をならすこともできます。オシレーターには矩形波とPWMを組み合わせた4種類の波形、フィルター部にはアナログとデジタル両方が採用されています。
サウンドはシンプルなアナログシンセサイザーといった感じで、ベースサウンドからリードサウンドなどカバーできるもので、低音から高音までしっかりとした音がなります。通常のハードウェア機材に比べると音量が小さく、フラットに聞こえます。
外部MIDIキーボードを使った時にはピッチベンドやモジュレーションホイールも使うことができます。モジュレーションのデスティネーションには DRS Release, OSC Volume, Filter Resonance, Filter Cutoff Analog, PWM 1, PWM 2から選ぶことができ、これらのコンビネーションによる128種類のモジュレーションホイールモードも用意されています。ビブラートやトレモロのようなものから、トリッキーな効果を付け足すことができます。
また、これだけ小さなシンセサイザーであっても32種類のファクトリープリセット、加えて、32のユーザープログラムメモリーも用意されているのも嬉しいところです。
決して派手な演奏を楽しむ類いのものではなく、シンプルなフレーズをつくることや、シンセサウンド作りを楽しむシンセサイザーのように感じました。とくにAbleton Liveと接続してクリップオートメーションを書き込みながらフレーズを作るのが楽しかったです。MIDIは特に遅く感じることもなくタイトです。
また、ちょっと部屋の隅に追いやられた古いMIDIコントローラでもこのπλ2を接続すれば立派なシンセサイザーに生まれ変わります。MIDIコントローラにたくさんのフェーダーやツマミが付いているのならリアルタイムでサウンドコントロールできるので、さらにうれしくなります。
それにしても、やはりこのサイズは凄いですね。
πλ2は11月下旬国内発売予定、価格は¥12,600
フィンランドのAudio Arteryというメーカーによる新しいタイプのDJソフトウェアONE DJがリリースになりました。NAMM 2013にも展示されていた期待のソフトウェア。
One DJは、例えばデッキの数を3つにしたり、エフェクターはディレイだけ利用、ミキサーはスクリーンの左側に設置したり、ミキサーだけ大きく表示させたりするなど、レイアウトやオーディオルーティングを自由にカスタマイズすることができ、今までのDJソフトウェアに比べると遥かに自由度の高い設計になっています。設定できるデッキの数は理屈上では無限大で、極端に言うならば10トラック、20トラック同時プレ−なんてことも可能になるわけです。
MIDIコントローラへのマッピングも柔軟に対応できるようです。先日発表になったNI Kontrol Z1やBehringerのCMDシリーズのコントローラがモジュール化していることを考えると、ユーザーが所有するコントローラのタイプに合わせて様々なセットアップを作ることができるのはなかなかいいアイデアかもしれません。
もう一つ大きな特徴はタイムラインベースでのトラックエディットで、波形のスライス・コピー&ペースト・ループの設定・グリッド設定、まるでDAWソフトウェアを扱うかのような操作が可能になっています。
現在、Windows版のみのリリースで価格は49ドル。Windowsタブレットやマルチタッチ式ディスプレイで操作することを考えたらこのONE DJのカスタマイズ機能はかなりアドバンテージが高いのかもしれません。Lenovoの27インチWindowsタブレットを使ってプレーしたらどんなことになるんでしょうか?
Mac版は開発中とのこと。まずは下のビデオでこの新しいDJソフトウェアの動きを確認してみて。
ムジークメッセ 2013ではAlex 4のブースの奥の方で鎮座していたTrautoniks VT 2012。もとは、1929年頃にドイツで発明されたTrautoniumというモノフォニックの電子楽器で、鍵盤ではなく、横木の上に張った鋼線を押して演奏する、今でいうリボンコントローラ付きアナログシンセのような楽器。テルミンが発明されたのは1919年頃とされているので、そのちょっと後に登場したということになります。このTrautoniumは多くのホラー映画音楽で利用され、ヒッチコックの映画「The Bird」の音楽が特に代表的。クラシック音楽でもパウル・ヒンデミットという作曲家がこの楽器を使ったコンチェルト(1931年)を残しており、聞いてみると、最近のエレクトロニック音楽で頻繁に使われる「フィルターを開け閉めする」効果がつかわれていることに驚きます。興味ある方はYou Tubeよりどうぞ。シンプルな音色でありながらも、表現力の高いアナログシンセサイザーの元祖。
開発者の一人であるOskar Salaの死後とともにTrautoniumの生産は完了。しかしその後、ドイツのTrautoniksというメーカーによりこのTrautoniumのクローン機の生産が開始され、ムジークメッセで見ることのできたTrautoniks VT 2012はそのうちの一つだったわけです。Trautoniksは特注生産されているものですが、Trautoniks VT 2012(画像上)のほかに、CV・Gateコントローラモデル(画像下)、Mixtur-Trautoniumという見た目圧巻なモデルも用意されています。Trautoniks VT 2012はおよそ75万円するそうです。
このTrautoniksの受注を行っているのがドイツベルリンのアナログシンセサイザーショップSchneiders Büro。下のビデオでは現在ロンドンRough Tradeに展示中のTrautoniksの様子を見ることができます。案内しているのはアナログシンセ界の名物となりつつあるSchneider氏。
いっかい 「ベルリン楽器博物館」
いっかい 「ベルリンアナログシンセサイザーの聖地」
いっかい 「1929年生まれの電子楽器 オンドマルトノ」
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