ドイツベルリンのクラブシーンでたびたび大きなトピックスとなっているのが音楽著作権問題。この数年、ドイツ著作権協会(GEMA)はクラブやディスコに対する楽曲使用料を大幅に値上げしたり、コンピューターやCDJを使うDJに対して「デジタルDJライセンス」の取得を義務付けている。

実際私がベルリンでこのライセンスを取得したという話を聞いたことはまだないのだが、これに伴い幾分ではあるが音楽に対するモラルのようなものを考えるようになってきた。

著作権は音楽作家の権利を保護するもの、楽曲の制作者に対して支払われるもの。しかしクラブの場合、ラジオでのオンエアーやCDの売り上げとは違い、DJ自らが申告をしない限りどのアーティストのどの曲がプレイされたかという情報をすべて把握することは難しい。つまり、おおまかに支払われた楽曲使用料が音楽制作者に対して正確に支払われることは不可能に近い。

しかし今日のResident Adviserの記事によると、ベルリンのテックディベロッパーFuture Audio Workshopによってあたらしいクラブトラック認証システムGTI (Geo Track ID) が 開発されているとのこと。

これによってクラブでの楽曲使用料の分配は多少改善されるのかも。

GTIの心臓部となるのはオーディオインターフェイス程の大きさのボックス。このボックスをクラブのサウンドシステムに接続することによってプレイされた楽曲の分析が可能となる。ピッチを変えてプレイされたトラックにも対応できるそうだ。すべての情報は暗号化されGTIに送られる。

GTIのデータライブラリーはダウンロード販売サイトの大手 JUNO  との提携によるもので、デジタル販売のカタログだけでなく、アナログレコードの販売カタログも含められている。また、レーベルオーナー、アーティストが楽曲管理をオンラインで委託することも可能になるそうだ。

Future Audio Workshopによると、この認証機能、現在の段階では90%の的中率なのだそうだ。間もなくベルリンのクラブPrince Charles での試用が開始される。

では、ターンテーブルを2台使ってプレイする音楽はどのようにカウントされるのだろうか?

ドイツ著作権協会(GEMA)はどのような対応をするのだろうか?

via Resident Adviser

GTI

 

 

 

 

 

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Bitwig Studio の新しいプレゼンテーションビデオが公開されています。

今回のビデオではBitwig Studio の「バウンスとスライス機能」についての説明がされています。

インストゥルメントやエフェクトトラックの一部分だけをバウンスすることができる機能。

作ったオーディオクリップはインストゥルメントトラックと同一のトラックに並べることができたり、すぐにスライスをかけてドラムラックに並べることも可能のようです。

ビデオのテンションもだいぶ上がって来ているようで、見たところ、私たちの手に届く日もそんな遠い話ではなさそうです。

 

Bitwig

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ドイツ・ベルリンで開催中のIFA (世界最大のコンシューマーエレクトロニクスショー)。IFAは世界から1,400社以上のブランドが出店する今年53回目を迎える電気製品の展示会。コンピューターを始めスマートフォン、オーディオ、家電、カメラ、様々な種類の電化新製品が場内に展示されていますが、アップルはここには来ていません。

ここ数年の「タッチスクリーン化」の波はさらに勢いを増し、展示されているスマートフォンやタブレットの数の多さにはビックリさせられます。より高速になるCPU、より高画質になり軽量化するスクリーン。Samsung、Sony、Panasonic、LG、Lenovo等アジアのメーカーの気合いが目立ちます。Samsungスマートウォッチのようなウェアラブル・ディバイス、PanasonicやLenovoの大型タブレットディバイスはやはり気になるところです。

オーディオの分野で特に目立ったのは、ストリーミングラジオに対応するプレーヤー。Blue ToothやAir Playに対応するワイヤレススピーカーシステムも数多く見ることが出来ました。高解像のアンプ、スピーカー、ヘッドフォン、プレーヤーなどは特に頑張ってもらいたい分野です。MP3のようなチープなサウンドを聞かざるを得ない若者達の耳は早急に救われなければならないでしょう。

音楽制作系のメーカーはIk Multimedia、Pioneer、Teenage Engineeringを発見することができました。Ik Multimediaは iRig Pro、Pioneerは多くのDJ関連製品を展示していましたが、先日発表したばかりのDJコントローラDDJ-SP1 を見つけることは出来ませんでした。Teenage Engineering はクラウドスピーカーOD-11の展示をしていました。Teenage Engineeringといえば数年前にNAMMで発表したOplab が気になるところなのですが、その後の製作進行状況を伺ってみたところでは「満足できる製品にするにはまだ時間がかかる、、」との返答でした。

 

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ムジークメッセ 2013ではAlex 4のブースの奥の方で鎮座していたTrautoniks VT 2012。もとは、1929年頃にドイツで発明されたTrautoniumというモノフォニックの電子楽器で、鍵盤ではなく、横木の上に張った鋼線を押して演奏する、今でいうリボンコントローラ付きアナログシンセのような楽器。テルミンが発明されたのは1919年頃とされているので、そのちょっと後に登場したということになります。このTrautoniumは多くのホラー映画音楽で利用され、ヒッチコックの映画「The Bird」の音楽が特に代表的。クラシック音楽でもパウル・ヒンデミットという作曲家がこの楽器を使ったコンチェルト(1931年)を残しており、聞いてみると、最近のエレクトロニック音楽で頻繁に使われる「フィルターを開け閉めする」効果がつかわれていることに驚きます。興味ある方はYou Tubeよりどうぞ。シンプルな音色でありながらも、表現力の高いアナログシンセサイザーの元祖。

開発者の一人であるOskar Salaの死後とともにTrautoniumの生産は完了。しかしその後、ドイツのTrautoniksというメーカーによりこのTrautoniumのクローン機の生産が開始され、ムジークメッセで見ることのできたTrautoniks VT 2012はそのうちの一つだったわけです。Trautoniksは特注生産されているものですが、Trautoniks VT 2012(画像上)のほかに、CV・Gateコントローラモデル(画像下)、Mixtur-Trautoniumという見た目圧巻なモデルも用意されています。Trautoniks VT 2012はおよそ75万円するそうです。

このTrautoniksの受注を行っているのがドイツベルリンのアナログシンセサイザーショップSchneiders Büro。下のビデオでは現在ロンドンRough Tradeに展示中のTrautoniksの様子を見ることができます。案内しているのはアナログシンセ界の名物となりつつあるSchneider氏。


いっかい 「ベルリン楽器博物館」

いっかい 「ベルリンアナログシンセサイザーの聖地」

いっかい 「1929年生まれの電子楽器 オンドマルトノ」

 


ドイツでは現在音楽権利問題が大きなトピックスになっています。昨年、ドイツの著作権協会(GEMA)はドイツベルリンのクラブやディスコでの楽曲使用料に対し大幅な値上げを発表。クラブは現在の約10倍の使用料の支払いをしなければいけないことにもなり、一部のクラブやディスコの存続が危ぶまれているという状況があります。

そして今日のニュースはDJにとって驚きなニュース。ドイツは正式に「デジタルDJライセンス」の義務付けを発表。これはどういうものかというと、DJがデジタルコピーした楽曲をプレーする場合、たとえiTunesやBeatportから購入したものやプロモーションとして無償で得たものであれ、CDRやハードディスクにコピーしたすべての楽曲に対するライセンス料を払わなければいけないというもので、金額は1曲につき0.13ユーロになるという。DJはGEMAなどの著作権協会との契約が必要になり、執行は今年の4月1日からになるとのこと。つまりは、Traktor のようなソフトウェアを使うDJはライセンスの取得が義務になってくるというわけです。自分でCDを焼いてプレーをするCDJも同様。

確かにこのライセンス料は音楽作家の権利やCDやレコードの売り上げを保護するための処置なのでしょう。しかしDJは実際にどの曲をプレイしたのかを申告することはできないわけで、果たしてこのライセンス料がどこにどのような分配がされていくのかは不透明。また、すでに購入したCDやレコードをハードディスクにコピーする場合ではライセンス料の2重払いになってしまうのでは?デジタルダウンロードした曲は私的使用のみなのか?という疑問や批判は多々あるわけです。果たしてこれは実現するのでしょうか。

クラブ大国ドイツベルリンに立ちふさがる新しい壁。このような旧式の徴収方法ではなく、もっと近代的なアイデアがこの国になるあるはずだと思うのですが。ドイツでプレーをするDJの方、特にPCDJの方は要注意かもしれません。

via De:Bug

GEMA

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ドイツのベルリンという街に住んでいて「あ〜嬉しい」と思う場所がいくつかあるのですが、このSchneisersladenはそのうちの一つ。創業15年、Andreas Schneider氏が経営するアナログものだけを取り扱うショップ。東京の原宿にもFive Gという同じスピリットを感じることのできるシンセサイザーショップがありますが、ここではSchneider氏自らがセレクトした新しい製品が揃えられており、訪れた人は展示されているすべての製品を試してみることができ、これが「嬉しい」と思うひとつの理由でもあります。

先日行われていたNAMM2013では特にアナログシンセサイザーの躍進が目立ちましたが、このショップに来てシンセサイザーの大きなつまみをいじったり、パッチケーブルをつないでいると、「なぜ今アナログシンセサイザーなのか?」という問いに対する答えがなんとなく分かってくるような気がします。

それでは中に入ってみましょう。

クロイツベルク地区という今ベルリンでもっとも活気のあるエリアに位置するSchneiders Laden。入り口はなんとコレ(画像上)。画像だけ見ているとなんだかおどろおどろしい気もしますが、ベルリンではこのような落書きは(社会問題となっているようではありますが)割と普通なのです。決して美しい街並というわけではありませんが、一歩なかに足を踏み入れるとそこはめくるめくシンセパラダイス。

 


Moog Minitaur

MFB 503 Drumcomputer

eowave Magma

Doepfer Dark Energy2

OTO Biscuit

Elektron Analog four

Sherman Rodec Restyler

Knas Ekdahl Moisturizer

 日本でも割と馴染みのあるマシンが並べられてあるルーム-1。ここでもっとも気になったのがKnasというメーカーのスプリングリバーブ(画像上)。本体の上にあるバネをさわっているでけでもどこか遠くに持って行かれるようなドローンな音がする本物のスプリングリバーブ。

ではルーム-2の方へ。

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